外交青書・白書
第5章 国民と共にある外交

4 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)の実施状況

ハーグ条約は、子の利益を最優先するという考えの下、国境を越えた子供の不法な連れ去りや留置をめぐる紛争に対応するための国際的な枠組みとして、子供を元の居住国に返還するための手続や国境を越えた親子の面会交流の実現のための締約国間の協力などについて定めた条約である。

この条約は、日本については2014年4月1日に発効し、2020年12月末現在、日本を含む101か国がこの条約に加盟している。

条約は、各締約国の「中央当局」として指定された機関が相互に協力することにより実施されている。日本では外務省が中央当局として、様々な分野の専門家を結集し、外国中央当局との連絡・協力、子の所在特定、問題の友好的解決に向けた協議のあっせんなどの当事者に対する支援を行っている。

ハーグ条約発効後2020年12月末までの6年9か月間に、外務大臣は、子の返還を求める申請を271件、子との面会交流を求める申請を154件、計425件の申請を受け付けた。日本から外国への子の返還が求められた事案のうち、47件において子の返還が実現し、42件において返還しないとの結論に至った。外国から日本への子の返還が求められた事案については、47件において子の返還が実現し、28件において返還しないとの結論に至った。

2020年12月には、ハーグ条約非締約国へのアウトリーチ活動の一環として、ベトナム最高裁判所、司法関係者を対象としたオンライン形式のセミナーにおいて、日本がハーグ条約加盟に至るまでの経験や条約締約後の国内での実施体制などに関する取組を紹介した。

このほかにも、より幅広い層へハーグ条約を周知することを目的として、在留邦人向け情報誌やウェブサイトへのハーグ条約に関する情報の掲載や、在留邦人向け啓発セミナーのオンラインでの実施のほか、国内の地方自治体や弁護士会などの関係機関向けセミナーの実施など、広報活動に力を入れている。

(参考)ハーグ条約の国内実施法に基づく外務省に対する援助申請の受付件数(2020年12月末現在)
  返還援助申請 面会交流
援助申請
日本に所在する子に関する申請 150 120
外国に所在する子に関する申請 121 34
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