ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
[4]ウルグァイ


1.概 説

 (1) 1973年から続いた軍政が、85年に民政移管され、94年の大統領選挙では、サンギネッティが大統領に選出された。95年3月に発足したサンギネッティ政権は、民主主義と市場開放政策を堅持し国際協調路線を尊重していくことを表明し、その後はウルグァイ国史上、民主体制下における最も安定した政権と評価されている。
 外交面では、伝統的に欧米諸国及び中南米諸国との連帯と友好協力関係の強化、国連や米州機構(OAS)の重視等を基本政策としている。近年は、アジア太平洋地域との経済関係を中心とした関係緊密化も図っている。
 (2) 経済面では、伝統的主要産業は農牧業であり、第一次産業はGDPの約10%を占めているほか、GDPの約30%以上を占める第二次産業においても、食品、羊毛製品、皮革加工品など、農牧業を基礎としたものが中心である。また、観光も盛んでその収入は羊毛、牛肉の輸出も上回るほどである。
 70年代に経済発展を遂げたが、80年代に入り、ペソの過大評価による国際競争力の低下、世界的な不況による一次産品価格の下落などのために、経済は停滞した。90年代に入り、ラカジェ政権は社会保障制度改革、電電公社民営化に失敗したが、ザンギネッティ政権は社会構造の改革とインフレ抑制を目指し、経済成長は95年こそマイナス1.8%にとどまったが、97年はメルコスール(南米南部共同市場)の進展とともに5.1%を達成している。インフレ率は、92年の59.0%から97年15.2%、98年4.3%と収束しつつある。貿易収支は、92年より赤字傾向にある。
 (3) 我が国とは1921年に外交関係を樹立し、伝統的に友好な関係を有している。98年6月には、サンギネッティ大統領が訪日している。

 (参考1)主要経済指標等

90年 95年 96年 97年
人口(千人) 3,093 3,184 3,203 3,266
名目GNP 総額(百万ドル) 7,929 16,458 18,464 20,035
一人当たり(ドル) 2,560 5,170 5,760 6,130
経常収支(百万ドル) 185.9 -212.5 -233.4 -321.1
財政収支(百万ペソ) 36 -1,467 -2,379

消費者物価指数 100 977 1,235 1,454
DSR(%) 40.8 22.1 15.4 15.4
対外債務残高(百万ドル) 4,415 5,320 5,901 6,652
為替レート(年平均、1USドル=ペソ) 1.1710 6.3491 7.9718 9.4448
分類(DAC/国連) 高中所得国/-
面積(千㎞2 174.8

 (参考2)主要社会開発指標

90年 最新年 90年 最新年
出生時の平均余命
(年)
72 73(97年) 乳児死亡率
(1000人当たり人数)
22 16(97年)
所得が1ドル/日以下
の人口割合(%)

 

5歳未満児死亡率
(1000人当たり人数)
25 20(97年)
下位20%の所得又は
消費割合(%)
妊産婦死亡率
(10万人当たり人数)
36(80-90年平均) 85(90-97年平均)
成人非識字率(%) 4 3(95年) 避妊法普及率
(15-49歳女性/%)
初等教育純就学率
(%)
93(96年) 安全な水を享受しうる
人口割合(%)
73(88-90年平均) 89(96年)
女子生徒比率
(%)
初等教育 49 49(96年) 森林面積(1000km2 7 8(95年)
中等教育

 


2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 (1) ウルグァイの所得水準が比較的高いことから、技術協力を中心に協力を行っている。
 (2) 技術協力については、林業分野等において開発調査が行われており、また、保健・医療、農牧・林業、工業などの分野において、研修員受入れ、専門家派遣を実施している。現在、「獣医研究所強化計画」、「果樹保護技術改善計画」等のプロジェクト方式技術協力を実施中である。
 無償資金協力としては、84年度からほぼ毎年、文化無償を供与しており、有償資金協力に関しては、89年度に「国土総合開発計画」の協力実績がある。


