人権外交

ビジネスと人権に関するベースラインスタディ意見交換会(第5回会合)の開催(結果)

日時:平成30年5月24日(木曜日)
15時~17時
場所:外務省会議室893号室

平成30年7月2日

  1. 我が国は,ビジネスと人権に関する国別行動計画策定の第一段階として,企業活動における人権保護に関する我が国の法制度や取組についての現状を確認するため,ベースラインスタディを実施してきており,5月24日,ビジネスと人権に関するベースラインスタディ意見交換会(第5回会合)が開催されました。
  2. 会合には,関係府省庁,経済界,労働界,市民社会,有識者,各種団体の関係者が出席し,政府側から,「国際約束における人権の扱い」について説明しました。
  3. 議事概要は以下のとおりです。
    • (1)外務省から,ア 我が国が締結している国際人権条約/選択議定書,イ ILO基本条約,ウ 投資協定及び経済連携協定における社会課題に関する条文等について報告,及び多国籍企業及びその他の企業に関する国際的・法的文書の検討の動向や移住労働者権利条約について紹介がありました。
    • (2)続いて,濵本正太郎京都大学大学院法学研究科教授より,「投資関連条約における『ビジネスと人権』関連規定」について報告がありました。
    • (3)ステークホルダー代表からは,それぞれ企業,労働者や当事者等が直面すると懸念されるリスクの観点から,国際約束(特に,投資協定・経済連携協定)における人権に関する意見等について報告がありました。
    • (4)主な意見等は以下のとおりです。
      投資協定・経済連携協定における公益目的関連規定
      公益目的と投資家保護とのバランスの観点から,最近の傾向として,投資協定・経済連携協定において,健康,安全,環境や労働基準等の社会課題に関する規定が明記されているが,必ずしも投資保護の基準を下げることを意味するものではない。また,TPP協定は,環境や労働等に関して,独立の章を置く等,先進的な取組が見られ,一定の評価がなされているが,他方で,他国の例を参考に人権・公益的政策との整合性を,国際約束の中にさらに具体的に規定すべきとの意見もあった。また,投資協定の締約国の投資家にのみ,一定の義務が課されることになれば,投資協定を締約していない他国の投資家との間で不公平が生じるとの意見があった。
      投資協定・経済連携協定のスコープ
      投資協定・経済連携協定は当事国間の良好な経済関係の発展を目的とする一方,同協定のスコープについて,例えば,他国において,CSRや人権等への配慮に言及する協定もあるが,企業が自主的に行う取組であるCSRに関する条項の盛り込みの是非等,多様な意見が存在する。
      国際的なフォーラムにおける立場の相違
      国際的なフォーラムの場において,国際約束等の議論に関し,立場の違いが見られる。一例としては,多国籍企業及びその他の企業に関する国際的・法的文書の検討や移住労働者権利条約があげられ,各国間の意見の相違の結果に伴う国際約束等の実効性について懸念されている。それに対し,本件につき,南北対立の問題だけでは捉えられない面があるとの意見もあった。

【参考】出席者:

(ステークホルダー:以下の組織に属する関係者)
(一社)グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
(一社)日本経済団体連合会
日本弁護士連合会
日本労働組合総連合会
ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム
(有識者)
京都大学大学院法学研究科 濵本正太郎教授
(関係府省庁)
警察庁,金融庁,消費者庁,総務省,法務省,外務省,財務省,厚生労働省,農林水産省,経済産業省
(オブザーバー)
国際労働機関(ILO)駐日事務所
国際連合工業開発機関(UNIDO)東京事務所
(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

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