6 国際社会における法の支配
「法の支配」とは、一般に、全ての権力に対する法の優越を認める考え方であり、国内において公正で公平な社会に不可欠な基礎であると同時に、国際社会の平和と安定に資するものであり、友好的で平等な国家間関係から成る国際秩序の基盤となっている。国際社会においては、法の支配の下、力による支配を許さず、全ての国が国際法を誠実に遵守しなければならず、力又は威圧による一方的な現状変更の試みは決して認められてはならない。日本は、法の支配の強化を外交政策の柱の一つとして推進し、様々な分野におけるルール作りとその適切な実施に尽力している。
(1)日本の外交における法の支配の強化
日本は、国際会議を含む様々な機会を通じ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を各国と確認しているほか、様々な分野におけるルール形成に積極的に参画することで、新たな国際法秩序の形成・発展に貢献している。また、紛争の平和的解決や法秩序の維持を促進するため、国際司法機関の機能強化に人材面・財政面からも積極的に協力しているほか、法制度整備支援や国際法関連の行事の開催など法の支配に関する国際協力にも積極的に取り組んでいる。
ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢を受け、国際の平和と安全に向けて法の支配を強化することは一層重要になっている。1月、上川外務大臣は、ハーグ(オランダ)において、ドノヒュー国際司法裁判所(ICJ)(68)所長、ホフマンスキ国際刑事裁判所(ICC)(69)所長及びカーンICC検察官と会談し、また、ハンブルク(ドイツ)において、ヘイダー国際海洋法裁判所(ITLOS)(70)所長と会談した。上川外務大臣は、分断と対立の深まる国際社会の現状についての危機感を共有しつつ、「法の支配」や「人間の尊厳」のために国際裁判所が果たしている役割への日本の揺るぎない支持を示し、対話と協力に基づき、国際社会における「法の支配」の強化のための外交を包括的に進めていくことを表明した。こうした取組の一環として、ICJにおけるパレスチナ占領地に関する勧告的意見手続に関し、日本は、2023年7月に陳述書を提出し、2月に口頭陳述に参加した。陳述においては、国際社会における法の支配の重要な要素である「武力による領土取得の禁止」という原則について、その法的論点に関する日本の見解を述べた(234ページ 特集参照)。また、ICJにおける気候変動に係る諸国の義務に関するICJ勧告的意見においても、日本は、3月に陳述書を提出し、12月に口頭陳述に参加した。陳述においては、日本の気候変動対策に関する基本的立場や取組について述べた上で、気候変動分野における国際法上の義務及び法的帰結に関する日本の見解を表明した。
2022年12月、国連総会は、「ICJによるイスラエルの東エルサレムを含むパレスチナの占領、入植及び併合の法的帰結等に関する勧告的意見の発出を要請する決議」を採択しました。この意見の要請は、日本がこれまでG7議長国や安全保障理事会理事国として国際社会に訴えてきた、「国家間の法の支配」や、その根幹である「武力による領土取得の禁止」の重要性について、更に広く共感を得ていくに当たり、大きな意義を持ち得るものだったことから、日本は書面及び口頭の陳述に積極的に参加し、日本の法的立場を表明することとしました。ICJの勧告的意見は、一般に、それ自体として法的拘束力を有するものではありませんが、その内容が国際法上の原則や規則の明確化に寄与し得るなど、法の支配の観点から重要な意義を持っています。
2023年7月にICJに対し陳述書を提出し、2024年2月に口頭手続に参加し陳述を行いました。この過程では、オックスフォード大学のダポ・アカンデ教授の協力も得て、集中的な検討を行いました。日本がICJで勧告的意見の口頭手続に参加したのは、1995年11月に行われた、核兵器使用の国際法上の評価に関する勧告的意見における陳述以来、29年ぶりとなりました。

陳述では、中東和平に関する日本の基本的な立場を改めて述べた上で、法の支配の根幹である「武力による領土取得の禁止」という原則について、この原則がどういった領域に適用されるのか、併合の意図を明示しない場合であっても武力による領土取得に該当し得るか、自衛のための武力の行使により、領土の権原2の取得を主張できるのか、といった法的論点に関する日本の見解を述べました。
2024年7月に勧告的意見が発出された際には、一部のICJ判事からは、日本の陳述に言及した上で、日本のアプローチは勧告的意見における主要な考え方と整合的であるとして評価する意見も見られました。こうしたことから、日本の陳述はICJにおける議論及び検討に一定程度貢献したのではないかと考えています。力や威圧による一方的な現状変更の試みを含め、厳しい安全保障環境に直面する日本にとって、武力の行使を禁じる国連憲章第2条4の帰結である「武力による領土取得の禁止」の誠実な遵守の重要性が国際社会においてより深く根付くよう声を上げ続けることが重要です。
日本は、今後もICJの活動に引き続き貢献していくことで、国際社会における法の支配の強化のために積極的に取り組んでいく考えです。
1 ICJ:International Court of Justice
