軍縮・不拡散

第1回ワシントン核セキュリティ・サミット
(概要)

平成22年4月14日

 4月12日及び13日、ワシントンにおいて核セキュリティ・サミットが開催された。概要は以下のとおり。

  1. 今次サミットは、核セキュリティ(核テロ対策等)という単独の事項を題材としたものであるが、47か国3国際機関が参加(37か国より首脳参加)。核兵器不拡散条約(NPT)非締約国であるインド、パキスタン及びイスラエルも参加した。米国は、今次サミットを、「米国が開催したサミットとしては、第二次世界大戦後における国連設立以来最大のもの」と評した。
  2. サミットにおいては、核セキュリティ向上のための国内措置及び国際措置、核セキュリティにおけるIAEAの役割、等について意見交換を実施。各国からは、(1)核テロを国際犯罪として罰するための新たな国際法廷の設置を含む法的基盤の検討の必要性、(2)核テロ防止条約等の関連条約の批准促進・普遍化の必要性、(3)核セキュリティ向上のための人材育成等のキャパシティ・ビルディング、国際協力、情報共有の必要性、(4)IAEAへの貢献を強化すべき必要性、等の意見が表明された。
  3. 鳩山総理は、我が国は非核兵器国の道を進むことが唯一の被爆国としての道義的責任であると考え、核廃絶の先頭に立ってきたことを述べるとともに、核テロ防止に貢献するためのイニシアティブとして、(1)核セキュリティ強化のためのアジア総合支援センターを本年中に我が国に設立、(2)核物質の測定、検知及び核鑑識に係る研究開発を実施、(3)IAEA核セキュリティ事業に対する一層の財政的・人的貢献、(4)世界核セキュリティ協会(WINS)会合の本邦開催、の4つの協力措置を表明した。また、我が国代表団より、核セキュリティに関する我が国の立場等を記したナショナル・ステートメント(骨子)を配布した。
  4. 天野IAEA事務局長は、核セキュリティ分野におけるIAEAの活動実績を紹介するとともに、IAEAを強化すべき必要性を発言。これに対して、多くの国より、IAEAの活動を支持し、IAEAは必要な権限と資源を有するべきとする旨の発言が行われた。鳩山総理よりも、我が国のIAEA支援策を紹介し、今後の活動への期待を表明した。
  5. 参加国首脳は、サミットにおいて、核テロ対策を強化するために具体的な措置をとる必要性について一致。今後の取組むべき措置等について記したコミュニケ及び作業計画をコンセンサスで採択した(コミュニケ(骨子)及び作業計画(骨子)参照。)。
    次回のサミットは、2012年に韓国で開催されることとなり、今後、各国首脳の個人代表(シェルパ)を通じ、今次サミット後の進展状況等について意見交換を行っていくこととなった。次回のシェルパ会合については、アルゼンチンが、ブエノス・アイレスにおいてホストする意向を表明した。
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