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上川外務大臣の「WPS+イノベーション~国連の現場から~」シンポジウム出席
令和6年3月18日
現地時間3月18日午後4時35分(日本時間19日午前5時35分)から約65分間、安全保障理事会閣僚級会合出席のため米国・ニューヨークを訪問中の上川陽子外務大臣は、「WPS+イノベーション」の第4弾として、“国連の現場から”と題したシンポジウムに出席したところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭、上川大臣がスピーチを行い、概要以下のとおり述べました。
- 日本は、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に基づき、「人間の尊厳が守られる安心・安全な世界を実現するためにWPSを力強く推進しており、国連との連携はそのために不可欠なもの。
- これまで「WPS+イノベーション」と題して様々なステークホルダーとの対話を重ねており、今回はその第4弾。国連安保理決議第1325号の採択から約25年が経過する中、WPSにイノベーションをもたらし、次の次元へと引き上げる必要があると考えてる。
- 日本の被災地では女性が直接参加している復旧・復興チームほど高い成果を上げているとされるが、同じことは国際情勢にも当てはまる。日本は、WPSの視点を踏まえてウクライナの復旧・復興を支援していく。また、中東・アフリカの平和構築推進に向けて、中・長期的フェーズを視野に入れつつ、日本の災害復興の知見や先進的な技術を活用した支援を実施していく。
- 本日のパネルディスカッションでは、WPSの推進においてどのような課題があり、新たに推進すべき分野は何なのか、国連や世界各地でWPS推進の第一線で任務に当たられている立場から率直な意見を伺いたい。
- 続いて、志野光子国連日本政府代表部次席常駐代表(大使)がモデレーターを務め、シマ・バフース国連女性機関(UN Women)事務局長、メリーテ・ブラッテステッド国連ノルウェー政府常駐代表(大使)、中満泉国連事務次長(軍縮担当上級代表)及びメレーン・バービア・ジョージタウン大学WPS研究所長が参加するパネルディスカッションが行われました。各パネリストからは、それぞれの立場から近年のWPSに関する安全保障理事会等における進展と共に、紛争下における女性の保護と多様な分野への更なる参画の必要性等の問題意識が提起され、非常に活発な議論が行われました。
- 最後に、上川大臣から、本シンポジウムでは貴重な意見や示唆を得ることができ大変有意義であった、本日の議論をWPS実施の具体的な行動に移すべく努力していくと述べ、本シンポジウムを締めくくりました。シンポジウムには、各国国連代表部の常駐代表等計約90人が聴衆として参加しました。
(参考1)女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security: WPS)
2000年、国連安全保障理事会(国連安保理)において、同理事会史上初めて、国際的な平和と紛争予防、紛争解決には女性の平等な参画や紛争下の性暴力からの保護、ジェンダー平等が必要であると明記した「女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security: WPS)に関する安保理決議第1325号」が全会一致で採択された。同決議及び関連決議を実施するため、日本はこれまで3次にわたり行動計画を策定・実施している。