国別援助実績
1991年～1998年の実績
［36］ベナン
(1) ケレクー政権は89年にマルクス・レーニン主義及び一党独裁の放棄を表明し、90年12月に国民投票によって承認された新憲法に基づき、91年２月の複数政党制下での国民議会選挙を実施した。同年３月の大統領選挙で同大統領は敗北し、ソグロ新大統領が誕生した。同大統領は最高裁判所設立をはじめ、民主的国家機構の整備に努めたが、社会的負担の増大等に対する国民の不満から、96年３月の大統領選挙ではケレクー前大統領が当選する結果となった。同大統領は、民主化及び経済構造調整を推進してきている。
(2) 外交面では、89年のマルクス・レーニン主義の放棄及びアフリカにおける民主化の流れを受けて、西側諸国との関係強化が進みつつある。
(3) 経済面では、農業等の第一次産業部門がGDPの約35％（97年）を占め、第三次産業部門もGDPの約40％（97年）を占めている。
現在は、世銀・IMFの支援を受け、96年から第３次構造調整計画を実施し、公務員改革、公企業改革、民間部門開発等に取り組んでいる。同国の経済改革努力に対するドナー側の評価は非常に高い。
(4) 我が国は、ベナンから植物性油脂、実綿等を輸入し（98年輸入額80万ドル）、同国に鉄鋼板、オートバイ、自動車等を輸出している（同輸出額2,447万ドル）。98年10月のTICADIIに際しケレクー大統領が来日した。
我が国は、同国の積極的な民主化及び経済改革努力を評価し、無償資金協力及び保健医療、水産分野等での研修員受入、開発調査等の技術協力を中心とした援助を実施して
（参考１） 主要経済指標等
| － | 90年 | 95年 | 96年 | 97年 | |
| 人口（千人） | 4,741 | 5,475 | 5,632 | 5,796 | |
|
名目GNP |
総額（百万ドル） | 1,716 | 2,034 | 1,998 | 2,227 |
| 一人当たり（ドル） | 360 | 370 | 350 | 380 | |
| 経常収支（百万ドル） | 18.7 | － | － | － | |
| 財政収支（百万CFAフラン） | － | － | － | － | |
| 消費者物価指数（85年＝100） | 104.7 | 169.8 | － | － | |
| ＤＳＲ（％） | 7.6 | 8.2 | 7.3 | 9.1 | |
| 対外債務残高（百万ドル） | 1,292 | 1,614 | 1,594 | 1,624 | |
| 為替レート（年平均、164ドル＝CFAフラン） | 272.26 | 499.15 | 511.55 | 583.67 | |
| 分類（DAC／国連） | 後発開発途上国／ＬＤＣ | ||||
| 面積（千㎞2） | 110.6 | ||||
（参考２） 主要社会開発指標
|
－ |
90年 | 最新年 |
－ |
90年 | 最新年 | |
|
出生時の平均余命 （年） |
47 | 55(97年) | 乳児死亡率 （1000人当たり人数） |
88 | 88(97年) | |
|
所得が1ドル／日以下 の人口割合（％） |
－ |
5歳未満児死亡率 （1000人当たり人数） |
147 | 149(97年) | ||
|
下位20％の所得又は 消費割合（％） |
－ | － |
妊産婦死亡率 （10万人当たり人数） |
160(80-90年平均) | 500(90-97年平均) | |
| 成人非識字率（％） | 77 | 63(95年) |
避妊法普及率 （15-49歳女性/％） |
9(80-90年平均) | 16(90-98年平均) | |
|
初等教育純就学率 （％） |
52 | 63(96年) |
安全な水を享受しうる 人口割合（％） |
54(88-90年平均) | 72(96年) | |
|
女子生徒比率 （％） |
初等教育 | － | 36(96年) | 森林面積（1000km2） | 49 | 46(95年) |
| 中等教育 | 27 | － | ||||
いる。無償資金協力については、ほぼ毎年度食糧援助及び食糧増産援助を実施しているほか、水供給等の分野にも重点を置いている。また、同国の構造調整努力を支援するため95年度に38億円の円借款を供与するとともに、98年度までに合計36億円のノン・プロジェクト無償資金協力を供与した。
| (1) 我が国のODA実績 |
（支出純額、単位：百万ドル） |
| 暦年 | 贈与 | 政府貸付 | 合計 | |||
| 無償資金協力 | 技術協力 | 計 | 支出総額 | 支出純額 | ||
|
94 95 96 97 98 |
10.00(88) 10.89(89) 26.23(59) 17.68(94) 17.22(52) |
1.37(12) 1.39(11) 1.22(3) 1.13(6) 1.36(4) |
