英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
日英外相会談

2月16日午後9時50分(日本時間17日午前5時50分)より約40分間,G20外相会合出席のためドイツ・ボンを訪問中の岸田文雄外務大臣は,ボリス・ジョンソン英外務・英連邦大臣(The Rt Hon Boris Johnson MP, Secretary of State for Foreign and Commonwealth Affairs)と外相会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭
岸田大臣から,世界で保護主義や内向きの傾向が強まる中,基本的価値を共有する英国との連携を強化したい旨述べました。これに対しジョンソン外相から,完全に同意する,日本との関係は英国にとり大変重要であり,一層強化していきたい旨述べました。
2 英国のEU離脱
3 安全保障・防衛協力
(1)両大臣は,東シナ海及び南シナ海の情勢について意見交換を行い,法の支配に基づく国際秩序の維持のため,引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
(2)東シナ海及び南シナ海情勢に加え、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し,国際社会への挑戦が継続することを踏まえ,両外相は,こうしたアジアの課題に関し強いメッセージをG7として発信していくことの重要性で一致しました。
(3)岸田大臣から,このように厳しさを増すアジア太平洋の安全保障環境を前に,英国の同地域への関与はますます重要である旨述べました。この観点から,両大臣は先月,日英ACSAが署名に至ったことを歓迎しました。また,今後とも,共同訓練の実施等を通じ,安保・防衛協力を一層強化していくことで一致しました。
(4)両大臣は,途上国の能力構築支援における連携に関し,インドネシアの法執行機関等に対し日英が連携して暴力的過激主義対策に関する研修を実施することで一致しました。
(5)両大臣は,ロシア・ウクライナ情勢についても意見交換を行い,G7の結束を重視しながら,緊密に連携していくことを確認しました。
【参考】インドネシアにおける暴力的過激主義対策研修に係る日英連携
(1)英国は,インドネシアの「ジャカルタ法執行協力センター(JCLEC:Jakarta Centre for Law Enforcement Cooperation)」(注:各国の協力の下,インドネシア法執行機関等に対してテロ・暴力的過激主義対策に係る研修・講習を実施している施設)において,インドネシアの法執行機関を主な対象として,暴力的過激主義対策能力の強化等を図る研修を本年2月末から実施する。これに際し,日本は本年3月6日に在インドネシア日本大使館公使を講師として同研修に派遣して講義を実施し,同研修の一部を担当する形で英国と連携する。
(2)こうした日英の支援により,インドネシアの暴力的過激主義対策能力が強化され,治安維持及び社会的安定が促進されることが期待される。
(3)こうした途上国の能力構築支援での連携は,昨年1月に東京で行われた日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)での合意を受けて実施するもの。