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第1章 概 観 2011年の国際情勢と日本外交の展開

概 観 2011年の国際情勢と日本外交の展開

2011年の世界は、中東・北アフリカの政治変革や欧州債務危機を経験した。情報通信技術の進歩、国際的に活動する主体の多様化、新興国の台頭など、国際社会は大きく変動しつつある。

2011年に日本は、東日本大震災に見舞われた。この大災害は、日本の将来に向けた課題をより鮮明に突き付けた。一方、日本と日本人に寄せられた世界中からの支援と励ましは、日本が戦後60年以上積み重ねてきた国際協力に対する世界各国の信頼を示すとともに、日本と日本人に対する世界の高い評価と期待を改めて日本人に認識させた。同時に、東京電力福島第一原子力発電所事故に関しては、日本の国際的な説明責任が問われた年であった。

震災からの復興は、日本の最優先課題である。同時に、日本が復興し、平和に繁栄していくには、平和で安定したアジア太平洋地域と世界が不可欠である。日本が自信と誇りを持ち、構想力を発揮して世界の諸問題に取り組むことは、震災で世界が日本に示した連帯に応える途(みち)である。

日本がこのような積極的な外交を展開するためには、世界の情勢を的確に捉えることが必要である。そこで、以下、1.では国際環境の変動を概観し、2.で、日本がとるべき外交政策を論じる。

第66回国連総会において一般討論演説を行う野田総理大臣(9月23日、ニューヨーク 写真提供:内閣広報室)
第66回国連総会において一般討論演説を行う野田総理大臣(9月23日、ニューヨーク 写真提供:内閣広報室)
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