国際組織犯罪に対する国際社会と日本の取組

平成27年10月16日

1 G8首脳会談・外相会談

  • (1)2000年の九州・沖縄サミットでは,薬物及び原料物質の不正流用等に対する国際的な協力を強化し,アドホックの専門家会合を開催することがコミュニケに表明され,同年12月,フォローアップとして,「G8薬物専門家宮崎会合」が開催されました。
  • (2)2001年のジェノバ・サミット(イタリア)では,薬物の不正取引及び使用を抑制するための努力を強化することが確認されました。
  • (3)2002年のカナナスキス・サミット(カナダ)では,薬物の密輸等の犯罪活動とテロ組織との潜在的な結びつきを明らかにすべく情報を共有していくことが確認され,翌2003年のエビアン・サミット(フランス)で右約束事項が再確認されました。
  • (4)2004年のシーアイランド・サミット(米)議長声明,また,2005年のグレンイーグルズ(英)外相声明において,アフガニスタン麻薬対策のための国際的支援の必要性が確認されました。
  • (5)2006年のサンクトペテルブルク(ロシア)「テロ対策に関するG8首相宣言」において,テロ対策のための国際的パートナーとの共同作業の一環として「アフガニスタンからの麻薬密輸ルートに関する閣僚級国際会議」といった取り組みに言及し,これを歓迎しました。
  • (6)2007年のハイリゲンダム・サミット(ドイツ)議長総括では,アフガニスタン・コンパクトに基づく麻薬・テロリズムの存在しない国家建設へのコミットメントを改めて表明しました。
  • (7)2008年の洞爺湖サミットではアフガニスタン支援の一環として,また国際組織犯罪対策の一部としての麻薬対策の必要性が確認されました。
  • (8)2009年ラクイラ・サミット(イタリア)でのG8-アフリカ・セッションにおいて,アフリカの平和と安全の促進のために対処すべき課題の一つとして薬物不正取引があげられました。
  • (9)2010年ムスコカ(カナダ)で発出された「アフガニスタンに関するG8外相声明」は麻薬取引とその他の犯罪活動との連関を強調し,アフガン政府による麻薬対策への歓迎の意を表明しました。
  • (10)2011年ドーヴィル外相会合(フランス)では,不法な薬物生産・取引のないアフガニスタンに向けたコミットメントを再確認し,議長総括において,「大西洋を越えたコカインの不正取引対策に関する閣僚会合」(下記)への期待を表明しました。
  • (11)2012年キャンプ・デービッド(米)宣言は,アフガニスタンの麻薬対策支援へのコミットメントを再確認し,テロ・国際組織犯罪対策の一環として,国連の麻薬統制強化の必要性を確認しました。
  • (12)2013年ロックアーン(英)首脳会合コミュニケは,麻薬取引等の対処に向けた努力を牽引している地域的機関・国際機関に対する支援の意思を表明し,国連薬物・犯罪事務所(UNODC)の活動の重要性を確認するとともに,アフガニスタン政府が,国際社会の支援を受け,麻薬対策に効果的に取り組むことの必要性を強調しました。さらに外相会合議長声明では,麻薬条約に基づく国際的な麻薬規制アプローチへのコミットメントを表明し,違法薬物の需要・供給双方に対処するためのバランスのとれた包括的アプローチに基づく,国家間の協力強化が重要であることを強調しました。
  • (13)2014年ブリュッセル首脳会合では,アフガニスタン政府の麻薬対策の取り組みを引き続き支援していく意思を表明しました。
  • (14)2015年エルマウ(ドイツ)首脳会合に先立ち,4月にリューベックで開催された外相会合では,アフガニスタンに対する麻薬対策の取り組みを支えていく決意を改めて表明するコミュニケを発出しました。

2 G8・大西洋を越えたコカインの不正取引対策に関するアウトリーチ閣僚会合

(1)概要

 平成23年5月10日,パリの外務省国際会議場において,G8・大西洋を越えたコカインの不正取引対策に関するアウトリーチ閣僚会合が開催されました。この会合は,今年のG8議長国であるフランスのサルコジ大統領(当時)が発案して開催されたもので,麻薬不正取引対策のための政治宣言英語原文(PDF))と行動計画英語原文(PDF))が採択されました。

(2)参加国等

 本会合には,G8の国々と,中南米からボリビア,ブラジル,コロンビア,ペルー,アフリカからアルジェリア,モロッコ,ナイジェリア,セネガル,欧州からオランダ,スペインの各国から,内務大臣や司法大臣などが出席しました。この他,国連薬物犯罪事務所(UNODC),米州機構(OAS),ユーロポール,インターポール,アフリカ開発銀行,世界税関機構から関係者が招待され出席しました。会議の議長はゲアン・フランス内務大臣(当時)がつとめました。我が国からは飯村政府代表が団長として出席しました。

(3)各セッションの内容

 会合では,犯罪組織,ネットワーク,情報交換及び警察・司法・海事協力の改善,その他のルート,局面及び視点の3つのセッションに分け,それぞれ数名の出席閣僚らがステートメントを行い,その内容をもとに議論が行われました。飯村政府代表は,第3セッションにおいて,我が国の麻薬問題についての考え方,我が国の国際的な取り組みなどについてのステートメント英語版)を行いました。

(4)行動計画

 会議で採択された行動計画には,以下の7つのテーマが含まれています。
(ア)国際条約の普遍化,(イ)情報収集と情報蓄積の改善,(ウ)海上阻止活動の強化,(エ)犯罪資産対策のための制度構築,(オ)麻薬不正取引の長期にわたる破壊的効果への取組,(カ)各国の能力強化,(キ)麻薬不正取引対策の資金調達

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