軍縮・不拡散・原子力の平和的利用
「軍事領域におけるAIと国際の平和及び安全への影響」に関する国連事務総長報告書
令和7年8月20日
1 背景・経緯
- 近年、人工知能(AI)を含む新興技術が軍事領域に与える影響につき国際的議論が活発化。
- 2024年12月、オランダ及び韓国が提出した「軍事領域におけるAIと国際の平和及び安全への影響」に関する国連総会決議が、賛成159、反対2、棄権5で採択(A/RES/79/239)。
- 同決議は、国連事務総長に対し、軍事領域におけるAIの活用が国際の平和及び安全にもたらす機会と課題に関する報告書の作成を要請。
- 2025年8月、同年6月5日付け国連事務総長報告書(全文(英文)(PDF)
)が公表されました(同報告書には、我が国提出作業文書原文(全文(英文)(PDF)
/仮訳(PDF)
)を含め加盟国等の意見が添付(以下、「3 我が国の対応」参照))。
2 国連事務総長報告書の概要
- 同報告書は、AIのもたらす「機会と課題」、「既存及び新たな規範の提案」や今後の議論の在り方等の主要論点に関する加盟国等の意見を列挙した上で、各国に対し、本報告書の内容を検討し、軍事領域におけるAIと国際の平和及び安全への影響の論点に取り組むプロセスを確立する措置を講じることを勧告すること等を含む事務総長の見解と結論を提示。
3 我が国の対応
- 我が国が提出した作業文書において、我が国は、軍事領域におけるAIと国際の平和及び安全への影響に関する国連での議論に積極的に関与するため、軍事領域におけるAIの活用の議論に関する基本的な考えとし以下を記載するとともに、軍事領域におけるAIの活用が国際の平和及び安全にもたらす「機会と課題」についての見解を記載。
- 国際の平和及び安全並びに軍備管理・軍縮の推進に積極的に取り組む。
- AI活用のリスクを軽減しながら利益を最大化するため、責任ある利用に向けた現実的かつ実践的な取組を推進。
- 日本は、(1)国際法がAIのライフサイクルを通じて生ずる問題に適用されること、(2)AIは責任ある形で活用されるべきこと、及び(3)責任・説明責任は人間が負うという見方を支持する。
- 我が国としては、人道的考慮と安全保障の観点を勘案したバランスの取れた議論を通じ、国際社会において共通認識が得られるよう、国際的な議論に今後も積極的かつ建設的に参加していく。