核軍縮・不拡散

令和7年3月12日

 我が国は、核兵器の惨禍の実相を国際社会及び将来の世代に継承していくことが人類に対するわが国の責務であるとの認識の下、軍縮・不拡散教育を重視している。また、現在高まりを見せている「核兵器のない世界」に向けた機運を維持・強化していく上で、市民社会の熱意と関心の維持は不可欠であり、被爆者の高齢化が進む中、軍縮・不拡散教育の促進において政府と市民社会との効果的な連携が益々求められている。
 このような観点から、今後、以下の要領により、我が国の被爆者等の方々に「非核特使」としての名称を付与し、核軍縮・不拡散関連業務を委嘱するものとする。

1 背景・経緯

 8月6日の広島平和記念式典(正式名称:広島市原爆死没者慰霊式並びに平和記念式典)及び8月9日の長崎平和祈念式典(正式名称:長崎原爆死没者慰霊平和祈念式典)の菅総理大臣挨拶において以下のとおり発言した。

 菅総理広島式典及び長崎式典挨拶・該当部分
 「今後は、被爆者の方々が例えば『非核特使』として日本を代表して、様々な国際的な場面で、核兵器使用の悲惨さや非人道性、平和の大切さを世界に発信していただけるようにしたいと考えています。」

2 実施要領

(1)名称

  • 和名:「非核特使」
  • 英名:「Special Communicator for a World without Nuclear Weapons

(2)委嘱権者

 外務省軍縮不拡散・科学部長

(3)委嘱業務

 各種国際会議、原爆展やイベント等の様々な国際的な機会を通じて、自らの実体験に基づく被爆証言を実施すること等により、核兵器使用の惨禍の実相を広く国際社会に伝達し、また将来の世代に継承していくことを業務とする。
 なお、「非核特使」は、わが国の核軍縮・不拡散政策に関する政府の立場を代表するものではない。

(4)委嘱方法等

  1. 各種事業の実施を企画し、「非核特使」の名称の使用を希望する団体等(下記(5)参照)は、外務省に対し「非核特使」の名称使用許可申請(別紙「申請要領」参照)を行う。
  2. 申請を受け、外務省は事業の公益性、申請団体等の適正等につき審査を行った上で、名称使用許可及び業務委嘱を行う。外務省は審査の過程において、厚生労働省と協議を行うことができる。
  3. 名称を付与された者は、委嘱期間中に限り「非核特使」として活動することができる。
  4. 名称付与及び業務委嘱については、団体等による申請に基づくもの以外にも、政府が関係者・機関との間で調整した上で実施する事業に関するものにつき行うことも可能とする。この場合にも、名称使用許可、業務委嘱の手続を経るものとする。

(5)申請資格者

 名称使用の申請は、地方自治体の他、外務大臣が適当と認めるその他団体又は組織等が行うことができるものとする。

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