グローカル外交ネット

令和8年4月24日

福岡県八女市産業経済部観光振興課観光振興係 角 瑞稀

Q1 令和6年6月に八女市と当省は、駐日外交団を対象とした福岡県八女市視察ツアー「茶のくに八女の伝統を巡るツアー」を実施しました。本ツアーの実施後、成果や反響等はありましたか。

 八女市には、八女茶をはじめとする特産品や豊かな食文化、伝統工芸、歴史的な町並みといった観光資源が数多くあります。令和6年6月に外務省と共催で実施した「茶のくに八女の伝統を巡るツアー」は、これらの伝統文化や基幹産業である八女茶の魅力を、駐日外交団の皆様へ直接発信することを目的に開催いたしました。

 本ツアーの大きな成果は、インバウンド需要が回復する中で、八女の文化が世界の方々にどのように映り、何を求めておられるのかという「客観的な八女の魅力」を再発見できたことです。単なる見学にとどまらず、自ら文化に触れる体験プログラムが、外交官の皆様から極めて高い評価をいただいたことは大きな自信となりました。現在は、この視察で得た知見をもとに内容の磨き上げを行い、観光客向けの個人ツアー造成や体験コンテンツの開拓につなげております。

Q2 八女市では、八女茶など特産品の輸出・発信を強化しているそうですが、最近の取組について教えてください。また、令和6年に実施した駐日外交団視察ツアーが、こうした取組につながっている点があれば教えてください。

 八女市では現在、「八女を世界に」をテーマに、八女茶をはじめとする特産品の輸出や情報発信を強化しております。具体的な取組として、国や県と連携した海外向けライブコマースを実施し、特産品の出品と併せて地域の観光PRを積極的に行っています。現在はまだ準備段階ではありますが、八女茶や伝統工芸品のさらなる海外進出を目指し、市場開拓に向けた調査も着実に進めております。
 また、令和7年2月に福岡市で開催された世界観光ガイド連盟(注1)総会への出展やポストツアーの受け入れなど、国際的なネットワークを活かしたプロモーションも展開しています。令和6年に実施した駐日外交団視察ツアーを通じて得られた国際的な視点やフィードバックを、より効果的な情報発信へとつなげております。

(注1)世界観光ガイド連盟:プロの観光ガイドのための国際的なフォーラムであり、観光ガイドを対象としたトレーナー認定機関

世界観光ガイド連盟総会への出展の様子
ポストツアーの様子

世界観光ガイド連盟総会への出展とポストツアー

 更に、八女茶は、八女伝統本玉露がGI認証を獲得し、全国茶品評会でも25年連続で日本一に輝くなど、国内ではすでに確固たる評価を確立しておりますが、今回、九州大学と協力して全国に先駆けてESG評価(注2)を実施しました。これは、八女茶のバックグラウンドにある目に見えない部分を可視化し、八女茶の高付加価値化を図りたいと考えたためです。
 このESG評価を通じて、環境・社会・ガバナンスの観点から八女茶の価値を再発見し、改善点を明確にできたことは、国際競争力の向上に向けた大きな一歩となりました。また、これにより生産者の皆様が誇りを持って続けられる、持続可能な農業の形が実現されることを期待しております。今後は、これまでの「旨味」や「伝統的な製法」といった主観的な評価に、ESG評価という客観的な価値基準を加えることで、八女茶、そして「八女」という地域そのものを、より戦略的に世界へプロモーションしてまいります。

(注2)ESG評価:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に関する幅広い取組を数値化して評価する手法。

八女中央大茶園の茶畑

Q3 今後世界から訪れる方々に、八女の地で何を感じてほしいと考えていますか。

 今後インバウンド需要としては、「宝探し」のように、その土地に行かなければ感じたり体験することが出来ないものが求められると考えています。
 世界中から八女を訪れる方々には、八女に息づく「職人の手仕事」や「受け継がれてきた伝統」そのものに、真の価値を見出してほしいと願っています。
 八女茶に込められた伝統や技術、一つの工芸品に受け継がれる職人の技など、それらを感じる体験を通して、「茶のくに八女の伝統」を五感で感じていただきたいと考えています。

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