フランス共和国
安倍総理とヴァルス仏首相との会談
30日,午後6時10分から約30分間,パリを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,マニュエル・ヴァルス・フランス共和国首相(H.E. Mr. Manuel Valls, Prime Minister, French Republic) と会談を行いました。概要は以下のとおりです。
なお,安倍総理大臣とヴァルス首相は,10月のヴァルス首相の訪日時に京都で夕食会,東京で会談と夕食会を実施して以来の会談となります。
1 冒頭
安倍総理大臣から,先般のパリでの連続多発テロの悲劇にもかかわらず,オランド大統領及びヴァルス首相のリーダーシップで会議が開催され,150か国を超える首脳が集まったことは大きな成功である旨述べつつ,テロの犠牲者に対する心からの哀悼の誠を伝えました。
また,安倍総理大臣から,国際社会は一致団結してテロ対策に取り組む必要がある旨述べ,日本の取組を説明しました。これに対し,ヴァルス首相は,弔意に対する謝意を表した上で,日本の役割は益々大きくなっている旨述べました。
2 気候変動
安倍総理大臣から,日本は全ての国が参加する公平で実効的な枠組の構築を最重要視しており,パリ合意では排出削減に向けた野心向上の仕組みが必要不可欠だと述べた上で,日本の新たな貢献策を紹介しました。これに対し,ヴァルス首相からは,今回の交渉において日本の役割は極めて大きい旨の発言がありました。
3 二国間関係
安倍総理大臣から,10月のヴァルス首相の訪日を始め,両国間でハイレベルの交流が行われ,二国間関係が進展している旨述べた上で,11月27日に日仏クラブ関係者,シュヴァイツァー仏外務大臣特別代表等と面会したことを紹介しました。また,安倍総理大臣から,10月のヴァルス首相訪日時に「日仏イノベーション年」が立ち上げられた(PDF)ことを評価し,今後両国において具体的事業を充実させ盛り上げていきたい,原子力分野においても,第三国での連携を含め,引き続き緊密な協力を維持していきたい旨述べました。
これに対し,ヴァルス首相は,日仏間の首脳レベルの合意事項を実行に移していくことが重要,日仏間にはまだまだ協力の余地が大きい,日仏間の原子力協力は極めて重要である旨発言がありました。
4 日EU関係
安倍総理大臣から,日EU・EPAは両国の貿易・投資拡大のために重要であり,来年のできる限り早期の実現を目指すことをEU側と確認した,早期妥結に向け協力したい旨述べました。これに対し,ヴァルス首相から,国際場裡における日EU関係についてフランスは支持している,日EU関係は重要であり,お互いの繁栄のためにも必要である旨述べました。
また,安倍総理大臣から,EUによる福島県産食品等の輸入規制緩和を評価し,更なる緩和を期待する旨述べました。