平成14年10月18日(金曜日)14時00分から17時00分まで、外務省、国際協力事業団(JICA)、国際協力銀行(JBIC)及び日本評価学会の4者共催で、ODA評価セミナー「ODA評価:バングラデシュを事例として」を開催しました(会場:国際協力事業団(JICA)国際協力総合研修所国際会議場)。以下はその概要です。 |
(1) | このセミナーは、わが国のODA(政府開発援助)評価結果を公表することで、国民の皆様に対する「 説明責任(アカウンタビリティ)」を果たすとともに、国民の皆様にODAに対する御理解を深めていただくことを目的として開催したものです。
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(2) | なお、このセミナーの開催は、本年7月に発表した「ODA改革・15の具体策」(注)にも盛り込まれています。
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(1) | 日本評価学会報告:「ODA評価の国際的流れ」 日本評価学会副会長である廣野良吉・成蹊大学名誉教授より、「国別開発計画のような開発戦略が次々と策定される中で、ODAは今後益々戦略性を持つ必要がある。ODA評価は、それらの戦略を実現するための重要なツールである。」との報告がありました。また、「人道的支援に対する評価、国際社会における相互依存関係に対するODAの効果に関する評価など、ODA評価の対象を広げていくことが重要である。」との指摘もなされました。 |
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(2) | 外務省報告:「平成13年度バングラデシュ国別評価結果」 まず、山谷清志・外務省経済協力局評価室長より上記国別評価の概要を説明し、引き続き、河合明宣・放送大学助教授より、同助教授が調査団員として参加した右国別評価のうち、農業分野の評価結果の報告が行われました。 |
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(3) | JICA報告:「バングラデシュ住民参加型農村開発行政支援中間評価結果と評価結果の活用」 まず、石原伸一・JICAアジア第二部南西アジア大洋州課職員より「バングラデシュ住民参加型農村開発行政支援」の概要説明が行われ、監査法人トーマツODA部の佐々木亮輔氏より、その中間評価結果が報告されました。 |
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(4) | JBIC報告:「グラミン銀行第三者評価結果」 まず、築野元則・JBICプロジェクト開発部開発事業評価室長よりJBICの評価について概要説明が行われ、引き続き、特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会評議員である長畑誠氏より、同人が参加した上記評価の評価結果が報告されました。 |
(質問) | 用いる評価手法によって、評価結果が異なることがあるのですか? |
(回答) | 評価の対象によって評価手法は様々であり、異なる手法を用いれば当然評価結果 は異なったものとなります。 |
(質問) | 評価では、余剰資産や所得分配などのようなわかりやすい指標は用いないのです か? |
(回答) | 評価対象によって用いる指標は様々です。指標の活用は適材適所で行っています。 |
(質問) | ODA案件の選定においては、対象地域の住民の意見をより重視すべきではない ですか? |
(回答) | 住民の意見をもっと取り込んでいくこと自体には賛成です。ただし、そのための 方法となるといろいろと難しい点があるのが実情です。 |
(質問) | 政府とNGOとの連携をもっと強化すべきではないですか? |
(回答) | その重要性は認識しており、現在、NGOとの間で定期協議会、非公式の勉強会などを開催しています。 |
以上