ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
[3]クック諸島


1.概 説

 (1) クック諸島は、英国の属領、ニュー・ジーランドの属領時代を経て、1965年憲法施行によって立法権を確立し、ニュー・ジーランドとの自由連合関係に入り、現在内政自治権及び一定限度の外交権を有している。94年の総選挙ではクック諸島政権党が大勝し、第二次ヘンリー内閣が誕生した。
 (2) 対外関係では、ニュー・ジーランドとの自由連合関係維持をその基本姿勢とし、国際法上ニュー・ジーランド政府が外交・国防の任を負ってはいるものの、実際上はクック諸島政府の決定に対するニュー・ジーランド政府の影響力は限定されている。また、国際機関等への参加についても意欲的な姿勢を見せており、太平洋島嶼国との協力関係も推進している。
 (3) 経済面では、クック諸島は、国内市場(人口約1.9万人)が小規模なため、観光業を除いて主だった産業が成長しておらず、現在観光業とそれに関連するサービス産業がGDPの約80%を占めている。公共サービスの急激な拡大により、莫大な対外債務を招き、成長率がマイナスにまで低下したため、96年、ヘンリー政権は、厳しい行政・構造改革プログラムを策定し、97年度には大幅な歳出予算削減や公務員の半数以上の削減などを行い、12.5%の付加価値税を導入した。この結果、民間の雇用吸収能力不足により労働力の国外流出を招いたものの、政府事業の民営化等により経済活性化が図られつつある。
貿易相手国としては、輸出入とも約80%を占めるニュー・ジーランドが中心である。また、ニュー・ジーランドはクック諸島の最大の支援国であり、80年代までその援助額はクック諸島のGDPの30%にも相当していたが、現在はクック諸島の自主独立を促すため段階的に援助額を減らしている。
 (4) 我が国との関係では、我が国真珠業者と協力して黒真珠の養殖が盛んに行われている。

 (参考1)主要経済指標等

90年 95年 96年 97年
人口(千人)
名目GNP 総額(百万ドル)
一人当たり(ドル)
経常収支(百万ドル)
財政収支(百万ドル)
消費者物価指数
DSR(%)
対外債務残高(百万ドル)
為替レート(年平均、1ニュージーランド・ドル=USドル) 0.5970 0.6564 0.6876 0.6630
分類(DAC/国連) 高中所得国/-
面積(千㎞2

 (参考2)主要社会開発指標

90年 最新年 90年 最新年
出生時の平均余命
(年)
乳児死亡率
(1000人当たり人数)
所得が1ドル/日以下
の人口割合(%)
5歳未満児死亡率
(1000人当たり人数)
下位20%の所得又は
消費割合(%)
妊産婦死亡率
(10万人当たり人数)
成人非識字率(%) 1X(95年) 避妊法普及率
(15-49歳女性/%)
初等教育純就学率
(%)
安全な水を享受しうる
人口割合(%)
女子生徒比率
(%)
初等教育 森林面積(1000km2
中等教育

98年7月には堀元駐フィジー大使を団長とする政策対話ミッションをクック諸島に派遣し、友好関係の強化に努めた。


2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 我が国は、クック諸島の所得水準が高いこと等により、これまで、技術協力を中心に援助を実施してきており、85年度のクック諸島周辺海域における開発調査「南太平洋海底資源調査(86年度、90年度も実施)」とこれに関連した研修員受入れの実施から協力を開始した。
無償資金協力としては、災害緊急援助と文化無償(放送機材供与)の実績がある。


3.政府開発援助実績

 (1)我が国のODA実績

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 贈   与 政府貸付 合 計
無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額
94
95
96
97
98
-(-)
0.43(77)
-(-)
-(-)
-(-)
0.45(100)
0.14(25)
0.26(100)
0.14(100)
0.37(100)
0.45(100)
0.56(100)
0.26(100)
0.14(100)
0.37(100)




-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
0.45(100)
0.56(100)
0.26(100)
0.14(100)
0.37(100)
累計 0.50(7) 6.19(93) 6.69(100) -(-) 6.69(100)

 (注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。

 

 (2)DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 うち日本 合 計
95
96
97
ニュージーランド
ニュージーランド
ニュージーランド

8.2
5.6
5.7

豪州
豪州
豪州

1.3
1.1
1.2

日本
日本
日本

0.6
0.3
0.1

ドイツ
ドイツ
フランス

0.2
0.1
0.0

フランス
フランス
ドイツ

0.1
0.0
0.0

0.6
0.3
0.1
10.4
7.1
7.1
国際機関、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 その他 合 計

95
96
97

ADB
ADB
ADB

1.8
3.9
2.4

UNTA
UNTA
UNTA

0.4
0.3
0.4

UNDP
UNFPA
UNFPA

0.2
0.1
0.1

UNFPA
UNDP
UNDP

0.2
-0.2
0.0



0.0
0.0
0.0
2.7
4.1
2.9

 

 (3)年度別・形態別実績

(単位:億円)

年度 有償資金協力 無償資金協力 技術協力
90年度
までの
累計

なし

0.10億円

内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm)

3.03億円
研修員受入
専門家派遣
機材供与
開発調査

23人
18人
7.6百万円
1件

91

なし

なし

0.81億円
研修員受入
調査団派遣
開発調査

4人
24人
1件

92

なし

なし

0.14億円
研修員受入
開発調査

4人
1件

93

なし

0.40億円

クック諸島放送局に対する放送機材 (0.40)

0.70億円
研修員受入
調査団派遣
機材供与
開発調査

5人
14人
0.0百万円
1件

94

なし

なし

0.23億円
研修員受入
開発調査

7人
1件

95

なし

なし

0.13億円
研修員受入

6人

96

なし

なし

0.20億円
研修員受入
調査団派遣

3人
5人

97

なし

なし

0.16億円
研修員受入
専門家派遣

8人
1人

98

なし

なし

0.65億円
研修員受入
専門家派遣
機材供与

14人
1人
18.3百万円

98年度
までの
累計

なし

0.50億円

6.04億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
開発調査

74人
20人
43人
25.9百万円
3件

(注)

1. 「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
2. 「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。
3. 86年度から90年度までの無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm)



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