第1章 概 観 2012年の国際情勢と日本外交の展開

第1章 概 観 2012年の国際情勢と日本外交の展開

2012年の世界は引き続き、大きな変動の流れの中にあった。躍動するアジア太平洋地域の国際社会における重要性は一層高まり、中東・アフリカの多くの国は移行期にある。グローバル化に伴う課題の深刻化、既存の国際社会の意思決定システムの限界、そして、何より、国民の生命・財産と領土・領海・領空に対する脅威など、日本を取り巻く情勢は厳しさを増している。

国益を増進し、戦略的な外交を展開するためには、世界全体を俯瞰(ふかん)する視点を持つことが必要である。以下1では2012年の国際情勢を概観し、2ではこれを踏まえた日本の外交政策の概略について論じる。

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