外交青書・白書
第5章 国民と共にある外交

3 海外移住者や日系人との協力

日本人の海外移住の歴史は2020年で152年目を迎えた。北米・中南米を中心として、全世界に約380万人(推定)以上の海外移住者や日系人が在住している。移住者や日系人は、政治、経済、教育、文化を始めとする各分野において各国の発展に寄与するとともに、日本と各在住国との「架け橋」として各国との関係緊密化に大きく貢献している。

外務省は国際協力機構(JICA)と共に、約224万人(推定)の日系人が在住している中南米諸国において、移住者の高齢化に対応する福祉支援、日系人を対象とした日本国内への研修員受入れ、現地日系社会へのボランティア派遣などの協力を行っている。また、2017年5月に外務大臣に提出された「中南米日系社会との連携に関する有識者懇談会」の報告書を踏まえ、日系社会との更なる関係強化にも取り組んできている。

これまでも、北米・中南米では、各国・地域の様々な分野で指導的立場にいる日系人を日本に招へいするプログラムが実施されているほか、日本からの要人訪問の機会に日系人との接点を積極的に設けるなど、各国の在外公館が日系社会と緊密に協力し合うことで、日系人との関係強化を図っている。

2020年は、新型コロナの影響のため、例年10月に行われている海外日系人大会が中止となり、それに伴い外務大臣主催歓迎レセプションも中止となったが、日系社会の絆(きずな)を深め、来年度大会の布石となるオンライン・フォーラムが開催され、茂木外務大臣から同フォーラムにビデオメッセージが発出された。今後も移住者や日系人に対する支援を行うとともに、若い世代との協力を推し進め、これらの人々と日本の間の絆を強めていく考えである。

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