はじめに
評価は、効果的な開発援助のための重要な管理手段であり、ドナーとパートナーの協力はそのような評価における重要な役割を果たしている。こうした認識の下、外務省はアジア諸国のドナーとパートナーの関係強化のための機会を提供するために「ODA(政府開発援助)評価ワークショップ」を主催してきた。
第一回ワークショップは、ODA評価についての共通理解の促進を目的に2001年に開催され、主にODA評価へのパートナー国の関与、能力強化(キャパシティ・ビルディング)の重要性、評価を効果的に行うための法律、制度面での支援についての議論が行われた。2002年の第二回ワークショップでは、プロジェクト・レベル評価に加え、プログラム・レベル及び政策レベルの評価の重要性について主に話し合われた。
国際社会において、評価は重要な管理手段として注目されつつある。国際援助委員会(DAC)の援助評価作業部会は、2003年3月に合同評価についての会合を開催した。2002年に開催された東アジア開発イニシアティブ(IDEA)閣僚会議では、開発におけるドナーとパートナーの協力の重要性が指摘された。
上記過去2回の東京ワークショップ、DAC WP-EV及びIDEA閣僚会議を受けて、第三回「ODA評価東京ワークショップ」が2003年11月12、13 日の2日間、京王プラザホテルにおいて、外務省主催で開催された。
このワークショップの目的は、以下の通りである。
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a)ODA評価は、より効果的な開発援助のための重要なツールであるという、共通理解を深めること。
b)ドナー=パートナー間の合同評価に関する課題を認識し、今後の取り組みについて話し合うこと。
同ワークショップには、アジア18カ国(バングラデシュ、ブルネイ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナム)より政府高官が招かれ、DAC加盟国(フランス)及びアジア開発銀行(ADB)、世界銀行、DAC、国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)といった国際機関の代表が参加した。
3つのセッションでは活発な議論が行われ、その結果はワークショップ議長である廣野良吉成蹊大学名誉教授の「議長サマリー」(P1参照)としてまとめられた