11.37(100) 12.28(100) 27.45(100) 18.81(100) 18.58(56) |
－ － 17.29 － 14.37 |
－(－) －(－) 17.29(39) －(－) 14.37(44) |
11.37(100) 12.28(100) 44.74(100) 18.81(100) 32.95(100) |
| 累計 | 147.37(78) | 9.86(5) | 157.22(83) | 31.66 | 31.66(17) | 188.88(100) |
（注）（ ）内は、ODA合計に占める各形態の割合（％）。
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
| DAC諸国、ODA NET |
（支出純額、単位：百万ドル） |
| 暦年 | １位 | ２位 | ３位 | ４位 | ５位 | うち日本 | 合計 |
|
95 96 97 |
フランス 54.3 日本 44.7 フランス 26.6 |
ドイツ 51.4 フランス 44.3 米国 22.0 |
スイス 16.3 ドイツ 22.4 ドイツ 20.3 |
デンマーク 13.2 デンマーク 14.6 デンマーク 19.0 |
日本 12.3 スイス 10.3 日本 18.8 |
12.3 44.7 18.8 |
177.4 164.9 148.0 |
| 国際機関、ODA NET |
（支出純額、単位：百万ドル） |
| 暦年 | １位 | ２位 | ３位 | ４位 | ５位 | その他 | 合計 |
|
95 96 97 |
IDA 27.5 IDA 37.4 CEC 32.0 |
AfDF 22.0 CEC 26.0 IDA 16.2 |
CEC 16.6 AfDF 21.8 AfDF 7.2 |
IMF 11.8 IMF 17.9 UNDP 6.7 |
WFP 5.9 UNDP 6.7 WFP 4.4 |
13.9 12.3 11.1 |
97.6 122.1 77.5 |
| (3) 年度別・形態別実績 | （単位：億円） |
| 年度 | 有償資金協力 | 無償資金協力 | 技術協力 |
|
90年度 までの 累計 |
なし |
67.04億円 (内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照 |
1.97億円 研修員受入 46人 |
| 91 |
なし |
9.23億円 村落給水計画(96) (5.73) |
0.78億円 研修員受入 5人 |
| 92 |
なし |
16.45億円 村落給水計画(2/2期)(96) (3.95) |
0.43億円 研修員受入 5人 |
| 93 |
なし |
15.11億円 コトヌ国立大学病院医療機材整備計画(97) (5.65) |
0.90億円 研修員受入 7人 |
| 94 |
なし |
13.01億円 村落給水計画(1/2期) (6.18) |
1.82億円 研修員受入 15人 |
| 95 |
37.62億円 構造調整計画(III) (37.62) |
21.37億円 村落給水計画(2/2期) (9.01) |
0.93億円 研修員受入 17人 |
| 96 |
なし |
26.38億円 コトヌ市雨水排水施設整備計画(国債2/3) (9.73) |
1.39億円 研修員受入 16人 |
| 97 |
なし |
14.70億円 コトヌ市雨水排水施設整備計画(国債3/3期) (2.76) |
0.98億円 研修員受入 19人 |
| 98 |
なし |
13.38億円 小学校建設計画(国債2/3) (9.38) |
2.86億円 研修員受入 22人 |
|
98年度 までの 累計 |
37.62億円 | 196.67億円 |
12.07億円 研修員受入 152人 |
| （注）１．「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。（ただし、96年度以降 の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年５月末日までにE/N署名を行ったもの。） ２．「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はＪＩＣＡ経費実績ベースによる。 ３．79年度から90年度までの有償資金協力及び無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ 参照(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm) |
（参考） 98年度実施開発調査案件
| 案 件 名 |
| 北部保存林森林管理計画調査(第１年次) |
