核軍縮・不拡散

令和2年2月28日

1 背景

 冷戦終了後,旧ソ連諸国に配備されていた大量の核兵器が削減されることになりましたが,ソ連邦解体に伴う政治・経済・社会的混乱により,削減された核兵器の廃棄・処理が進まないことが危惧され,核軍縮,不拡散及び環境面で深刻な懸念材料となっていました。このためわが国は,1992年のG7ミュンヘン・サミットの合意を受け,米国,英国,ドイツ,フランス,イタリア等の諸国とともに,旧ソ連諸国の核兵器廃棄や関連する環境問題の解決のための協力を行うこととしました(以下2参照)。

 その後,2001年9月の米国における同時多発テロ事件等により,大量破壊兵器の拡散防止が国際社会の重要な課題となってきました。そこで,G8諸国は,ロシアを始めとする旧ソ連諸国に大量に残された大量破壊兵器及び関連物質・技術の拡散防止に対して一致して取り組む姿勢を示し,2002年のG8カナナスキス・サミットにおいて「大量破壊兵器及び物質の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップ」に合意しました。

 日本は,この枠組の中で当面2億ドル余りの貢献を行うこととし,そのうち1億ドル余りを退役原子力潜水艦の解体にあて,また,1億ドルを余剰兵器プルトニウムの処分計画のために拠出することとしました。

2 わが国の資金協力と非核化協力委員会の設置

(1)1993年4月,わが国は旧ソ連諸国(ロシア,ウクライナ,カザフスタン,ベラルーシ)の核兵器廃棄支援のため総額約1億ドル(117億円)の協力を行うことを発表しました。また,1999年6月のケルン・サミットにおいて,追加的に資金を供与する旨発表し,同年度補正予算にて134億円を手当てしました。

(2)具体的な協力事業実施のため,1994年3月までに,ロシア,ウクライナ,カザフスタン,ベラルーシ各国との間で非核化協力に関する二国間協定を締結,日露,日ウクライナ,日カザフスタン,日ベラルーシ各非核化協力委員会を設立し,各委員会に対し以下のとおり拠出金を配分しました。

  1993年 1999年
拠出額 117億円 (100%) 133億9680万円 (100%) 250億9680万円 (100%)
日露委員会 81億9000万円 (70%) 121億9680万円 (91%) 203億8680万円 (81%)
日ウ委員会 17億5500万円 (15%) 4億8000万円 (4%) 22億3500万円 (9%)
日カ委員会 11億7000万円 (10%) 6億円 (5%) 17億7000万円 (7%)
日ベ委員会 5億8500万円 (5%) 1億2000万円 (1%) 7億0500万円 (3%)

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