ODAとは? ODA改革

「第2次ODA改革懇談会」(第1回会合の概要)

「第2次ODA改革懇談会」事務局

本懇談会では、ODA改革に関する幅広いご意見を募集しております。
ご意見は、odakaikaku@mofa.go.jp又は03-5776-2083(FAX)までお寄せ下さい。

1.日時

 平成13年5月23日(水)10:00~12:00

2.場所

 外務省892号会議室

3.出席者

 杉浦外務副大臣、懇談会メンバー(ただし、五百旗頭真神戸大学教授、小島明日本経済新聞社常務取締役・論説主幹、小島朋之慶應義塾大学総合政策学部教授は欠席)、事務局(経済協力局)。関係府省庁、JICA(国際協力事業団)及びJBIC(国際協力銀行)がオブザーバー参加した。

4.議論の経過

 議事は、杉浦外務副大臣及び渡辺座長(拓殖大学国際開発部長)の挨拶に続き、議事の公開について議論があった。その後、事務局より第1次ODA改革懇談会(「21世紀に向けてのODA改革懇談会」)の提言内容とそのフォローアップ状況、援助を巡る国際的な議論の動向等について説明し、各委員より、今後の進め方や今後取り上げるべきテーマ等について議論があった。

(1)杉浦外務副大臣の挨拶

(2)渡辺座長の挨拶(概要)

 日本のODA資源は量的に大変厳しい状況にある。平成10年度予算では10%削減、平成11年度、平成12年度は横這い、平成13年度は3%削減となった。将来的に伸びていくという可能性は少ない。経済は低迷し、財政的には巨額の赤字を抱えている。また、国民の支持が盛り上がらず、ODAの将来は明るくない。欧米も援助疲れにある。一貫して最大の援助供与国である日本の援助が細ると、世界全体が暗いものになっていかざるを得ない。
 ODAは日本の外交にとって非常に重要な手段である。自分はODA削減に抵抗していきたいが、ODAを取り巻く環境が厳しいのは事実である。ODAを維持していけるかどうかは、国民の支持にかかっている。経済が低迷し、国民が内向きになり、ODAに対する国民の支持が低迷していると言われているが、果たしてそうか。貧しい人を助けたいという国民の声がいつになく高い。国民の発意を促すメッセージを投げかけたい。
 環境、最貧住民救済は日本のODAのフロンティアとなろう。量的拡大から質的深化のためにいかなる提言出せるか、鼎の軽重が問われている。

(3)今後の進め方について

 原則として隔週で開催し、7月頃に中間報告、11月頃に最終報告をまとめることとなった。中間報告までは出来るだけブレイン・ストーミングをして、問題点を出し尽くして整理し、その後は、最終報告に向けて具体的な議論をしていくこととなった。また、中間報告公表後には、国民から幅広い意見を求めるために、ワークショップの開催を検討することとなった。

(4)情報の発信及び受信について

 議論の概要をODAホームページで公開して、国民の意見を広く吸い上げるなど出来るだけ情報公開をすべしという意見と、自由闊達な意見交換を確保することが重要であり、その妨げになるような形は好ましくないという意見が出された。自由闊達な議論と情報の公開という2つの要請を調和させる形で進めていくこととなり、具体的には、以下を実施することとなった。

(イ) 各会合終了後、座長又は事務局から記者発表を行う。
(ロ) 各会合毎に、議論の概要を、発言者の名前を伏せた形でODAホームページに掲載する。
(ハ) パブリック・コメント手続きを準用し、ホームページ上で幅広い層から意見を募集し、懇談会に報告する。

(5)ODA、今後の取り進め方等についての議論

 主な意見は以下の通り。

  • 第1次ODA改革懇談会における議論も踏まえつつ、ODAによって実現すべき国益とは何か、ODAの理念とは何かについて十分議論して、認識を共有する必要があるのではないか。
  • 外交手段としてODAをどう位置づけるのか。外交政策の手段としてのODAという観点からすれば、日本にとって重要な国との援助政策協議が重要ではないか。
  • 国益には目先の利益と長期的な利益とがある。ODAの基本は貧しい国を援助することであり、このことが、長い目で見て日本が世界から尊敬されることとなり、国益につながるのではないか。
  • 資源をはじめ経済面、産業面で海外に依存する我が国にとって、海外との共生こそが我が国の国益の原点である。途上国のニーズや援助の重点分野が変わりつつある中、これにいかに効果的に対応するかが、我が国の国益の基軸となるのではないか。
  • 第2次ODA改革懇談会は、国民の意見を広く聞いて、国民参加型改革とすべきではないか。
  • 我が国ODAの「要請主義」自体良いことであるが、途上国、世界の経済システムの本当の要請、ニーズをくみ取ることが不十分であったのではないか。
  • 今までの日本のODAは全てが良かった訳ではないが、途上国の自助努力を支援する日本のODAは、アジアにおいて着実に成果を上げてきた。
  • 量より質への転換が重要であるが、在外公館、JICAの実施体制はそのために本当に十分なのか。日本のODAの実施体制は他のドナーと比べて弱いのではないか。アウトソーシング(外部委託)のシステムが重要になるのではないか。
  • 他の援助国の援助政策、制度、特徴がどのようになっているかについて整理する必要があるのではないか。

(6)次回会合

 次回は6月4日の週に開催し、「ODAによって実現すべき国益は何か」について議論を行うこととなった。

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