外交青書・白書
特集 東日本大震災から10年を迎えて

6 原子力安全分野における国際社会との協力強化

11月、IAEAは、東京電力福島第一原発事故発生から10年の機会を捉え、専門家会議(ハイブリッド形式)をウィーンにおいて5日間にわたって開催した。

この会議は、震災後10年の間に、各国や国際機関がとった行動の教訓・経験を振り返り、今後の原子力安全の更なる強化に向けた道筋を確認することを目的として行われ、各国の規制当局、電力事業者、原子力専門家、有識者などの参加を得て、活発な意見交換が行われた。

グロッシーIAEA事務局長の開会挨拶に続き、引原在ウィーン代表部大使が挨拶し、原子力安全の強化の重要性を述べつつ、日本における原子力安全の取組の状況を紹介した上で、日本は、原子力安全のための取組を継続していくとともに、IAEAと協力しつつ世界の原子力安全の強化に貢献していくと述べた。

本専門家会議のALPS処理水に関する特別セッションでは、萩生田光一経済産業大臣がビデオメッセージを寄せ、東京電力福島第一原発のALPS処理水の処分に関する基本方針について説明するとともに、IAEAからALPS処理水の安全性についてレビューを受け、その結果を幅広く発信していくと述べた。

そのほか、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)は、3月に「福島第一原子力発電所事故から10年 進展と教訓、課題」と題した報告書を公表し、東京電力福島第一原発事故以降に国際社会とOECD/NEAが取り組んできた活動の紹介や、国際協力プログラムの将来的な活動の提案を行った。

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