平成19年3月30日
海外経済協力会議、経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006(「骨太の方針」)等において、「ODA事業量について100億ドルの積み増しを目指す」との我が国の国際公約を着実に実施するために円借款を積極的に活用するとの方針が確認されている。また、最近のODA改革の流れの中で、明年より新しいJICAが発足する予定であり、円借款をより戦略的且つ機動的に実施することが期待されている。以上を踏まえ、平成19年4月1日以降の円借款の制度を以下のとおり改善することとした(以下1.(1)及び(5)については、平成19年10月1日以降に事前通報が行われる案件が対象)。
1.金利及び手数料体系の変更等
円借款の積極的活用、迅速な事業実施の促進のため、以下の改善策を実施する。(新しい供与条件表:別添1(本年4月から9月まで適用)及び別添2(本年10月から適用))
(1) 借入国の負担を軽減するため、LDCのうち貧困国及び中進国を除き、金利を0.1%ポイント(本邦技術活用条件(STEP)(注)並びにLDC及び貧困国に対する優先条件は0.2%ポイント)引き下げる。
(2) 中進国向け金利を0.6%ポイント引き下げる。
(3) ソフト面の支援を強化し、更なる事業の質の確保及び迅速化を行うため、コンサルタント部分の金利を無利子近似(0.01%)とする(償還期間及び据置期間は本体部分と同様)。
(4) 緊急的な災害復旧への支援を強化するため、これらの支援にあたっては、金利を無利子近似(0.01%)とする(償還期間(据置期間)は40年(10年))。
(5) 借款契約発効後の未貸付残高に対して年0.1%のコミットメントチャージを課すこととし、従来実施していた期限延長チャージ(0.2%)及び貸付実行チャージ(0.1%)を廃止する。(但し、LDCのうち貧困国に対してはコミットメントチャージを免除する。)
(注)平成14年7月に導入された、我が国の優れた技術やノウハウを活用し、途上国への技術移転を通じて我が国の「顔の見える援助」を促進することを目的とする円借款のタイド供与条件。
2.中進国支援の範囲の拡大
中進国については、円借款を供与可能な分野を原則として「環境」、「人材育成支援」、「地震対策」及び「貧困地域における格差是正支援」に限定していたが、中進国の多様な開発ニーズに一層応えるべく、「地震対策」を「防災・災害対策」とし、「格差是正支援」の対象を、貧困地域のみならず都市部における貧困層の生活改善に直接資する社会基盤の整備等にも拡大することとした。
(資料1)円借款供与条件表 (平成19年4月1日以降9月30日までに事前通報が行われる案件に適用)(PDF)
(資料2)円借款供与条件表 (平成19年10月1日以降に事前通報が行われる案件に適用)(PDF)