核軍縮・不拡散

CTBT発効促進に向けた我が国の取り組み

平成30年9月26日

1 CTBT早期発効を求めて 我が国の基本的姿勢

 我が国は,包括的核実験禁止条約(CTBT)を,国際原子力機関(IAEA)の保障措置(セーフガード)と並び,核兵器不拡散条約(NPT)を中核とする核不拡散・核軍縮体制の不可欠の柱を構成しているものとして捉え,その早期発効を極めて重視している。

2 発効促進会議

 CTBTは,署名開放後3年を経過しても発効しない場合,批准国の過半数の要請によって,発効促進のための会議を開催することを定めている(第14条2)。同規定に基づき,1999年以来,隔年で秋に本件会議が開催されている。我が国は,第1回会議に高村外相(当時)が議長を務めて以降,ほぼ毎回大臣レベルで参加している。本件会議に際し,2か国の発効促進共同調整国(同会議の共同議長を務める)が選出(任期は2年間)され,会議の準備及び議事運営に主導的役割を果たしている。2015年2月,我が国はカザフスタンと共に,発効促進共同議長国の指名を受け,同年9月に開催された第9回発効促進会議から,2017年9月の第10回同会議会議までの2年間にわたり,発効促進共同調整国を務めた。
 発効促進会議では,国連事務総長や共同調整国(共同議長),包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)事務局長,批准国,署名国,未署名国,NGO等による演説が行われる。また,未署名国・未批准国に対する早期署名・批准の呼びかけや核実験モラトリアム維持の重要性,CTBT検証体制の本来機能に加えた民生・科学分野における有用性等を盛り込んだ最終宣言が採択されている。

3 フレンズ外相会合

 CTBTフレンズとは,主にCTBTOの所在するウィーンを中心に,CTBT発効促進活動を調整・推進するため,2002年,日豪蘭の呼びかけに応じて結成されたグループ。2002年以降,国連ハイレベル・ウィークのタイミングに合わせ隔年で開催しており,現在は,右3か国の他,加,フィンランド,ドイツの計6か国がメンバーとなっている。
 フレンズ外相会合では,国連事務総長やフレンズ・メンバー国,CTBTO事務局長等が中心に演説を行う他,核実験モラトリアムの維持や北朝鮮による核実験実施への非難,CTBTをめぐる直近の動きに関するアップデートを含む閣僚共同声明が採択されている。

4 途上国に対しての技術協力

  • 国際監視制度の建設に必要な機材をこれまでインドネシア等17か国に供与している。
  • 1995年から毎年,人材育成を目的としたグローバル地震観測研修(JICA)を実施し,これまでに74か国から計242名が参加している。

(参考)グローバル地震観測研修(日本語別ウィンドウで開く英語別ウィンドウで開く

5 二国間会談等における発効促進への働きかけ

 日本は従来から,二国間会談や国際的・地域的フォーラム等様々な機会を捉えてCTBTの早期発効をよびかけ,また,署名・批准を働きかけてきている。最近の主だったものは以下のとおりである。

(1)二国間会談等における働きかけ

 近年の働きかけとしては,2009~2016年末までに,未批准の発効要件国に対して,首脳レベル,外相レベル,その他政務レベル,高官レベル等様々なレベルにおいてあらゆる機会に働きかけを行ってきている。特に,2009年12月の日・インド首脳会談の際,鳩山総理(当時)がシン首相に,アメリカ及び中国とともに条約に署名・批准していただくことが極めて重要である旨述べたのに対し,シン首相は仮にアメリカ及び中国がともに批准するのであれば新たな状況となる旨発言があった。また,2013年5月の日・インド首脳会談においても安倍総理が条約の早期発効の重要性を強調したのに対し,シン首相は一方的かつ自主的な核爆発実験モラトリアムに対するインドのコミットメントを改めて表明した。更に同年11月以降,岸田外務大臣からローハニ大統領及びザリーフ外務大臣に対して累次にわたりCTBT批准の働きかけを行っていた。
 2017年以降も,河野外務大臣は,2017年8月にティラソン米国国務長官(当時),2018年1月にアーシフ・パキスタン外相に対し,CTBTの署名・批准を働きかける等の外交努力を継続している。また,2018年4月に開催された2020年NPT運用検討会議第二回準備委員会及び同年7月のゼルボ包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)事務局長との共同アピールにおいて,北朝鮮によるCTBT署名・批准を求めた。さらに,2018年5月,第8回太平洋・島サミットにおいて発出された首脳宣言でCTBTの重要性を確認した。

(2)外相書簡等による各国へのCTBT早期批准働きかけ

 わが国はこれまで累次に亘り,CTBT早期批准を求める外相書簡等を発出するなどして働きかけを行っている。例えば,2005年4月,2005年NPT運用検討会議に先立ち,町村外務大臣(当時)より,CTBT未批准の発効要件国11か国外相に対し,CTBT早期批准を求める書簡を発出した。
 また,2011年には,広島・長崎両市長及び平和市長会議がインドネシアの国会第1委員長宛ての書簡を発出した。同時期に,訪日中のインドネシア外務省幹部に多方面から働きかけを行ったこともあってか,同年12月にはインドネシア国会にてCTBT批准が承認され,2012年2月のインドネシアによるCTBT批准につながった。

(3)未批准国からの関係者招へい

 我が国はこれまでにCTBT未批准の5か国(コロンビア,インドネシア,ベトナム,タイ,エジプト)からCTBT関係者を招へいし,批准を働きかけるとともに,CTBT国内運用体制の重要性を訴えた。なお,5か国うち,コロンビア,ベトナム及びインドネシアは現在批准済みである。


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