(1) 87年クーデターにより政権を掌握したコンパオレ人民戦線議長(元首)は、90年には民主化を進める方針を表明し、国民投票により採択された新憲法に基づく91年12月の大統領選挙においてコンパオレ大統領が選出された。複数政党制下で実施された92年及び97年の国民議会選挙では与党が圧勝し、98年11月の大統領選挙ではコンパオレ大統領が再選され、政権の安定性を確立している。
(2) 外交面では、非同盟を掲げているが、深刻な経済困難による援助の必要性から先進諸国との関係をも重視している。また、トーゴーの民主化支援、ニジェールのトアレグ紛争解決支援等、地域の安定化にも貢献し、98年6月からは1年間アフリカ統一機構(OAU)の議長国として活動する等、対アフリカ諸国との関係でも積極的な外交を展開している。
(3) 経済面では、GDPの約35%、労働人口の約90%を農業・牧畜業が占めている。90年に社会主義を放棄するとともに、世銀・IMFとの間で経済構造調整に関する合意に達し、世銀、フランス、EC、AfDB等から多額の資金供与を受け、財政不均衡や民間部門の強化、公共部門の縮小等に取り組んでいる。サヘル地域に位置しているため、気候により農業が左右される等、種々の困難を抱えているが、構造調整に向けた努力はドナーの間で高く評価されている。
(4) 我が国は、ブルキナ・ファソから植物性油脂、実綿等を輸入し(98年輸入額480万ドル)、同国にオートバイ、自動車、鉄鋼等を輸出している(同輸出額746万ドル)。98年10月のTICADIIに際しコンパオレ大統領が来日した。
(参考1)主要経済指標等
- | 90年 | 95年 | 96年 | 97年 | |
人口(千人) | 9,016 | 10,377 | 10,669 | 10,474 | |
名目GNP | 総額(百万ドル) | 2,955 | 2,417 | 2,410 | 2,579 |
一人当たり(ドル) | 330 | 230 | 230 | 250 | |
経常収支(百万ドル) | -76.9 | - | - | - | |
財政収支(百万CFAフラン) | -1,940 | -37,971 | -23,579 | -44,500 | |
消費者物価指数(85年=100) | 103.4 | 122.1 | 127.1 | 128.6 | |
DSR(%) | 6.8 | 11.4 | 11.3 | 11.8 | |
対外債務残高(百万ドル) | 834 | 1,267 | 1,294 | 1,297 | |
為替レート(年平均、1USドル=ダラシ) | 272.26 | 499.15 | 511.55 | 583.67 | |
分類(DAC/国連) | 後発開発途上国/LDC | ||||
面積(千㎞2) | 273.6 |
(参考2)主要社会開発指標
- | 90年 | 最新年 | - | 90年 | 最新年 | |
出生時の平均余命 (年) |
48 | 46(97年) | 乳児死亡率 (1000人当たり人数) |
133 | 99(97年) | |
所得が1ドル/日以下 の人口割合(%) |
- | - | 5歳未満児死亡率 (1000人当たり人数) |
228 | 169(97年) | |
下位20%の所得又は 消費割合(%) |
- | 5.5(94年) | 妊産婦死亡率 (10万人当たり人数) |
810(80-90年平均) | 930(90-97年平均) | |
成人非識字率(%) | 82 | 81(95年) | 避妊法普及率 (15-49歳女性/%) |
1(80-90年平均) | 8(90-98年平均) | |
初等教育純就学率 (%) |
29 | 31(96年) | 安全な水を享受しうる 人口割合(%) |
69(88-90年平均) | - | |
女子生徒比率 (%) |
初等教育 | 38 | 39(96年) | 森林面積(1000km2) | 44 | 43(95年) |
中等教育 | 33 | 35(96年) |
我が国は、同国の基礎生活の向上を図るため、食糧援助、食糧増産援助や教育、水供給等の基礎生活分野における無償資金協力を実施しているほか、人的資源、農業分野等での研修員受入を中心とした技術協力を実施している。なお、同国の構造調整努力を支援するためのノン・プロジェクト無償資金協力を98年度までに合計11億円供与した。98年10月には青年海外協力隊の派遣取極の署名がなされた。我が国は、同国の民主化、経済改革努力を支援するため、今後とも基礎生活分野を中心に援助を検討していく方針である。