3.政府開発援助実績

 (1)我が国のODA実績

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 贈   与 政府貸付 合 計
無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額
94
95
96
97
98
0.86(8)
0.48(5)
0.01(-)
0.41(4)
0.32(-)
5.98(52)
6.61(63)
5.80(-)
6.22(54)
5.10(-)
6.84(60)
7.09(68)
5.80(-)
6.63(57)
5.41(-)
5.00
3.85
0.75
8.20
4.58(40)
3.39(32)
-1.39(-)
4.96(43)
-1.56(-)
11.42(100)
10.48(100)
4.41(100)
11.59(100)
3.85(100)
累計 4.43(4) 70.97(69) 75.39(74) 37.03 26.99(26) 102.39(100)

 (注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。

 (2)DAC諸国・国際機関のODA実績

国際機関、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 うち日本 合 計
95
96
97
スペイン
ドイツ
日本

20.4
8.8
11.6

ドイツ
日本
ドイツ

11.6
4.4
8.4

日本
フランス
フランス

10.5
4.3
3.1

フランス
スペイン
スペイン

4.7
4.1
2.1

スウェーデン
オランダ
カナダ

2.9
1.8
1.6

10.5
4.4
11.6
57.5
29.4
29.5
DAC諸国、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 その他 合 計

95
96
97

UNDP
UNDP
UNDP

14.6
17.7
24.5

CEC
CEC
CEC

7.2
3.5
2.9

IFAD
UNICEF
UNICEF

1.7
0.7
0.8

UNICEF
UNTA
UNTA

1.0
0.7
0.7

UNTA
UNFPA
UNFPA

0.9
0.3
0.3

-0.4
-0.8
-2.0
25.1
22.1
27.2

 

 (3)年度別・形態別実績

(単位:億円)

年度 有償資金協力 無償資金協力 技術協力
90年度までの累計 71.66億円

内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm)

 

3.05億円)

内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm

39.16億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
プロジェクト技協
開発調査

329人
146人
251人
1264百万円
4件
8件

91 なし 0.46億円
全国教育委員会に対する印刷機材

(0.46)

7.17億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
プロジェクト技協
開発調査

48人
18人
34人
235百万円
1件
2件

92 なし 0.41億円
共和国大学に対する科学研究機材

(0.41)

7.68億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
プロジェクト技協
開発調査

48人
21人
41人
158百万円
3件
2件

93 なし 0.47億円
カルロス・パス・フェレイラ劇場に対する音響・視聴覚機材

(0.47)

4.91億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
国立図書館機材供与

36人
20人
12人
101百万円
(0.43)

94 なし 0.45億円
モンテビデオ市プラネタリウムに対する視聴覚機材

(0.45)

5.10億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
プロジェクト技協

41人
29人
18人
62百万円
3件

95 なし 0.49億円
国立視覚美術館に対する視聴覚機材

(0.49)

5.04億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
プロジェクト技協

45人
22人
13人
94百万円
2件

96 なし 0.43億円
国立放送局付属劇場機材供与

(0.43)

7.11億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
プロジェクト技協

54人
25人
12人
175.5百万円
3件

97 なし なし 6.71億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
プロジェクト技協

52人
23人
14人
109.2百万円
3件

98 なし 0.38億円
教育文化省国立図書館マイクロフィルム機材

(0.38)

6.88億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
プロジェクト技協
開発調査

56人
23人
26人
169.6百万円
3件
1件

98年度までの累計 71.66億円

6.14億円

89.76億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
プロジェクト技協
開発調査

709人
327人
421人
2,367.1百万円
9件
9件

(注)1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
   2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。
   3.84年度から90年度までの有償資金協力及び無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm)

 (参考1)98年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
案   件   名 協力期間
野菜研究(86)
紙パルプ品質改善(84)(90)
消化器病センター(92)
果樹研究(90)
プラスチック試験技術(97)
林木育種計画
果樹保護技術改善計画
獣医研究所強化計画
林産品試験計画

78.7~83.7
81.9~86.3
84.4~90.12
86.7~93.7
91.3~95.3
93.3~98.3
95.3~00.2
96.10~01.9
98.10~03.9

 (参考2)98年度実施開発調査案件

案   件   名

林産工業開発基本計画調査

 



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