国別援助実績
1991年～1998年の実績
［44］モーリタニア
(1) 84年のクーデターで成立したタヤ政権は、92年１月の大統領選挙、３月の国民議会選挙、４月の上院選挙と一連の民主化プロセスを実施して民政移管を行った。タヤ大統領は大統領就任後、言論の自由、政党活動の自由を認める等民主化の定着に努め、97年12月の大統領選挙で再選され、隣国との関係改善と経済再建を推進している。
(2) 外交面では、非同盟を軸として穏健中立を貫くとともに、フランスをはじめとする西側先進諸国との関係強化を進めている。アラブ連盟のメンバーであり、89年７月にはモロッコ、テュニジア、アルジェリア、リビアとともにアラブ・マグレブ連合を結成し、イスラム諸国との協力にも積極姿勢を示している。また、隣国セネガルを含む西アフリカ諸国との関係強化も積極的に行っている。
(3) 経済面では、GDP構成比で約20％を占める農業、漁業及び牧畜を基盤とし、外貨収入は水産物及び鉄鉱石の輸出（それぞれ半分ずつ程度）に依存している。92年の民主化プロセス以降は、緊縮財政努力、通貨切り下げ等により同計画は進捗を見せ始め、97年も4.5％の成長率を達成している。現在、年平均GDP成長率の5.5％の達成等を内容とする公共投資計画（1998～2001）を策定し、経済発展に向けた努力を行っている。
(4) 我が国は、モーリタニアからイカ、タコ等の水産物、クロム鉱石を輸入し（98年輸入額１億48万ドル）、同国に自動車、機械類部品タイヤ等を輸出している（同輸出額1,757万ドル）。
我が国は、モーリタニアの基礎生活の向上を図るため、無償資金協力及び行政、人的
（参考１） 主要経済指標等
| － | 90年 | 95年 | 96年 | 97年 | |
| 人口（千人） | 1,969 | 2,274 | 2,332 | 2,461 | |
|
名目GNP |
総額（百万ドル） | 987 | 1,049 | 1,089 | 1,093 |
| 一人当たり（ドル） | 500 | 460 | 470 | 440 | |
| 経常収支（百万ドル） | －9.6 | 22.1 | － | － | |
| 財政収支（十億ウギア） | －4.26 | 1.58 | 11.26 |
－ |
|
| 消費者物価指数 | － | － | － | － | |
| ＤＳＲ（％） | 29.9 | 22.9 | 22.2 | 25.6 | |
| 対外債務残高（百万ドル） | 2,096 | 2,350 | 2,412 | 2,453 | |
| 為替レート（年平均、1USドル＝ウギア） | 80.609 | 129.768 | 137.222 | 151.853 | |
| 分類（DAC／国連） | 後発開発途上国／LDC | ||||
| 面積（千㎞2） | 1,025.2 | ||||
（参考２） 主要社会開発指標
|
－ |
90年 | 最新年 | 90年 | 最新年 | ||
| 出生時の平均余命（年） | 47 | 53(97年) | 乳児死亡率 （1000人当たり人数） |
122 | 92(97年) | |
|
所得が1ドル／日以下 の人口割合（％） |
－ | 31.4(88年) |
5歳未満児死亡率 （1000人当たり人数） |
214 | 149(97年) | |
|
下位20％の所得又は 消費割合（％） |
－ | 6.2(95年) |
妊産婦死亡率 （10万人当たり人数） |
－ | 800(90-97年平均) | |
| 成人非識字率（％） | 66 | 62(95年) |
避妊法普及率 （15-49歳女性/％） |
1(80-90年平均) | － | |
|
初等教育純就学率 （％） |
－ | 57(96年) |
安全な水を享受しうる 人口割合（％） |
66(88-90年平均) | 64(96年) | |
|
女子生徒比率 （％） |
初等教育 | 41 | 47(96年) | 森林面積（1000km2） | 6 | 6(95年) |
| 中等教育 | 31 | 5(96年) | ||||
資源分野等での研修員受入、専門家派遣、開発調査等の技術協力を中心に援助を実施している。無償資金協力については、ほぼ毎年実施している食糧援助及び食糧増産援助のほか、保健・医療、水供給といった基礎生活分野への援助、水産無償援助等を実施している。また、同国の構造調整努力を支援するため、98年度までに合計53億円のノン・プロジェクト無償資金協力を供与したほか、93年７月及び95年12月にIDAとの協調融資による合計75億円の円借款を供与した。今後とも、同国の民主化、経済改革努力を支援するため、無償資金協力及び技術協力を中心に援助実施を検討していく方針である。
| (1)我が国のODA実績 |
（支出純額、単位：百万ドル） |
| 暦年 | 贈与 | 政府貸付 | 合計 | |||
| 無償資金協力 | 技術協力 | 計 | 支出総額 | 支出純額 | ||
|
94 95 96 97 98 |
23.21(68) 34.84(73) 21.35(72) 25.93(73) 22.01(－) |
1.60(5) 1.40(3) 3.49(12) 5.05(14) 3.37(－) |
24.81(73) 36.25(76) 24.84(83) 30.98(87) 25.38(－) |
11.41 13.79 7.00 6.30 － |
