(1998年3月、在ボリビア大使館)
援助形態 | 草の根無償資金協力 |
協力年度 | 1994年度 |
協力金額 | 300万円 |
相手国実施機関 | プロメタ(タリハ県環境保護団体) |
協力の内容 | プロメタに対して巡回・物資搬入用車両(1台)を供与した。 |
〈評価要旨〉
1 効率性
本件車両供与は、TNC(ネイチャー・コンサーバンシー)による「危機に瀕する公園計画」資金援助による地域内キャンプ建設、管理人の常駐配備や各種教育セミナー活動と補完的関係にあり、迅速な車両購入はTNC資金援助によるプロメタの活動の活性化に効果的に機能した。
2 目標達成度
本件車両供与により、タリハ県南部国立タリキア自然保護地域へのアクセスが改善され、地域内の常駐管理人キャンプ設置用資材や物資の搬入が可能になり、これによりプロメタによる環境保護活動や地域住民の持続的開発意識の向上のための教育活動が推進されている。このような目標達成には、TNCによる「危機に瀕する公園計画」資金援助が効果的に働いている。
3 インパクト
本件車両供与は、TNC資金援助との効果的補完関係により、地域の環境保護と住民の持続的開発意識の向上に大きな効果をもたらしている。また、本件供与に際し車両管理を徹底させたことが現在の効果的な車両管理体制整備につながった。
4 妥当性
本件は、政府が重点政策として進める持続的開発に合致するものであり、また、日本側としてもコモンアジェンダ案件(地球案件保護)としてTNCと協議の上実施したものであることから的確な案件であった。
5 自立発展性
プロメタはTNCの資金援助の下、活動地域の拡大、自然保護地域内のキャンプ建設、住民に対する継続的な環境セミナーの実施等に取り組んでおり、職員は本件申請時点の正職員15名、ボランティア(不定期)20~25名から、1998年3月時点では正職員30名、ボランティア5名へと組織体制が強化された。供与車両の維持管理面でも、維持管理費が計画通り毎年計上され、滞りなく実施されており、維持管理体制も定着している。
6 環境への配慮・影響
本件車両供与に際する直接的な環境配慮はされていないが、環境保護推進に寄与する案件である。
7 今後必要とされるフォローアップ
現行の維持管理体制は問題はないが、今後とも車両の維持管理費用を毎年予算に計上させるよう確認を行う必要はある。なお、1997年度草の根無償資金協力案件(日米コモンアジェンダ案件)としてTNCと協調し、プロメタの活動(特に環境教育の推進)を更に支援することとしている。
8 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
車両供与については、現地事情に適した車種の選定とともに供与後の維持管理体制の整備が重要である。