グローカル外交ネット

令和3年3月16日

福島県県商工総務課
山梨県知事政策室
大分県商業・サービス業振興課

 令和3年1月29日、在ホーチミン日本国総領事館と福島県・山梨県・大分県のコラボレーションにより「地方の魅力を発信」レセプションを開催しました。このレセプションは“郷土の地場産品”をこのベトナムで広めていきたい、おいしさを知ってもらいたいという各県の担当者の思いと、総領事館の日本の地方の潜在的な魅力をベトナムの皆様に紹介し、地方物産品の認知度向上や地方への観光促進について、側面支援したいという思いが一致し、開催したものです。当地で自治体PRデスクを受託するフォーバルベトナム株式会社とも連携し、来客者に大分県産の「ぶり」「椎茸」などや、福島県・山梨県の日本酒を試食試飲していただくことで、ベトナム国内における“今後の販路拡大”に高い効果が得られたのではないかと実感しています。

1 ベトナム人と「和食」の接点

 ホーチミン市内には、数多くの日本食店があります。寿司に刺身、そばにうどんに焼き魚。日本酒も全国の銘柄が輸入されており、様々な味を楽しむことができます。日本食店にはベトナム人の姿も多く、ベトナムの方にとって「和食」は年々身近なものになってきています。しかしながら日本食店・和食という一括りであり、「何県の特産品である〇〇がおいしい」という声はほとんど聞こえてきません。今回開催されたレセプションでは各県が魅力や特徴をセミナーで伝え、また試食試飲をしてもらうことで日本食店・和食という括りから一歩進み、日本の各地方の魅力を知ってもらうという機会になりました。このレセプションが地場産品の販路拡大、インバウンドに繋がっていくものと期待しています。

2 福島県の魅力を隠さず伝えたい

(写真1)試飲ブースの様子 福島県の日本酒・ウイスキー試飲ブース

 福島県は、明治時代から続く日本酒業界最大規模の日本酒コンテストである「全国新酒鑑評会」において、「7年連続・金賞受賞数日本一」という前人未踏の記録を更新中の酒どころです。
 自然と歴史と伝統が残る土地であり、春には桃源郷とも呼ばれる花見山、冬には雪化粧が施された鶴ヶ城など、四季を通じて様々な魅力があります。
 他方、このフルーティーでふくよかな味わいの日本酒のおいしさや侍の文化を学び体験するのにぴったりの場所だということなど、福島県の素晴らしさを十分に伝えきれているとは言えません。今回のレセプションでは、福島県の観光資源をしっかりとご説明させていただき、また、福島県産の日本酒だけではなく、ウイスキーもご試飲いただき、実際にお取引が始まるのを見届けることが出来ました。引き続き、福島県産品のおいしさと福島県の豊かな観光資源、また、そこで体験できることをお伝えして参ります。

3 富士山+名水+α やまなし日本酒の挑戦

(写真2)プレゼンテーションの様子 山梨県のプレゼンテーション

 山梨県では、酒造組合と甲府商工会が主体となり「東南アジアプロジェクト」という名のもとに、県内7つの蔵元(太冠・七賢・井出醸造・笹一・甲斐男山・谷櫻・春鶯囀)が約7年前からベトナム市場に“やまなし日本酒”を根付かせようと活動しています。富士山、そして豊かな自然、そこで採取された名水を使用した日本酒というPR。それは富士山を知っているベトナム人にとってイメージがしやすく、日本食店のオーナーも“やまなし日本酒”は比較的にドリンクメニューに載せやすいものだと言います。一方で、7つの蔵の日本酒それぞれの特徴をどのように伝えて飲んでいただくのかという課題が常にあります。今回のレセプションでは来客者に富士山と名水だけではなく、蔵元のこだわりや風味の違いなどを丁寧に説明できたこと、また果実の日本酒に興味を持っていただいたことが新たな発見となりました。富士山+名水、プラスα。その答えとなる山梨県の魅力を発信する切り口は、まだまだあると確信することができたのです。

4 継続こそ力なり…大分県の魅力拡大

(写真3)試食・試飲ブースの様子 大分県の特産品試食・試飲ブース

 大分県は、豊かな天然自然に恵まれ、県下のほとんどの地域に温泉が湧き出しており、日本を代表する温泉県です。また、各地域には素晴らしい食材も豊富にあり、食も大分の魅力です。こういうことから、「日本一のおんせん県おおいた、味力(みりょく)も満載」を本県の観光のキャッチフレーズとしてアピールしています。また、県下には、多くのベトナム人が在籍している立命館アジア太平洋大学(APU)など、大分県にゆかりのあるベトナム人の方が多くいることも特徴の一つです。
 今回のレセプションでは、「お酒(麦焼酎、梅酒等)」をはじめ、「ぶり」、「椎茸」、「梨」、「サツマイモ」などの特産品12品を来賓者に味わっていただきました。特に梅酒・梨などの果実系の品目に興味を持っていただき、レセプション後には、数件のオンライン商談が進み始めるなど、コロナウィルスの環境下での新しい商談の在り方を、レセプションを通して構築することができました。今後も大分県の魅力を発信するべく多くのベトナム人の方に大分県産品を味わっていただき、周知いただけるように努めること、そして、大分県にゆかりのあるベトナム人の方にも協力いただきながら、継続して発信したいと考えております。

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