ODAと地球規模の課題

小島嶼開発途上国(SIDS)

平成26年9月4日

1.小島嶼開発途上国(SIDS:Small Island Developing States)とは:

 小さな島で国土が構成される開発途上国。地球温暖化による海面上昇の被害を受けやすく,島国固有の問題(少人口,遠隔性,自然災害等)による脆弱性のために,持続可能な開発が困難だとされる。SIDSのメンバーシップに明確な定義は存在しないが,国連事務局が公表しているSIDSリストには,太平洋,カリブ,アフリカ地域等の38か国(国連加盟国)及び複数の非国連加盟国・地域が含まれている。これらの国・地域の多くが小島嶼国連合(AOSIS:Alliance of Small Island States)に参加している。

2.SIDSに関する国際会議

  • (1)1994年4月,バルバドスにおいて,「SIDSの持続可能な開発に関する国際会議」が開催され,脆弱な生態系の保全や人的資源の開発を目的とした「バルバドス行動計画(BPoA)」が採択された。
  • (2)1999年9月,ニューヨーク国連本部において,BPoAの実施レビュー及び評価を目的とした「SIDSに関する第22回国連特別総会」(BPoA+5)が開催された。
  • (3)2005年1月,モーリシャスにおいて,「BPoAの実施レビューのための国際会議」(BPoA+10)が開催され(我が国から川口総理補佐官(当時)が出席),「モーリシャス実施戦略(MSI)」が採択された。主要論点と結果は以下のとおり。
    • ア インド洋津波被害:インド洋での早期警戒センターの設立を求める内容を政治宣言に盛り込まれた。
    • イ 廃棄物処理問題:非商船を含む沈没船からの油漏れ等にはケース・バイ・ケースで対応。
    • ウ 放射性物質の海上輸送:SIDSの究極目標は輸送停止にある一方,国際法に従った航行の自由を認め,IAEA等の国際枠組みの中で対話を継続。
    • エ 気候変動:SIDSとその他の途上国(OPEC諸国を含むG77主要メンバー)との間で,既存のエネルギー利用の効率化と新たな再生可能エネルギー開発のいずれを優先するか等につき意見の対立が深刻化。結局具体的なSIDS支援等には言及しない形で決着。
    • オ 貿易の国際化及び自由化:SIDS側は,WTO加盟等の多国間貿易システムへの参入につき,特別待遇すべきとの文書を提案。これに対し,先進国側はSIDSを新たなサブ・カテゴリーとして特別待遇することは不可と主張。結局,SIDSはキャパシティー開発等の自助努力を行い,これを国際社会が技術協力をするとの内容で合意。
  • (4)2010年9月,ニューヨーク国連本部において,MSIの実施を通じたSIDSの脆弱性への取組における進捗状況をレビューするための「小島嶼国開発ハイレベル会合」(MSI+5)(概要と評価)が開催された(我が国から菅総理(当時)が出席)。

3.第3回SIDS国際会議(2014年)

 SIDS諸国は,1994年のバルバドス(カリブ海),2005年のモーリシャス(アフリカ)に続き,第3回SIDS国際会議を2014年に開催することを求め,リオ+20(国連持続可能な開発会議)の成果文書において,第67回国連総会に会議のモダリティを決定するよう要請した。その結果,太平洋地域のサモアにおいて,9月1~4日に開催されることになった。

(参考)小島嶼開発途上国(国連加盟国)

アジア:
シンガポール,バーレーン,東ティモール,モルディブ
オセアニア:
キリバス,サモア,ソロモン諸島,ツバル,トンガ,ナウル,バヌアツ,パプアニューギニア,パラオ,フィジー,マーシャル諸島,ミクロネシア連邦
西インド諸島:
アンティグア・バーブーダ,キューバ,グレナダ,ジャマイカ,セントクリストファー・ネイビス,セントビンセント,セントルシア,ドミニカ国,ドミニカ共和国,トリニダード・トバゴ,ハイチ,バハマ,バルバドス,ベリーズ
南アメリカ:
ガイアナ,スリナム
アフリカ:
カーボヴェルデ,ギニアビサウ,コモロ,サントメ・プリンシペ,セーシェル,モーリシャス
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