9.26(27) 11.45(24) 4.98(17) 4.98(13) －1.68(－) |
34.07(100) 47.70(100) 29.83(100) 35.46(100) 23.70(100) |
| 累計 | 204.37(70) | 18.66(6) | 223.06(76) | 91.23 | 69.44(24) | 292.50(100) |
（注）（ ）内は、ODA合計に占める各形態の割合（％）。
(2)DAC諸国・国際機関のODA実績
| DAC諸国、ODA NET |
（支出純額、単位：百万ドル） |
| 暦年 | １位 | ２位 | ３位 | ４位 | ５位 | うち日本 | 合計 |
|
95 96 97 |
フランス 51.3 フランス 45.2 日本 35.5 |
日本 47.7 日本 29.8 フランス 30.7 |
ドイツ 12.0 ドイツ 12.3 ドイツ 16.8 |
スペイン 6.5 スペイン 4.5 スペイン 5.6 |
イタリア 2.1 米国 2.0 米国 2.0 |
47.7 29.8 35.5 |
126.0 98.8 95.5 |
| 国際機関、ODA NET |
（支出純額、単位：百万ドル） |
| 暦年 | １位 | ２位 | ３位 | ４位 | ５位 | その他 | 合計 |
|
95 96 97 |
CEC 41.8 CEC 107.2 CEC 81.1 |
IDA 28.8 IDA 34.1 IDA 31.8 |
IMF 12.8 IMF 10.9 AfDF 13.4 |
WFP 7.3 AfDF 10.3 IMF 12.3 |
AfDF 6.5 WFP 5.1 WFP 10.1 |
23.8 18.8 16.0 |
120.9 186.4 164.7 |
| (3)年度別・形態別実績 |
（単位：億円） |
| 年度 | 有償資金協力 | 無償資金協力 | 技術協力 |
|
90年度 までの 累計 |
39.23億円 (内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照 |
74.57億円 (内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照 |
4.90億円 研修員受入 14人 |
| 91 | なし |
18.78億円 農業土木機材整備計画(95) (8.20) |
0.43億円 研修員受入 7人 |
| 92 | なし |
15.93億円 ノンプロジェクト援助 (9.00) |
0.34億円 研修員受入 4人 |
| 93 |
46.63億円 公企業セクター調整計画 (46.63) |
26.42億円 医療体制強化計画(97) (4.45) |
1.23億円 研修員受入 9人 |
| 94 |
なし |
26.10億円 中南部地方水利計画(2/2期-1) (4.60) |
1.30億円 研修員受入 15人 |
| 95 |
28.21億円 民間セクター振興計画 (28.21) |
33.23億円 輸送力増強計画 (2.80) |
1.49億円 研修員受入 13人 |
| 96 | なし |
28.51億円 中南部地方水利計画(2/2期-3) (4.70) |
4.92億円 研修員受入 13人 |
| 97 | なし |
36.40億円 ギニアウォーム撲滅対策飲料水給水計画(1/2期) (8.17) |
4.81億円 研修員受入 24人 |
| 98 | なし |
25.36億円 ギニアウォーム撲滅対策飲料水供給計画(国債1/3) (6.99) |
2.89億円 研修員受入 24人 |
|
98年度 までの 累計 |
114.07億円 | 285.30億円 |
22.34億円 研修員受入 123人 |
（注）１．「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。（ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年５月末日までにE/N署名を行ったもの。）
２．「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はＪＩＣＡ経費実績ベースによる。
３．77年度から90年度までの有償資金協力及び無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm)
（参考１）98年度実施開発調査案件
| 案 件 名 |
| キファ市地下水開発計画調査(第２年次) |
（参考２）98年度実施草の根無償資金協力案件
| 案 件 名 |
|
マンガール村漁村開発プロジェクト メデルドラ市場改修及び屠殺場建設計画 アズラト地区集中開発計画 ナイム地区開発計画 タウエン地区開発計画 ティシット地区農業開発計画 イガヴァンヌ学校修復計画 アクジュット村電気製粉器設置計画 ゲズランヌ野菜栽培促進計画 ヌアクショットらい病身体障害者駐車場警備活動拡充計画 テルゲント村開発計画 孤児用幼稚園建設計画 メイスカ地区農業開発計画 セブカ地区野菜栽培・家禽飼育計画 タギラレット村農業集中開発計画 アドラ耕地開発計画 テウフィク・ショガール地区農業開発計画 ブカブラ野菜栽培促進計画 エル・バラカ地区野菜栽培促進計画 ラビ地区農業開発計画 刺繍工芸振興計画 テヤレット地区野菜栽培促進計画 ヤラ・ヤナ地区開発計画 |
