外交青書・白書
特集 東日本大震災から10年を迎えて

2 在外公館などを活用した取組(被災地を含む日本の地域の魅力発信、産品の輸出促進、観光促進などの支援)

外務省は、在外公館などを活用しつつ、日本産食品の輸入規制撤廃の働きかけや、被災地を含む日本の地域の魅力発信、産品の輸出促進、観光促進などを支援する取組を実施している。2021年は、中国でオンラインを中心に実施した「地域の魅力海外発信支援事業」(2021年12月から2022年2月)や、ベトナムの在ホーチミン日本国総領事館が福島県などと協力して対面で実施したレセプション(2021年1月)において、福島県を含む日本の地域の魅力や特徴を現地に紹介した。在ホーチミン日本国総領事館によるイベントのブースでは、福島県産の日本酒やウィスキーを提供し、来場者から好評を得た。

また、戦略的対外発信拠点であるジャパン・ハウス ロンドンは、福島県や在英国福島県人会の協力により、特大の赤べこ(会津の民芸玩具)を館内で展示するとともに、赤べこのショップでの販売やウェブサイトでの紹介などを行い、好評を博した(2021年3月)。

福島県産日本酒・ウィスキー試飲ブース(写真左中央は渡邊駐ホーチミン総領事)(1月29日、在ホーチミン日本国総領事公邸)
福島県産日本酒・ウィスキー試飲ブース
(写真左中央は渡邊駐ホーチミン総領事)
(1月29日、在ホーチミン日本国総領事公邸)

世界各地へ感謝と友情のメッセージを伝える記念行事
~まさかの時の友こそ真の友~

(3)公益財団法人日本台湾交流協会からの活動紹介

東日本大震災の際、隣人・台湾からは、200億円を超える義援金や温かい励ましが寄せられました。

日本台湾交流協会では、震災から10年の節目に改めて感謝の気持ちを伝えるため、3月に台北市内で12日間の「東北友情特別展」を行い、蔡英文(さいえいぶん)総統を含む約2万人もの人が来場しました。開幕式には、当時いち早く被災地に入り救助活動を行った消防隊員が出席し、被災地にエールを送りました。

会場には、震災翌日から手書きの壁新聞で情報を伝えた「石巻日日新聞」のパネル、東北の復興の様子を収めた写真、日本の多数の漫画家による感謝の色紙などが展示されました。「誰もが逃げ出す中、がれきだらけの街にやってきて一人ひとりに支援物資を配ってくれた台湾のボランティアの手の温もりを、忘れない」と涙ぐむ被災地の方のビデオメッセージを、訪れた人たちは真剣なまなざしで見つめていました。

この10年間、日本と台湾は自然災害などが発生する度に助け合ってきました。善意の循環による日台の友情の深まりを確かめ合うことのできた、心温まる12日間でした。

「東北友情特別展」(3月、台北)
「東北友情特別展」(3月、台北)
「東北友情特別展」(3月、台北)
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