宇宙
宇宙に関する包括的日米対話第5回会合の開催(結果)
平成30年7月25日
- 7月20日,東京において,宇宙に関する包括的日米対話第5回会合が開催されました。この会合には,日本側から外務省や内閣府を始めとする関係各府省等の関係者,米国側から国家宇宙会議や国家安全保障会議を始めとする関係各府省等の関係者がそれぞれ出席し,民生分野及び安全保障分野の両面における幅広いテーマについて,宇宙協力に関する包括的な意見交換を行い,その成果として共同声明(仮訳(PDF)/英文(PDF))が発出されました。
- 共同声明のポイントは以下のとおりです。
- この会合は,日米両国が宇宙分野での二国間協力を更に強化し,現在及び未来の世代のために宇宙空間の持続的,安全かつ安定的な利用の確保に向けて,国際社会と緊密に協力していくという強固かつ共有された意思を示すものである。両国政府からの横断的な専門家の参加を得て,民生,商業,国家安全保障上の宇宙に関する関心と協力に対する政府一体となったアプローチである。
- 宇宙交通管理について,スペース・デブリの増加を始めとする宇宙空間の混雑化や,宇宙活動の増加と多様化が進む中で,宇宙空間の安全かつ責任ある利用を確保するための取組の重要性を認識し,宇宙状況把握(SSA),スペース・デブリ対策及び宇宙活動に関する国際規範及びベストプラクティス等についての協力強化を確認し,宇宙資源開発に関する協力の機会について議論を行った。
- 宇宙システムの抗たん性を含む宇宙空間における機能保証の強化が非常に重要であるとの認識を共有し,宇宙状況把握(SSA)に関する情報や知見の共有についての相互の関心を再確認した。宇宙システムが海洋活動に重要であることを認識し,海洋状況把握(MDA)のための宇宙の利用に関する知見の基盤を構築するために,政府全体の協力の機会を引き続き探求していくことを再確認した。ホステッド・ペイロード,衛星通信及び人材育成に係る日米協力の可能性について引き続き模索していくことを確認した。
- 本年3月に東京で開催された「第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)」における建設的な議論及び同フォーラムの前向きな成果の重要性を再認識し,米国側から月周回軌道に投入されるゲートウェイ(Gateway)や月面ミッションに関する今後の協力について意見交換を行い,日米の具体的な宇宙探査ミッションの調整を加速していくことへの意思について一致。また,2025年以降の国際宇宙ステーション(ISS)の運用・利用,周回低軌道における民間企業の活動を促進することの重要性及び将来の宇宙探査協力の戦略的・外交的重要性について議論した。
- 2018年2月に宇宙産業に関わる日本の官民ミッションが訪米し,今後の更なる積極的な協力に向けて米国企業・政府関係者と交流を深化させた。米国の全世界的測位システム(GPS)や日本の準天頂衛星システム(QZSS)などの衛星測位システム及び地球観測を含む宇宙利用や宇宙天気を含む宇宙科学に関する更なる協力について議論した。
- 宇宙空間における法の支配及び自主的なベストプラクティス・ガイドラインの重要性を再確認し,国連宇宙空間平和利用委員会(UNCOPUOS)やG7など両国が参加する多国間協力のフォーラムにおける現行の諸活動について最新の情報を交換したほか,宇宙活動の安定性を強化するための透明性・信頼醸成措置(TCBMs)を引き続き協調して追求することの重要性を再確認し,国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成における宇宙利用の役割を認識し,宇宙分野での信頼醸成や能力構築のためのアジア太平洋地域における協力についても議論した。有害な干渉を防ぎつつ,無線周波数スペクトルの適切な利用について議論するために,国際電気通信連合(ITU)において実施されている会合にて協力することの重要性を認識した。
- 第6回会合を2019年に米国において開催することで一致した。