ODAと地球規模の課題
第3回小島嶼開発途上国(SIDS)国際会議(概要と評価)
平成26年9月4日
9月1日から4日、サモアにて第3回小島嶼開発途上国(SIDS)国際会議が開催されたところ、概要及び評価は以下のとおり。
(なお、本会議には約40か国・地域の首脳級・閣僚級及び約10の国際機関の長等が参加した。我が国からは牧野外務大臣政務官が出席した。牧野大臣政務官は,トゥイライパ・ルペソリアイ・サイレレ・マリエレガオイ・サモア首相兼財務・外務大臣、クリストファー・ロヤック・マーシャル諸島共和国大統領、及びキース・ミッチェル・グレナダ首相と会談を行ったほか、アノテ・トン・キリバス大統領兼外務・移民大臣、ヘレン・クラークUNDP総裁、クリスティアナ・フィゲレスUNFCCC(気候変動枠組み条約)事務局長ほかと立ち話を行い、SIDSとのパートナーシップ強化等について意見交換を行った。)
1.概要
(1) 会議冒頭において、トゥイライパ・サモア首相(議長)の挨拶に続き、潘基文国連事務総長から、本年が国連における国際SIDS年であること、SIDSにおける気候変動問題の重要性と、9月23日に開催される国連気候サミットにおける具体的な行動の重要性が強調された。これに続き、アッシュ国連総会議長、ワガ・ナウル大統領(小島嶼国連合議長)等が会議のテーマである真正かつ永続的なパートナーシップを通じた「SIDSにおける持続可能な開発」に沿って基調講演を行った後、各国の演説が行われた。
(2) 牧野大臣政務官からは、気候変動、防災及び保健分野における我が国のSIDS支援策について紹介しつつ、今後3年間で同分野における5,000人の人材育成を行う旨発表した。
- 牧野外務大臣政務官ステートメント(和文)(PDF)
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- 牧野外務大臣政務官ステートメント(英文)(PDF)
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(3)また、本会議と平行して加盟国、国際機関及び市民社会とのマルチステークホルダー会合が開催され、牧野大臣政務官はガルシア=マルガージョ・スペイン外相とともに「気候変動と防災」分科会の共同議長を務めた。この他、「持続可能な経済成長」「SIDSと開発、健康と非感染性疾患(NCDs)、若者と女性」「持続可能なエネルギー」「海洋・生物多様性」「水と衛生、食料安全保障及び廃棄物管理」をテーマとした分科会が開催された。
- 牧野外務大臣政務官冒頭挨拶(和文)(PDF)
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- 牧野外務大臣政務官冒頭挨拶(英文)(PDF)
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(4)会議の最終日には、今後のSIDSを対象とした取り組みを示す成果文書「SIDS Accelerated Modalities of Action (S.A.M.O.A.), pathway」が採択された。
2.評価
(1)近年、気候変動や防災をはじめとする分野において小島嶼国特有の脆弱性への対処が注目を集めるようになっている中、我が国は、7月の総理のパプアニューギニア及びトリニダード・トバゴへの訪問に加え,本会議に牧野政務官外務大臣政務官が参加することで、ハイレベルでの存在感を示すことができた。また、会議開催に際し,会議準備委員会のビューロー国として成果文書のとりまとめに尽力した他、会議開催支援として、国連SIDS信託基金に対し15万ドル、サモア政府に対し1億円の無償資金を供与し、多面的に貢献した。
(2)また、本会議においては副議長職を務めるとともに、SIDSを含む各国のステートメントにおいて小島嶼国が抱える諸課題が挙げられる中、我が国から,人材育成をはじめとする今後の具体的支援策をアピールすることができた。我が国の貢献に対しては、各国首脳・閣僚との会談において謝意が述べられた。
- マーシャル大統領との会談
- クラークUNDP総裁との立ち話
- キリバス大統領との立ち話
- サモア首相との会談
(参考)小島嶼開発途上国(SIDS)
小島嶼国特有の脆弱性から国連が分類した38か国、19地域。10年に一度開催される、SIDS国際会議では、SIDSの持続可能な開発をテーマに首脳級で議論を行う。