岸田外務大臣
岸田外務大臣とティマーマンス・オランダ外相とのワーキングディナー
平成26年4月12日


岸田文雄外務大臣は,本12日午後6時45分から約1時間30分間,広島市内において,第8回軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)外相会合に出席するために訪日中のフランス・ティーマーマンス・オランダ外務大臣(H.E. Mr. Frans TIMMERMANS, Minister of Foreign Affairs of the Kingdom of the Netherlands)とワーキングディナーを実施しました。概要は以下のとおりです。
1 会談冒頭
- (1)岸田大臣から,まず,NPDI広島外相会合へのティマーマンス外相の出席及びユース非核交流プログラムに対する協力に謝意を述べた上で,3月のハーグ核セキュリティ・サミットの成功に祝意を述べました。続いて,軍縮・不拡散分野での日蘭協力は今後とも重要であり,「核兵器のない世界」を目指す思いを国境と世代を超えて広げていきたい旨述べました。
- (2)これに対しティマーマンス大臣より,被爆者体験の聴講,平和記念資料館の訪問等,昨日及び本日広島で経験したことに圧倒されたこと,核のない世界にするという責務を強く実感するとともに,岸田大臣が核軍縮・不拡散の分野にこれほど熱意とエネルギーを注がれていることを深く理解することができたこと,NPDI外相会談を成功に導いた大臣の指導力は素晴らしく,今回の広島会合は大成功であったと思う旨述べました。また,400年以上に亘る特別な日蘭関係を誇りに思い,戦略的パートナーとして両国の関係を強化していきたいと述べました。
2 安全保障協力
- (1)岸田大臣から,厳しい東アジア情勢や国境を越えた新たな脅威を念頭に,国際協調主義に基づく我が国の積極的平和主義に対する理解と支持を求めるとともに,平和構築,国際協力分野で世界をリードするオランダと,ソマリア沖における海賊対処等でも引き続き協力したいと述べました。
- (2)これに対し,ティマーマンス大臣は,日本が国際社会の中で果たす役割を評価するとともに,国際的責務を果たす上でオランダも日本のパートナーとして協力していきたいとし,積極的平和主義を歓迎すると述べました。
3 経済関係
- (1) 岸田大臣から,3月に安倍総理がウェストラント市の先進的な農業の取組を視察したことに言及し,欧州の主要な経済パートナーであるオランダと,今後,農業をはじめとした経済の幅広い分野でさらに協力していきたい旨述べ,ティマーマンス大臣もこれに同意しました。
- (2)また,両外相は,包括的かつ高いレベルの日EU・EPAの早期締結を目指すことで一致しました。
4 地域情勢
- (1)ティマーマンス外相から,北朝鮮の拉致問題に関し,心が痛む問題であるとして日本の立場を理解するとともに,核開発の問題についても国際社会として取り組む必要性について述べました。これに対し,岸田大臣より,オランダの理解に謝意を示すとともに,北朝鮮の人権問題や,弾道ミサイルや核の脅威等についての考え方を改めて説明しました。
- (2)その他,両外相は東アジア情勢についても意見交換を行いました。