企業の社会的責任(CSR)

令和8年1月15日

1 OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針の概要

  1. 1976年、OECDは、多国籍企業に対して期待される責任ある行動を自主的にとるよう勧告することを目的として、OECD多国籍企業行動指針(OECD Guidelines for Multinational Enterprises)(以下「行動指針」という)を策定しました。
     「行動指針」は、世界経済の発展や企業行動の変化などの実情に合わせ、これまで6回(1979年、1984年、1991年、2000年、2011年、2023年)改訂されています。
     現在、「行動指針」には、OECD加盟国38か国の他、アルゼンチン、ブラジル、ブルガリア、クロアチア、エジプト、ヨルダン、カザフスタン、モーリシャス、モロッコ、ペルー、ルーマニア、チュニジア、ウクライナ、ウルグアイの非加盟国14か国が参加しています。
  2. 「行動指針」には、法的な拘束力はありませんが、一般方針、情報開示、人権、雇用及び労使関係、環境、贈賄及びその他の形態の腐敗の防止、消費者利益、科学、技術及びイノベーション、競争、納税等、幅広い分野における責任ある企業行動に関する原則と基準を定めています。
  3. 2011年の改訂では、企業には人権を尊重する責任があるという内容の人権に関する章の新設や、リスク管理の一環として、企業は自企業が引き起こす又は一因となる実際の及び潜在的な悪影響を特定し、防止し、緩和するため、リスクに基づいたデュー・ディリジェンスを実施すべき等の規定が新たに盛り込まれました。(「OECD多国籍企業行動指針(2011年改訂版仮訳)」(PDF)別ウィンドウで開くをご覧下さい。)
  4. 直近の2023年の改訂では、前回改訂から12年が経過したことを踏まえ、企業によるサプライチェーンの下流へのデュー・ディリジェンスの適用範囲の明確化、企業に対する気候変動や生物多様性について国際的に合意された目標との整合性を図ることへの期待、データの収集や使用を含めた技術に関するデュー・ディリジェンスの期待等の規定が新たに盛り込まれました。またこれを機に、名称が、現在の「OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針」に変更されました。(「OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針(2023年改訂版(仮訳))」(PDF)別ウィンドウで開くをご覧ください。)

2 各国連絡窓口(NCP)

  1. 2000年の「行動指針」の改訂では、「行動指針」の普及、「行動指針」に関する照会処理、問題解決支援のため、各国に「連絡窓口(NCP)」(National Contact Point)(以下「NCP」という)が設置することとなり、2011年の改訂では、NCPによる問題解決支援(非司法的苦情処理メカニズム)の機能が強化されました。2023年の改訂においても、NCPの実効性を確保するため、様々な規定の強化が行われました。各国のNCPは、OECDにおいて定期的にNCPネットワーク会合を開催し、OECD投資委員会に対して活動内容等を報告しています。
  2. 「行動指針」には、実施手続、NCPの組織や実際の活動に当たって考慮すべき点、OECD投資委員会の活動につき詳細が記載されています。

3 日本NCPについて

  1. 日本NCPは2000年に設置され、外務省・厚生労働省・経済産業省の三者で構成されています。
  2. 2008年7月に、日本NCPの諮問機関として、日本NCP、産業界(一般社団法人日本経済団体連合会)及び労働界(日本労働組合総連合会)から構成される日本NCP委員会を設置し、定期的に会合を開催しています。(詳細説明(PDF)別ウィンドウで開くをご覧下さい。)

4 日本NCPによる個別事例の処理

  1. 日本NCPの個別事例処理手続
  2. 個別事例処理手続の流れ
    「行動指針に係る問題処理制度」フローチャート(PDF)別ウィンドウで開く
    1. 日本NCPに問題提起を行う際は、こちらのフォーム(日本語(Word)英語(Word))及び資料一覧表(Excel)に必要事項を記入の上、電子メールに関連資料とともに別添して日本NCP代表アドレスまで送付ください。
    2. 問題提起に関する書面の送付があった場合、日本NCPの個別事例処理手続に従い、受領通知を発出します。
    3. 提起された問題が更なる検討に値するか否かについての初期評価を行い、当事者に回答します。
    4. 問題が更なる検討に値する場合には、当事者による問題解決を支援するため、あっせんを提供します。問題が更なる検討に値しないと決定する場合には、声明を発出します。
    5. 提起された問題について当事者間で合意に至った場合、合意に至らなかった場合又は当事者の一方が手続に参加しようとしない場合のいずれの形式で手続きが終了した場合も、声明の発出を行います。

5 OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針及び関連文書

(1)OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針

(2)デュー・ディリジェンス(自企業が引き起こす又は一因となる実際の及び潜在的な悪影響を特定し、防止し、緩和するための一連のプロセス)を実施するために参考となりうるガイダンス

産業分野別のガイダンス

  • OECD衣類・履物セクターにおける責任あるサプライチェーンのためのデュー・デリジェンス・ガイダンス(仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く)(仮訳は経済産業省作成)
  • 責任ある農業サプライチェーンのためのOECD-FAOガイダンス(仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く)(仮訳は農林水産省作成)
  • OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス(すず、タンタル、及びタングステンに関する補足書並びに金に関する補足書を含む)(第三版仮訳)(仮訳(PDF)別ウィンドウで開くおよび金に関する補足書(仮訳)(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く)(仮訳は電子情報技術産業協会(JEITA)作成)
  • 電子機器及び自動車の製造におけるデュー・ディリジェンス(仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く)(仮訳はOECD事務局作成)
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