経済

国際ワークショップの開催
「再生可能エネルギーの利用の促進に向けて:IRENAへの期待」
(概要と評価)

平成23年2月18日

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1.概要

(1)2月10日(木曜日)、東京にて外務省主催による国際ワークショップ「再生可能エネルギーの利用の促進に向けて:IRENAへの期待」を開催(本邦再生可能エネルギー企業関係者、NPO,NGO関係者、学界関係者、学生、在京大使館等約100名が参加)。

(2)冒頭、山花郁夫外務大臣政務官が基調講演を行い、それに引き続きアドナン・アミン・国際再生可能エネルギー機関(IRENA)事務局長代行、エリック・マーティノー・環境エネルギー政策研究所研究部長、ラノ・フォヌア・トンガエネルギーロードマップコーディネーター、ソムジェット・タイ農業協同組合省上級専門家グループ室長、岡崎修司・横浜市地球温暖化対策事業本部担当係長、櫃本礼二・北九州市環境局環境モデル都市推進室次長、佐賀達男・シャープ株式会社ソーラーシステム開発本部技監及び高山栄太郎・三菱重工業株式会社原動機事業本部風車事業ユニット長より、それぞれIRENA、設立経緯とその役割、我が国、各国の再生可能エネルギーへの取組、再生可能エネルギーの未来とIRENAにつき概要下記2.のとおり説明があった。

2.各セッション要旨

(1)基調講演

山花郁夫外務大臣政務官「我が国のIRENAへの貢献、IRENAへの要望」(PDF)

(2)第1セッション「IRENA、設立経緯とその役割」

ア アドナン・アミン・国際再生可能エネルギー機関(IRENA)事務局長代行

イ エリック・マーティノー・環境エネルギー政策研究所研究部長「世界の再生可能エネルギー開発・現状とIRENAの役割」(PDF)

 IRENA設立の経緯、再生可能エネルギーの直面する挑戦(気候変動、エネルギー安全保障)及びIRENAの役割に関してアミン事務局長代行より説明。また、マーティノット研究部長より、世界各国の再生可能エネルギーへの取組の推移及びIRENAに求める役割に関してのプレゼンテーションが行われた。
 (参考:自然エネルギー白書2010 英語(PDF)日本語(PDF)、地方自治体の自然エネルギー政策に関する世界白書 英語(PDF)日本語(PDF)

(3)第2セッション「我が国、各国の再生可能エネルギーへの取組」

ア ラノ・フォヌア・トンガエネルギーロードマップコーディネーター「トンガ・エネルギー・ロードマップ2010-2020」(PDF)

  島嶼国であるトンガはその電力供給のほぼすべてをディーゼル発電に頼っていたが、トンガ・エネルギー・ロードマップの策定に端を発し、現在、太陽光、風力の実証プロジェクトを推進し、油価に左右されない電力システムを構築中。

イ ソムジェット・タイ農業協同組合省上級専門家グループ室長「タイのバイオマスタウン・パイロット・プロジェクト」(PDF)

  タイでのパーム農園からの廃棄物及び畜産農家からの糞尿からのメタン回収プロジェクトの推進に関しての農家

ウ 岡崎修司・横浜市地球温暖化対策事業本部担当係長「再生可能エネルギー利用促進について・環境モデル都市横浜の挑戦」(PDF)

  横浜スマート・シティー・プロジェクト(YSCP)により、2014年までに二酸化炭素の排出を6万4千トン削減を目標に、ホーム・エネルギー・マネジメント・システムの導入、コミュニティー・エネルギー・マネジメント・システムの導入及び電気自動車の導入に関する紹介。

エ 櫃本礼二・北九州市環境局環境モデル都市推進室次長「再生可能エネルギー利用に対する北九州市の政策と実施」(PDF)

  1960年代には、公害で汚れた環境であった北九州市が、リサイクルの街として、そして、日本初のエコタウンとして再生可能エネルギーの利用の促進を進め、現在では非常にきれいな環境となり、また、国内のみならず、ASEANの環境協力を進めていることを紹介。

(4)第3セッション「再生可能エネルギーの未来とIRENA」

ア 佐賀達男・シャープ株式会社ソーラーシステム開発本部技監「シャープ・ソーラー・ビジネスの紹介」(PDF)

イ 高山栄太郎・三菱重工業株式会社原動機事業本部風車事業ユニット長「三菱風力タービン」(PDF)

3.評価

(1)今回のワークショップは、再生可能エネルギー(RE)及び国際再生可能エネルギー機関(IRENA)に対する国内の理解を深めるとともに、アジア太平洋地域からのIRENAへの加盟の拡大の一助となることが目的。実際に関係諸国において進んでいるREのプロジェクトや、本邦企業が関わるRE案件の紹介をするとともに、世界のRE分野での取組の現状報告により出席者は理解を深めたものと思われる。またIRENAに関しては、我が国がIRENAへの最大の拠出国となる可能性が高いことや、既に人材派遣による事務局運営に対しての側面支援を行っていることを踏まえ、我が国が考えるIRENAのあるべき姿、また、IRENAがREの利用の促進に向けて各種プロジェクトにどのように関与すべきかを討議した。参加者からは肯定的な評価が得られた。

(2)第3セッションのパネルディスカッションでは、全スピーカーをコメンテーターとして、IRENAが果たすべき役割に関し、討議が行われた。特に我が国企業からの要望として、RE技術の国際標準化が進む中で、各国がプロジェクト導入時の問題点・ハードルを克服するためには、IRENAが果たし得る各国政策への助言とそれによる状況改善によりIRENAの存在意義が認められ、あるいは求められるとの期待が寄せられた。

(3)アジア太平洋地域のIRENA加盟国は、41署名国に比して17か国とまだ少ない。また、同地域の主要国では、中国、タイ、シンガポール、ニュージーランドなどが未署名である。今後のアジア大洋州地域の成長及びそれを支える膨大なエネルギー投資のニーズを考えた場合、IRENAは、ベストプラクティスの共有及びRE分野への投資促進のための重要な知的支援型機関となるものであり、今回のワークショップは、我が国のREとIRENAに対する理解を深め、IRENAに対するアジア大洋州地域の理解と参加を促進する良い機会の提供となった。

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