ロシア連邦

令和元年12月19日
日露外相会談
日露外相会談
共同記者発表

 12月19日,ロシア・モスクワにおいて,茂木大臣とラヴロフ外相は3度目の日露外相会談を実施したところ,概要は以下のとおりです(会談及びワーキングランチ:計約5時間)。

1 二国間関係(平和条約締結問題を含む)

(1)平和条約交渉

 茂木大臣とラヴロフ外相の間で時間をかけて議論を行い,本格的な協議に入ることができました。両首脳の指示の下,これまでのやり取りを踏まえつつ,交渉を前進させるための今後の議論の進め方について,茂木大臣から自らの考えを伝えました。両外相は,基本的な立場の違いを埋めていく方途について,お互いが知恵を出しながら突っ込んだやり取りを行いました。

(2)北方四島における共同経済活動

 本年実施したパイロット・プロジェクトの結果を踏まえつつ,明年の本格事業化に向け,今月上旬に「観光」,「ゴミ処理」,「漁業」につき専門家会合を開催したことを評価し,今後の協議の進め方を確認しました。また,包括的局長級作業部会を明年1月に開催することで一致しました。

(3)元島民の方々のための人道的措置

 茂木大臣から,本年,3年連続で航空機墓参が実現したことや,何年も訪問できなかった墓地にも訪問できたことに触れ,露側の協力を評価しました。また,来年度の訪問に係る要望を伝え,ラヴロフ外相から,露側も人道的措置の重要性は理解している旨述べた上で,引き続き協力していきたいとの前向きな姿勢が示されました。

(4)日本漁船の「連行」・「拿捕」

 北方四島周辺水域操業枠組協定により操業していた日本漁船の「連行」・「拿捕」について,茂木大臣から,抗議の上,人道的観点からも乗組員及び船体が速やかに帰港できるよう求めました。

(5)防衛交流

 両外相は,防衛交流が活発に行われていることを評価し,艦艇・航空機の安全確保に関しこれまで事務レベルで協議を行ってきた海上事故防止協定改正議定書が実質合意に至ったことを踏まえ,引き続き署名に向けて作業を進めていくことを確認しました。

(6)国際場裡における協力

 麻薬対策分野を始め二国間でこれまで様々な協力が実現していることを確認しつつ,日露関係の潜在力を開花すべく,中央アジア等でもテロ対策など新たな協力を模索し,協議を重ねていくことで一致しました。

(7)今後の政治日程

 両外相は,諸般の事情が許せば,次回の外相会談をミュンヘン安保会議の機会に実施する方向で調整していくことで一致しました。

2 経済・人的交流

 茂木大臣から,18日のオレシュキン経済発展大臣との間で行われた貿易経済政府間委員会の概要を紹介し,ラヴロフ外相とも互恵的な経済関係の強化と更なる人的交流に向け協力していくことを確認しました。茂木大臣からは,極東での協力など8項目の「協力プラン」に係る取組等を通じ,貿易経済関係全体を底上げすべく1つ1つ具体的成果を上げていくよう双方で努力していくこととしました。また,来年始まる日露地域交流年の機会も活用しつつ,交流のモメンタムを更に高めていきたい旨述べ,露側からも賛同を得ました。

3 国際情勢

 北朝鮮情勢や中東情勢等の喫緊の国際情勢については,様々な動きがある中で,最新の状況を踏まえ率直な議論を行いました。


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