(1) 我が国のODA実績 |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 贈 与 | 政府貸付 | 合 計 | |||
無償資金協力 | 技術協力 | 計 | 支出総額 | 支出純額 | ||
94 95 96 97 98 |
10.36(88) 5.60(84) 13.94(94) 7.17(87) 7.25(82) |
1.46(12) 1.06(16) 0.90(6) 1.07(13) 1.60(18) |
11.82(100) 6.66(100) 14.85(100) 8.24(100) 8.85(100) |
- - - - - |
-(-) -(-) -(-) -(-) -(-) |
11.82(100) 6.66(100) 14.85(100) 8.24(100) 8.85(100) |
累計 | 100.72(90) | 11.17(10) | 111.91(100) | - | -(-) | 111.91(100) |
(注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
国際機関、ODA NET |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合 計 | ||||||||||
95 96 97 |
|
|
|
|
|
6.7 14.9 8.2 |
252.3 269.2 217.9 |
DAC諸国、ODA NET |
(支出純額、単位:百万ドル) |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | その他 | 合 計 | ||||||||||
95 |
|
|
|
|
|
24.4 18.0 15.9 |
229.8 146.9 149.2 |
(3)年度別・形態別実績 |
(単位:億円) |
年度 | 有償資金協力 | 無償資金協力 | 技術協力 | ||
90年度 までの 累計 |
なし | 76.26億円 (内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm)) |
3.55億円
|
||
91 | なし | 11.15億円 食糧公社輸送力増強計画(95) (3.15)ノンプロジェクト援助 (3.00) 食糧援助 (2.00) 食糧増産援助 (3.00) |
1.51億円
|
||
92 | なし | 10.81億円 地下水開発計画(1/2期) (5.81)食糧援助 (2.00) 食糧増産援助 (3.00) |
0.39億円
|
||
93 | なし | 7.25億円 地下水開発計画(2/2期) (2.75)食糧援助 (1.50) 食糧増産援助 (3.00) |
1.62億円
|
||
94 | なし |
5.50億円
食糧援助 (1.50) |
1.00億円
|
||
95 | なし | 17.75億円
小学校建設計画 (6.25) |
1.22億円
|
||
96 | なし | 6.00億円 食糧増産援助 (4.50)食糧援助 (1.50) |
0.97億円
|
||
97 | なし | 18.44億円 第二次小学校建設計画 (10.47)ギニアウォーム撲滅対策飲料水給水計画(詳細設計) (0.57) 食糧援助 (3.90) 食糧増産援助 (3.50) |
1.14億円
|
||
98 | なし | 26.36億円 ギニアウォーム撲滅対策飲料水供給計画(国債1/3) (7.39)ノンプロジェクト無償 (3.00) 食糧増産援助 (4.50) 草の根無償(3件) (0.14) 第二次小学校建設計画 (11.33) |
2.62億円
|
||
98年度 までの 累計 |
なし |
179.52億円 |
14.01億円
|
(注)1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。
3.79年度から90年度までの無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm)
(参考1)98年度実施開発調査案件
案 件 名 |
南西部地域国土基本図作成調査(第1年次) 南西部地域国土基本図作成調査(技術評価審査) 南西部地域国土基本図作成事前調査(SPW協議) |
(参考2)98年度実施草の根無償資金協力案件
案 件 名 |
ボボ・デュラッソ栄養失調児回復センター建設計画 緑のサヘル植林活動用運搬車供与計画 コンバンベド村及びナレ村女性協同組合への製粉機供与計画 |
プロジェクト所在図