2 国際法上正当な権利行使の根拠を指す。
ア 紛争の平和的解決
日本は、国際法の誠実な遵守に努めつつ、国際司法機関を通じた紛争の平和的解決を促進するため、国連の主要な司法機関であるICJの強制管轄権を受諾(71)しているほか、人材面・財政面の協力を含め、国際社会における法の支配の確立に向けた建設的な協力を行っている。例えば、日本はICC及び常設仲裁裁判所(PCA)(72)への主要な財政貢献国であり、人材面では、2024年現在、ICJの岩澤雄司裁判官(2018年から現職)、ITLOSの堀之内秀久裁判官(2023年から現職)、ICCの赤根智子所長(2018年からICC裁判官、2024年3月、所長に選出)などを輩出し、また、国際裁判所の実効性と普遍性の向上に努めている。さらに、外務省は、将来的に国際裁判で活躍する人材の育成のために、「国際裁判機関等インターンシップ支援事業」を通じて、国際裁判機関などでインターンシップを行う日本人を積極的に支援している。
同時に、外務省は、国際裁判に臨む体制を一層強化するため、国際裁判手続に関する知見の増進を図り、主要な国際裁判で活躍する国内外の法律家や法律事務所との関係強化などを通じて国際裁判に強い組織作りに取り組んでいる。経済分野においても、近年、世界貿易機関(WTO)(73)協定、経済連携協定(EPA)(74)及び投資協定に基づく紛争解決の重要性が高まっている中で、WTO協定などに基づく紛争の処理に当たり、関係各省庁や外部専門家(国内外の法律事務所・学者など)とも緊密に連携しながら、書面作成、証拠の取扱い、口頭弁論などの訟務対応を行っているほか、判例・学説の分析や紛争予防業務などの取組も進めており、紛争処理を戦略的かつ効果的に行うための体制を強化している。
イ 国際的なルール形成
国際社会が直面する課題に対応する国際的なルール形成は、法の支配の強化のための重要な取組の一つである。日本は、各国との共通目的の実現に向けた法的基盤を作るための二国間や多数国間条約の締結を積極的に進めているほか、国連などにおける分野横断的な取組に自らの理念や主張を反映する形で国際法の発展を実現するため、ルール形成の構想段階からイニシアティブを発揮している。具体的には、国連国際法委員会(ILC)(75)や国連総会第6委員会での国際公法分野の法典化作業、また、ハーグ国際私法会議(HCCH)(76)、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)(77)、私法統一国際協会(UNIDROIT)(78)などでの国際私法分野の条約やモデル法の作成作業など、各種の国際的枠組みにおけるルール形成プロセスに積極的に関与してきている。ILCでは、浅田正彦委員(2023年から現職。同志社大学教授・京都大学名誉教授)が条文草案の審議への参加などを通じて国際法の発展に貢献している。また、HCCH、UNCITRAL及びUNIDROITでは、各種会合に政府代表を派遣し、積極的に議論をリードしている。特に、UNCITRALについては、日本は、これまで構成国拡大や紛争解決の分野におけるプロジェクトを提案して実現させ、2023年には同委員会で交渉された「調停による国際的な和解合意に関する国際連合条約」に加入し、2024年には構成国選挙において当選するなど、委員会設立以来の構成国としてプレゼンスを発揮している。
そのほか、UNIDROITにおいては、神田秀樹理事(2014年から現職。東京大学名誉教授)が認証カーボンクレジットの法的性質に関する作業部会の議長を務め、カーボンクレジットをめぐる最先端の議論に貢献している。
ウ 国際協力、人材育成
日本は、法の支配に関する国際協力にも積極的に取り組んでいる。国際的な法の支配に加え、国内における法の支配を強化するための国際協力も行っており、例えば、法の支配を更に発展させるために、特にアジア諸国の法制度整備支援を行っている。また、国際法に関するアジア・アフリカ地域唯一の政府間機関であるアジア・アフリカ法律諮問委員会(AALCO)(79)における議論に建設的に参画し、人材面・財政面での協力も行っているほか、欧州評議会(CoE)(80)の下で国際公法に関する問題を議論する国際公法法律顧問委員会(CAHDI)(81)にもオブザーバーとして積極的に参画している。さらに、8月、外務省は、国際法人材育成の取組として、2023年に引き続き、インド太平洋地域の行政官、日本の弁護士や国際法研究者を対象に、国際法に関する実務家向けの研修を提供する「東京国際法セミナー」を開催した。また、日本を含むアジア諸国の学生に紛争の平和的解決の重要性などの啓発を行い、次世代の国際法人材の育成と交流を強化する目的で開催している国際法模擬裁判「アジア・カップ」については、「東京国際法セミナー」の一環として「2024年アジア・カップ」を開催した。
(2)海洋分野における取組
海洋国家である日本にとって、法の支配に基づく海洋秩序の維持及び強化は極めて重要な課題である。そのため、日本は「海における法の支配の三原則」((ア)国家は法に基づいて主張をなすべきこと、(イ)主張を通すために力や威圧を用いないこと及び(ウ)紛争解決には平和的な事態の収拾を徹底すべきこと)を主張している。
