平成14年11月13日(水曜日)、14日(木曜日)の両日、外務省は、アジア17カ国及び世界銀行、アジア開発銀行、国連開発計画(UNDP)から代表者の出席を得て、「第2回ODA(政府開発援助)評価東京ワークショップ」を開催しました(会場:国連大学)。以下はその概要です。(プログラムについてはこちらをご覧下さい。)
|
1.開催の目的など
(1) |
このワークショップは、本年7月に発表された「ODA改革・15の具体策」(注)を受けて、被援助国による評価を拡充することを視野に入れ、評価に関する被援助国政府の知見を高めることを目的として開催したものです。(第1回は昨年11月に開催しました。)
(注) |
「ODA改革・15の具体策」(平成14年7月9日発表)(抜粋)
「(6) 被援助国政府・機関との連携を強化し、評価を充実させる観点から、……被援助国政府が評価について
の知見を高めるための第2回ODA評価東京ワークショップを開催。」 |
|
|
(2) |
このワークショップは、「説明責任(アカウンタビリティ)」を果たすとの観点から一般の方々にも公開され、学識経験者、NGO及びコンサルタント関係者等約100名が傍聴しました。 |
2.出席者
(1) |
アジア17カ国の援助関係機関の政府高官、国際機関(世界銀行、アジア開発銀行、国連開発計画(UNDP))の評価関係者が出席しました。(海外からの主な出席者については、こちらをご覧下さい。)
|
(2) |
わが国からは、矢野哲朗外務副大臣、武見敬三参議院議員(自民党対外経済協力特別委員会事務局長)をはじめ、外務省やその他の政府機関、国際協力事業団(JICA)及び国際開発銀行(JBIC)の関係者他約50名が出席しました。 |
|
|
3.主な論点
(ワークショップ終了に際して採択、発表された議長サマリーについては、
こちらをご覧下さい。)
(1) |
国際社会の新しい潮流における評価の位置づけ
国際社会において、より結果を重視した戦略的・効果的・効率的な開発援助のアプローチが新たな潮流となりつつあり、セクターワイドアプローチ(SWAps)や貧困削減戦略書(PRSP)の策定等が実施されていること、また、それらの枠組みの中では、モニタリング・評価がシステムとして組み込まれていること、今回の参加各国も政府内に担当部局を設けるなど積極的に対応しており、昨年のワークショップ開催時に比べ評価への取り組みが強化されていることが確認されました。また、モニタリング・評価を実施するためにも、援助計画の企画・立案に際し、的確な指標を設定する必要があることが強調されました。
|
(2) |
よりスケールアップした、かつ一貫した評価の重要性
プロジェクト・レベルの評価に加え、政策及びプログラム・レベル評価の重要性が高まっていること、更には、事前評価(審査)、モニタリング、継続的評価が重要であるとの共通認識が得られ、これら評価の実施に向け、今後更に議論を重ねていくことが合意されました。
|
(3) |
評価における連携の重要性
開発援助がより戦略性を持った政策・プログラムへと重点を移していく中で、ODA評価も機械的かつ技術的な評価からより大きなマクロ経済及び開発経済全体を視野に入れた共同のアプローチをとるものに大きく移行すべきであることが確認されました。参加型合同評価、評価結果のフィードバックにおける連携、評価に関する情報の共有など、評価においてドナーとパートナーが連携することの重要性、及びドナー間における評価基準及びプロセスの調和化の重要性も認識されました。これは、ODA評価において、共通のアプローチ及び評価の制度的な枠組みの構築を促すものとして評価できるものです。
|
(4) |
キャパシティー・ビルディングの重要性
ドナーとパートナーの連携を促進するためにも、パートナー国のキャパシティー・ビルディングを進めることが重要であることが確認されました。また、ワークショップの参加者が、パートナー国の評価能力を高めるため、パートナー国における評価協会の創設が必要である点に合意し、国際社旗が右評価協会の創設の過程で支援を行うことについて提案がなされたことは注目されます。
|
以上