軍縮・不拡散

オーストラリア・グループ(AG)総会
(概要)

平成24年7月

 6月11日~15日,パリにおいて開催されたオーストラリア・グループ(AG)(生物・化学兵器関連物資・技術の拡散防止のための国際輸出管理レジーム)の総会後に発出された報道機関向け資料の主要点は以下のとおり。

1 輸出管理の強化

 今次総会は,生物・化学関連の機微な汎用資機材の拡散の試みを防止するための輸出許可審査及び法令執行措置の強化につながった。具体的には,AG参加国の国内輸出管理の実施に関する経験の共有,AG規制リストの修正提案の検討,ブローカリング(仲介)業務の規制強化のためのガイドラインの修正等が行われた。今次会合において合意されたAG規制リスト及びガイドラインの修正は,AGのホームページ(www.australiagroup.net(他のサイトヘ))参照。

2 シリア

 AG参加国は,シリアにおける目下の暴力行為を背景に,同国が活発な生物・化学兵器計画を有する拡散懸念国であることに留意し,AG規制対象品目等の調達活動を隠ぺいするための広範な手口(例えば,第三国におけるフロントカンパニー(実体のない名目だけの会社)の使用)について議論した。AG参加国は,シリアへの汎用品の輸出に一層の注意を払い,綿密な審査を行うことに合意した。

3 AGの課題

 AG参加国は,法執行能力,査証審査方法,キャッチオール規制等の実施に関する情報共有を通じて協力を深化させていくことに合意するとともに,機微な技術の移転やブローカリング業務の規制に対する意識向上を含め,産業界及び学界をAGの作業に関与させる重要性を強調した。

 AG参加国は,将来的な規制リストへの追加も視野に入れて,生命科学,ナノテクノロジー(ナノメートル(10億分の1m)単位で加工する技術),汎用性のある生物・化学関連製造装置等に関する新たな技術の発展に伴う拡散の危険性について検討した。

4 新規参加国

 今回,新規参加を認められた国はなかった。

5 AG非参加国及び国際機関との協力

 AG規制リストは,生物・化学兵器関連の汎用資機材・技術に係る規制の成功事例の国際的な基準と見なされており,AGによる規制と取組が国際的に受け入れられ,国内規制リストに反映されるようにすることが,AG非参加国及び国際機関とのかかわりにおいて重要な要素である。AG総会は,AG規制リストが更に多くの国で採用されるようAG非参加国への働きかけ等の活動を行っていくことに合意した。

(同総会に関する報道機関向け資料については,http://www.australiagroup.net/en/media_june2012.html(他のサイトヘ)参照。)

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