このような海における法の支配の根幹となるのは、国連海洋法条約(UNCLOS)(82)である。同条約は、日本を含む169か国(日本が国家承認していない地域を含む。2024年12月時点)及びEUが締結しており、公海での航行・上空飛行の自由を始めとする海洋に関する諸原則や、海洋の資源開発やその規制などに関する国際法上の権利義務関係を包括的に規定している。領海や排他的経済水域(EEZ)を含む分野に関する同条約の規定は国際社会に広く受け入れられており、海洋における活動は同条約の規定に従って行われるべきとの認識が広く共有されている。一層複雑化し多岐にわたる海洋問題に対応していく上で、包括的な、かつ、普遍的な法的枠組みである同条約に基づく海洋秩序を維持・強化していくことが重要である。
UNCLOSの目的を達成するため、UNCLOSに基づきいくつかの国際機関などが設置されている。1996年に設置された国際海洋法裁判所(ITLOS)は、海洋に関する紛争の平和的解決と海洋分野での法秩序の維持と発展において、重要な役割を果たしている。特に近年、ITLOSは海洋境界画定や海洋環境保護を含む幅広い分野の事例を扱い、その重要性が増している。日本はITLOSの役割を重視し、設置以来、日本人裁判官を輩出し続けており、現在は、堀之内前UNCLOS担当大使が裁判官を務めている(任期は2023年10月から9年間)。
また、大陸棚限界委員会(CLCS)(83)は、大陸棚延長制度の運用において重要な役割を果たしている。日本は、CLCSの設置以来、委員を輩出し続けているなど(現在の委員は山崎俊嗣(つぐ)東京大学名誉教授・高知大学客員教授(任期は2028年6月15日まで))、CLCSに対する人材面・財政面での協力を継続している。深海底の鉱物資源の管理を主な目的として設置された国際海底機構(ISA)(84)では、2024年に2回開催された理事会において、深海底の鉱物資源の開発に関する規則について審議が行われており、日本は自国の立場が同規則に反映されるよう交渉に積極的に参画している。また、日本は、ISA設置以来、一貫して理事国を務めており、8月に開催された総会においても再選された(新たな任期は2025年1月から4年間)。
さらに、2023年6月に採択された、UNCLOSに基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(BBNJ協定。2024年12月時点で未発効)(85)について、6月には第1回締約国会議開催に向けた準備委員会が設立された。日本は、「保全」と「持続可能な利用」のバランスを重視する立場から、同準備委員会の活動に積極的に参加している。
(3)政治・安全保障分野における取組
日本は、日本の外交活動の法的基盤を強化するため、政治・安全保障分野における国際約束の締結に積極的に取り組んでいる。一方の国の部隊が他方の国を訪問して活動を行う際の手続や地位などを定める部隊間協力円滑化協定(RAA)(86)については、5月にフランスとの間で交渉開始を発表し、また、7月にはフィリピンとの間で署名した。
また、自衛隊と外国の軍隊との間の物品・役務の相互提供に係る決済手続などについて定める物品役務相互提供協定(ACSA)(87)については、7月にドイツとの間で発効したほか、6月にはイタリアとの間で交渉を開始し、11月に署名した。
このほか、移転される防衛装備品や技術の取扱いについて定める防衛装備品・技術移転協定、関係国との間の安全保障に係る秘密情報の共有の基盤となる情報保護協定などの更なる整備を進めた。
防衛装備品・技術移転協定については、アラブ首長国連邦(UAE)との間で2023年5月に署名した同協定が1月に発効し、また12月にはモンゴルとの間で同協定に署名した。さらには、フィンランドとの間で12月に同協定の交渉開始を発表した。情報保護協定については、6月にニュージーランドとの間で交渉が実質合意に達し、また、11月にウクライナとの間で署名した。
(4)経済・社会分野における取組
貿易・投資の自由化や人的交流の促進、日本国民・企業の海外における活動の基盤整備などの観点から、諸外国との間で経済面での協力関係を法的に規律する国際約束の締結・実施が引き続き重要である。日本は各国・地域との間で租税条約、投資協定、社会保障協定などの交渉及び署名・締結を行ってきている。また、自由で公正な経済圏を広げ、幅広い経済関係を強化するため、EPAなどの交渉に積極的に取り組んだ。
環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)(88)については、12月にCPTPPへの英国の加入議定書が発効したほか、CPTPPの一般的な見直しに向けた議論に積極的に参画した。日EU・EPAについては、7月に、「データの自由な流通に関する規定」を含めることを定めた改正議定書が発効した。そのほか、8月には、日・インドネシア経済連携協定改正議定書への署名が行われた。
さらに、日本は日本国民・企業の生活・活動を守り、促進するため、WTOの紛争解決制度の活用を図るなど、既存の国際約束の適切な実施に取り組んでいる。
国民生活と大きく関わる人権、労働、社会保障、環境、保健、漁業、航空、文化などの社会分野でも、日本の立場が反映されるよう国際約束の交渉に積極的に参画し、また、これを締結している。例えば、社会保障分野では、1月に日・オーストリア社会保障協定に署名し、また同月に日・イタリア社会保障協定を締結した。航空分野では、2月に日・チェコ航空協定に、6月に日・ルクセンブルク航空協定に署名した。文化分野では、7月に日・イタリア映画共同製作協定を締結した。
