<1>最近の政治・経済・社会情勢
(1)政治情勢
(2)経済情勢
※1:UNTAC(国連カンボジア暫定機構:United Nations Transitional Authority in Cambodia)
パリ和平協定により設置された、カンボジア統治のための機関。SNC(カンボジア最高国民評議会)より暫定期間中協定実施のための全ての必要な権限を委譲された。UNTACは、(1)行政管理・監視、(2)人権擁護、(3)制憲議会選挙の実施、(4)治安維持及び、(5)停戦の監視・武装解除・外国軍撤退検証のため、92年3月から新政府成立までの間活動。この間世界各国から軍事部門、文民警察、行政部門及びその他(国連ボランティア)計約20,000人に上る要員が展開された。
(3)社会情勢
<2>開発上の課題
※2:支援国会合(CG:Consultative Group Meeting)
援助供与国や国際機関が、援助の対象となる開発途上国の経済情勢、開発計画、開発プロジェクトなどに関する情報を共有し、意見交換や援助の意図表明(プレッジ)を行うことを通じて、政策対話と援助調節の促進を図るための会議。
(1)カンボジアの開発計画の推移
(2)開発上の主要課題
※3:AFTA構想(ASEAN Free Trade Area:ASEAN自由貿易地域)
ASEAN地域内の経済協力を拡大するために、1992年1月にシンガポールで開かれたASEAN第4回首脳会議で創設が決定された。共通効果特恵関税の導入によって2003年までに15分野の品目の関税を0~5%にする事が目標。ASEAN10か国の中でカンボジアのみ未加盟である。
※4:貧困ライン
貧困の程度を表す基準は幾つかあるが、ここでいう貧困ラインとは、食料消費最低2100キロカロリー/1人1日と、衣料・住宅のためのわずかな出費ができる程度を貧困ラインの基準としている。
※5:BHN(Basic Human Needs)
従来の開発援助に見られるインフラ整備などの大規模な経済開発に代えて、途上国民の貧困削減、生活水準向上に直接役立つものを援助しようとする援助概念を指す。具体的には、給水設備 や井戸の建設、保健医療センターの建設、ポリオワクチンの投与、等基礎生活分野(水、健康保健、教育)に対する支援が挙げられる。
(3)主要国際機関との関係、他の援助国、NGOの取組
※6:セクターワイドアプローチ(SWAP)
援助国間の援助の重複や、援助国の人材・財源の非効率的利用、被援助国の開発計画との整合性の不足等の問題を解決すべく、被援助国が中心となって各セクターの開発計画を作成し、被援助国・ドナー間で同計画を吟味し、同計画に従って調整を行った上で援助を行うという開発アプローチ。特にサブ・サハラ・アフリカにおいて主流となっている。
※7:コモンファンド
各援助国、機関が、援助資金を共有のアカウントとして効果的、効率的に活用する目的で投入するファンドのこと。
※8:国別援助戦略(CAS:Country Assistance Strategy)
世銀の国別支援戦略。対象国の現状分析と、今後の見通し、世界銀行の融資計画等を示す世界銀行の中期的ビジネスプラン。
※9:構造調整融資
経済構造上の理由から国際収支赤字を引き起こしている開発途上国に対し、国際収支や経済全般の改善計画の提出を条件にこれを調整するために世界銀行が行う融資。
※10:PRGF(Poverty Reduction and Grouth Facility)
IMFの特別基金財源に基づく譲許的融資制度の一つで、低開発途上国がマクロ経済調整政策や構造調整政策を実施することと引き替えに国際収支支援を実施するもの(旧ESAF)。
<3>我が国の対カンボジア援助政策
(1)対カンボジア援助の意義
(2)ODA大綱原則との関係
(3)我が国援助の目指すべき方向性
※11:最貧国(LDC)
国連による開発途上国の分類の中で、特に開発の遅れた国々で、後発開発途上国(Least Developed Countries)のこと。
※12:貧困削減戦略ペーパー(PRSP)
被援助国政府のオーナーシップの下、幅広い関係者(各ドナー、NGO、市民社会、民間セクター等)が参画して作成する、貧困削減に焦点を当てた当該国の開発の重点課題とその対策を包括的に述べた経済・社会開発計画。各ドナー等の関係者の参画を得て作成されるPRSPは、CDFを具現化するものであり、各ドナーの協力の方向性や優先度のベースとなりえるものである。途上国政府は、PRSPに基づき、中期的な財政・資金手当計画である中期支出枠組(MTEF)を作成する。
※13:重債務貧困国(HIPCs:Heavily Indebted Poor Countries)
重債務貧困国とは、世界で最も貧しく重い債務を負っている開発途上国であり、貧困度及び債務の深刻度に関する基準(93年の1人当たりGNPが695ドル以下。93年時点で、現在価値での債務合計額が輸出年額の2.2倍以上、若しくは、GNPの80%以上。)に従い、IMF及び世銀により認定される国々。現在41ヶ国(中近東アフリカ地域34ヶ国。中南米地域4ヶ国。アジア地域3ヶ国。)がその認定を受けている。
※14:債務返済比率(DSR:Debt Service Ratio)
債務国の債務返済能力を表す指標の一つ。債務国のある一定期間の財・サービスの輸出額を、同国が同時期に債権国に返済した元本返済額と利子払いの合計で割ったもの。この比率が低いほど、債務返済能力が高いとされる。
(4)重点分野・課題別援助方針
(5)援助実施上の留意点
※15:WID(Women in Development:開発と女性)
社会・経済開発を進めるにあたって、女性の役割を正しく評価し、開発の受益者というだけでなく、重要な開発の担い手であることを認識し、開発の全ての段階への女性の積極的な参加を確保することに配慮した開発援助を進めること。
※16:日米コモン・アジェンダ
地球的展望に立った開発途上国への開発協力のため、日米で定めた共通課題であり、環境、人口・健康など、地球的規模の対応を要する問題への日米共同の取組を定めている。93年7月に発足した。現在、「保健と人間開発の促進」、「人類社会の安定に対する挑戦への対応」、「地球環境の保護」及び「科学技術の進歩」の4つの柱の下、18の分野で各種プロジェクトが実施され、各分野の活動は、年1回の次官級全体会合の場でレビューされる。