(1) 93年10月の軍部によるクーデター未遂事件により、フツ族のンダダイエ大統領はじめ閣僚数名が殺害され、国内抗争が再燃した。それ以降の内戦においてこれまで約20万人が殺害されたと言われている。96年7月の軍事クーデターによりツチ族のブヨヤ元大統領が暫定大統領に就任した。その後、ニエレレ元タンザニア大統領のイニシアティブに基づく紛争当事者間の和平協議が行われた結果、98年6月に停戦合意が成立した。しかし、未だ停戦合意に従わない勢力が存在し、また、諸勢力の間でも主導権争い等が見られ、今後の和平推進に対する懸念材料となっている。
(2) 外交面では、96年7月のクーデターを受け、同年8月、タンザニアを中心とした周辺諸国による対ブルンディ経済制裁が発動された。97年4月、同制裁は大幅に緩和され、99年1月には一時停止されたが、近隣諸国による制裁完全解除のコンセンサスは得られていない。我が国は98年12月に政府承認を行った。
(3) 経済面では、GDPの約50%、労働人口の90%以上を農林漁業が占めており、伝統的自給自足農業が中心となっている。86年から世銀・IMFの支援を得て構造調整計画を実施し、経済状況に改善が見られたが、資源の乏しい国土に高密度の人口を抱える中、武力抗争の続発により、経済基盤が弱体化している。
(4) 我が国は、ブルンディからコーヒー等を輸入(98年輸入額18万ドル)し、同国に自動車、鉄鋼板等を輸出している(98年輸出額181万ドル)。
(参考1) 主要経済指標等
- | 90年 | 95年 | 96年 | 97年 | |
人口(千人) | 5,470 | 6,264 | 6,423 | 6,424 | |
名目GNP |
総額(百万ドル) | 1,151 | 684 | 1,066 | 924 |
一人当たり(ドル) | 210 | 160 | 170 | 140 | |
経常収支(百万ドル) | -69.4 | -7.8 | -40.3 | 4.0 | |
財政収支(百万ブルンディ・フラン) | 1,273.7 | 2,630.0 | -7,890.5 | -16,732.4 | |
消費者物価指数 | - | - | - | - | |
DSR(%) | 43.4 | 27.7 | 53.5 | 29.0 | |
対外債務残高(百万ドル) | 907 | 1,158 | 1,127 | 1,066 | |
為替レート(年平均、164ドル=ブルンディ・フラン) | 171.26 | 249.76 | 302.75 | 352.35 | |
分類(DAC/国連) | 後発開発途上国/LDC | ||||
面積(千㎞2) | 25.7 |
(参考2) 主要社会開発指標
- |
90年 | 最新年 | - | 90年 | 最新年 | |
出生時の平均余命 (年) |
49 | 47(97年) | 乳児死亡率 (1000人当たり人数) |
115 | 119(97年) | |
所得が1ドル/日以下 の人口割合(%) |
- | - |
5歳未満児死亡率 (1000人当たり人数) |
192 | 200(97年) | |
下位20%の所得又は 消費割合(%) |
- | - |
妊産婦死亡率 (10万人当たり人数) |
- | 1,300(90-97年平均) | |
成人非識字率(%) | 50 | 65(95年) |
避妊法普及率 (15-49歳女性/%) |
7(80-90年平均) | - | |
初等教育純就学率 (%) |
- | - |
安全な水を享受しうる 人口割合(%) |
38(88-90年平均) | 58(96年) | |
女子生徒比率 (%) |
初等教育 | 46 | 45(96年) | 森林面積(1000km2) | 2 | 3(95年) |
中等教育 | 36 | - |
93年10月のクーデター未遂事件発生以降、隣国ルワンダにおける内戦の影響や、国内対立により、人道分野を中心にUNHCR、WFP、UNDP等国際機関を通じた支援を行っている。98年5月にはUNDPブルンディ国連信託基金に対し、100万ドルの緊急援助を実施している。今後の援助実施については、同国の政情・治安の推移等を見極めつつ検討していく必要がある。
(1) 我が国のODA実績 |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 贈与 | 政府貸付 | 合計 | |||
無償資金協力 | 技術協力 | 計 | 支出総額 | 支出純額 | ||
94 95 96 97 98 |
7.26(98) 4.11(99) 0.99(98) -(-) -(-) |
0.16(2) 0.03(1) 0.02(2) -(-) -(-) |
7.42(100) 4.14(100) 1.01(100) -(-) -(-) |
- - - - - |
-(-) -(-) -(-) -(-) -(-) |
7.42(100) 4.14(100) 1.01(100) -(-) -(-) |
累計 | 77.11(72) | 5.00(5) | 82.11(77) | 24.38 | 24.38(23) | 106.47(100) |
(注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
DAC諸国、ODA NET |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 96 97 |
ドイツ 30.9 ドイツ 13.8 ドイツ 6.1 |
米国 23.0 フランス 13.0 フランス 5.9 |
フランス 17.5 ベルギー 6.8 ノールウェー 5.4 |
ベルギー 9.5 ノールウェー 5.8 ベルギー 4.9 |
ノールウェー 5.5 スウェーデン 4.9 オランダ 4.0 |
4.1 1.0 - |
108.4 67.8 38.2 |
国際機関、ODA NET |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | その他 | 合計 |
95 96 97 |
UNHCR 99.0 UNHCR 81.8 UNHCR 57.4 |
IDA 24.5 AfDF 14.5 UNICEF 8.5 |
CEC 23.9 IDA 13.9 IDA 7.4 |
WFP 16.5 WFP 10.3 UNDP 7.3 |
AfDF 11.9 CEC 9.9 AfDF 2.9 |
7.7 6.8 -2.1 |
183.4 137.2 81.4 |
(3) 年度別・形態別実績 |
(単位:億円) |
年度 | 有償資金協力 | 無償資金協力 | 技術協力 |
90年度 までの 累計 |
33.00億円 (内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照 |
85.41億円 (内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照 |
4.25億円 研修員受入 40人 |
91 | なし |
12.78億円 道路機材整備計画 (4.78) |
0.90億円 研修員受入 5人 |
92 | なし |
12.00億円 ブジュンブラ市電話網整備計画(1/2期) (4.40) |
0.94億円 研修員受入 8人 |
93 | なし |
5.97億円 ブジュンブラ市電話網整備計画(2/2期-1) (1.97) |
0.80億円 研修員受入 11人 |
94 | なし |
7.57億円 ブジュンブラ市電話網整備計画(2/2期-2) (2.57) |
0.05億円 研修員受入 2人 |
95 | なし |
5.50億円 債務救済 (0.50) |
なし |
96 | なし | なし | なし |
97 | なし | なし | なし |
98 | なし | 難民向け食糧援助(WFP経由) (注4) |
なし |
98年度 までの 累計 |
33.00億円 | 129.23億円 |
6.93億円 研修員受入 66人 |
(注)1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降 の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。) 2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。 3.79年度から90年度までの有償資金協力及び無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ 参照(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm) 4.WFP経由でソマリア、スーダン、エティオピア等7か国への供与にて合計29億円。 |