(5)刑事分野における取組
ICCは、国際社会の関心事である最も重大な犯罪を行った個人を国際法に基づいて訴追・処罰する世界初の常設国際刑事法廷である。日本は、2007年10月の加盟以来、ICCの活動を一貫して支持し、様々な協力を行っている。財政面では、日本はICCへの最大の分担金拠出国であり、2024年現在、分担金全体の約15%を負担している。加えて、ICC加盟以来継続して裁判官を輩出しており、3月には、赤根裁判官(前国際司法協力担当大使兼最高検察庁検事)がICC所長に選出された。予算財務委員会においても、山田潤アジア・アフリカ法律諮問委員会(AALCO)事務局次長が委員に選出されるなど、人材面においても、ICCの活動に協力している。また、ICCが国際社会における法の支配の促進に取り組むに当たり、ICCに対する協力の確保や補完性の原則の確立、裁判手続の効率性と実効性の確保がますます重要となっており、日本は、締約国会議の作業部会などの場を通じて、これらの課題に積極的に取り組んでいる。こうした中、2025年2月には、米国が一部のICC職員に対する制裁を発表した。日本は、ICCが独立性を維持し、安全を確保しながら、その活動を全うできることを重視する立場からICCを一貫して支持している。
さらに、日本は国境を越えた犯罪に対処するため、他国との間で必要な証拠の提供などの刑事分野の司法協力を一層確実に行えるようにしている。具体的には、刑事司法分野における国際協力を推進する法的枠組みの整備のため、刑事共助条約(協定)(89)、犯罪人引渡条約(90)及び受刑者移送条約(91)の締結を進めている。1月にブラジルとの間で刑事共助条約に署名した。
(68) ICJ:International Court of Justice
(69) ICC:International Criminal Court
(70) ITLOS:International Tribunal for the Law of the Sea
(71) ICJ規程第36条2に基づき、同一の義務を受諾する他の国に対する関係において、ICJの管轄権を当然にかつ特別の合意なしに義務的に受け入れることを宣言すること。現在、日本を含めて74か国が宣言しているにとどまる(2024年2月末時点)。
(72) PCA:Permanent Court of Arbitration
(73) WTO:World Trade Organization
(74) EPA:Economic Partnership Agreement
(75) ILC:International Law Commission
(76) HCCH:Hague Conference on Private International Law / Conférence de La Haye de droit
(77) UNCITRAL:United Nations Commission on International Trade Law
(78) UNIDROIT:International Institute for the Unification of Private Law
(79) AALCO:Asian-African Legal Consultative Organization
(80) CoE:Council of Europe
(81) CAHDI:Committee of Legal Advisers on Public International Law
(82) UNCLOS:United Nations Convention on the Law of the Sea
(83) CLCS:Commission on the Limits of the Continental Shelf
(84) ISA:International Seabed Authority
(85) BBNJ協定:Agreement under the United Nations Convention on the Law of the Sea on the Conservation and Sustainable Use of Marine Biological Diversity of Areas beyond National Jurisdiction
(86) RAA:Reciprocal Access Agreement
(87) ACSA:Acquisition and Cross-Servicing Agreement
(88) CPTPP:Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership
(89) 捜査、訴追その他の刑事手続について他国と行う協力の効率化や迅速化を可能とする法的枠組み
(90) 犯罪人の引渡しに関して包括的かつ詳細な規定を有し、犯罪の抑圧のための協力を一層実効あるものとする法的枠組み
(91) 相手国で服役している受刑者に本国において服役する機会を与え、社会復帰の促進に寄与する法的枠組み