英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)

平成28年9月20日
日英外相会談の写真1
日英外相会談の写真2

 本9月20日(火曜日)19時00分(日本時間9月21日(水曜日)8時00分)から約30分間,国連総会に際し米国・ニューヨークを訪問中の岸田文雄外務大臣は,ボリス・ジョンソン英外務・英連邦大臣(The Rt Hon Boris Johnson MP, Secretary of State for Foreign and Commonwealth Affairs)と外相会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 冒頭

 岸田大臣から,基本的価値を共有する戦略的パートナーであり,アジアと欧州で互いに最も緊密な安全保障上のパートナーである日英両国の関係を,共に一層強化していきたい,G7でも緊密に連携したい旨述べました。ジョンソン外相からは,日本との関係は重要であり、それをさらに強化したい旨述べました。

2 英国のEU離脱,日EU・EPA

 岸田大臣から,英国のEU離脱の動向を注視しており,日系企業の英国での事業継続のためにも,予測可能性を高める等,伝達済みの日系企業の要望に配慮を求めました。これに対し,ジョンソン外相から,日本の出した英国のEU離脱に関するメッセージを高く評価した上で、予測可能性を高めるべきとの岸田大臣の考え方に完全に同意する旨の発言がありました。
 両大臣は,自由貿易体制の維持・強化のため,日EU・EPAの年内大筋合意に向けて,引き続き緊密に協力していくことで一致しました。

3 安全保障・防衛協力

 岸田大臣から,英国のEU離脱後も,国際社会の課題に日英で連携して対応すべく,日英間の安全保障・防衛協力を一層進めたい旨述べたのに対し,ジョンソン外相から,岸田大臣の発言に全く同意する旨述べました。
 両大臣は,本年1月に東京で行われた日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)で合意した,途上国の能力構築支援における連携に関し,チュニジアの空港での国境管理能力向上を日英で連携して支援していくことで一致しました。
 また,両大臣は,第3回「2+2」を明年の早い時期にロンドンで開催するべく調整を進めていくことで一致しました。

4 地域情勢

 両外相は,北朝鮮の核実験・弾道ミサイル発射について,従来とは異なるレベルの脅威であり,異なる対応が必要であるとの点で一致し,更なる制裁措置を含む新たな安保理決議の採択に向けて連携していくことを確認しました。また,岸田大臣から,拉致問題の早期解決に向けた英国の協力を要請しました。
 両外相は,南シナ海問題については,国際法に基づいた平和的な解決の重要性につき一致しました。
 また,両外相は,G7伊勢志摩サミットで採択された「テロ及び暴力的過激主義対策に関するG7行動計画」や関連する安保理決議を着実に実施していくことで一致しました。

5 国連

 岸田大臣から,G4への英国の一貫した支持に感謝を述べ,両外相は,緊密に連携して早期の安保理改革を実現していくことで一致しました。


【参考】チュニジアの空港における国境管理能力向上支援における日英連携

(1)本件は,チュニジアのテロ対策能力向上のため,我が国がチュニス・カルタゴ国際空港に監視用カメラシステムを供与し,そこに英国側として,我が国が供与した同機材の取扱い方を含む空港監視に関する能力強化研修を実施するという,両国のリソースを相互補完的に組み合わせる形の連携。
(2)我が国は,平成26年度対チュニジア・テロ対策無償資金協力「治安対策機能強化機材整備計画」を実施。同計画の下で,チュニス・カルタゴ国際空港における監視用カメラシステムの導入等を支援する。想定される事業規模は,6億8,700万円。具体的には,屋外用固定監視カメラ(131台),屋外用PTZカメラ(30台),モニター(8台)等を供与。同カメラシステムの設置が完了するのは,本年10月末の予定。
(3)これに対し,英国側は,我が国が供与する監視カメラ機材を活用しながら,同空港警備を担当する要員に対し,(1)不審な動きをする対象の察知の仕方を含む監視カメラシステムのモニターの読み方,(2)監視機材の限界とそれを埋めるための人的要因の必要性,(3)セキュリティ検査の際の注意点等に関し,英国から派遣される専門のインストラクターによる研修を実施する予定。
(4)こうした日英の支援により,チュニス・カルタゴ国際空港周辺の監視体制・安全管理体制が強化されることにより,同空港における旅客等及び航空機運航の安全性が高まり,また,チュニジアのテロ対策や社会的安定が促進されることが期待される。


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