欧州安全保障協力機構（OSCE）
武井外務副大臣のポーランド訪問（OSCE外相理事会等出席）（結果）
令和4年12月2日
OSCE外相理事会での武井副大臣のステートメント
OSCE外相理事会での武井副大臣のステートメント
武井外務副大臣は、12月1日から2日までポーランド共和国を訪問し、ポーランド政府関係者との協議を行うと共に、第29回欧州安全保障協力機構（OSCE、Organization for Security and Co-operation in Europe）外相理事会等に出席したところ、結果概要は以下のとおりです。
1 ポーランド政府関係者（シエヴィエラ・ポーランド国家安全保障局長官）との協議
武井副大臣とシエヴィエラ・ポーランド国家安全保障局長との会談
武井副大臣は、12月1日、シエヴィエラ・ポーランド国家安全保障局長官（Jacek Siewiera, Secretary of State, Head of the National Security Bureau）と会談を行い、武井副大臣からは、ウクライナ情勢に対するポーランドの取組及びOSCE議長国としての取組を評価する旨発言し、シエヴィエラ長官からは、ロシアのウクライナ情勢に対するポーランドの取組について説明があるとともに、日本の取組に感謝する旨言及がありました。また、両者はインド太平洋地域の情勢について意見交換を行うとともに、日ポーランド関係が重要である旨確認し、引き続き対話を行っていくことで一致しました。
2 OSCE外相理事会
（1）会合概要
第29回OSCE外相理事会には、加盟57か国及び「協力のためのパートナー」11か国の代表が参加し、12月1日及び2日の2日間開催されました（日本は「協力のためのアジア・パートナー国」であり、2022年は日OSCEパートナーシップ30周年。）。
（2）武井副大臣のスピーチ
武井副大臣は、同理事会の2日目（12月2日）に、スピーチを行い、概要以下のとおり述べました。
- ア ロシアによる侵略は、欧州に留まらず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙。中露は軍事的連携を深化・強化。欧州とインド太平洋の安全保障は切り離せず、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」との危機感。
- イ 今年は日OSCEパートナーシップ30周年。国際社会が直面する幅広い安全保障上の課題に対処し、ルールに基づく国際秩序を実現するため、OSCEとの協力を継続。
- スピーチ全文（日本語）（PDF）
- 日OSCE30周年記念リーフレット（英語）（PDF）
3 OSCEトロイカとアジア・パートナー国との会合
OSCEトロイカとアジア・パートナー国との会合での武井副大臣のステートメント
OSCEトロイカとアジア・パートナー国との会合でのファミリー・フォト
- （1）会合概要
12月2日午前には、OSCE外相理事会のマージンで、OSCEトロイカ（注：前議長国スウェーデン、現議長国ポーランド、次期議長国北マケドニアの三者）とアジア・パートナー（日本、韓国、タイ、オーストラリア、アフガニスタン）の間で、意見交換を行いました。 - （2）武井副大臣からは、欧州とインド太平洋の地域情勢に触れつつ、30年にわたる日OSCE協力について述べるとともに、引き続きOSCEとの連携及びOSCEを通じた貢献を継続していく旨述べました。
- （3）OSCEトロイカ側からは、日OSCE30周年に対する祝意及び日本の貢献への謝意の表明、アジア・パートナー国との協力強化の重要性などに言及がありました。
4 OSCE各国代表等との会談
武井副大臣は、この機会に参加各国の外相等と会談を行いました。今回は特にウクライナにおける事態を受け、同国の周辺において避難民受入れ等で貢献している国々や現下の国際情勢下で安定化が重要となる西バルカン地域、更には旧ソ連の国々との会談を多く行いました。それぞれの概要は次のとおりです。
（1）ポーランド
武井副大臣とラウ・ポーランド外相との会談
- 会談相手：ラウ・ポーランド外相（H.E. Prof. Zbigniew Rau, Minister of Foreign Affairs of Poland）（12月2日）
- 概要：武井副大臣からは、ポーランドがOSCE議長国としてOSCE場裏での対話の継続を行ってきたことを評価する旨発言し、ラウ外相からは、ロシアのウクライナ侵略に対するポーランドの取組について説明があるとともに、日本の取組に感謝する旨言及がありました。また、両者はロシアによるウクライナ侵略を受け同志国の結束がますます重要である旨確認しました。
（2）モルドバ
武井副大臣とニク・ポペスク・モルドバ副首相兼外務・欧州統合大臣との会談
- 会談相手：ニク・ポペスク・モルドバ副首相兼外務・欧州統合大臣（H.E. Dr. Nicu POPESCU, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs and European Integration of the Republic of Moldova）（12月1日）
- 概要：武井副大臣からは、ウクライナからの避難民受入れやエネルギー問題といった課題に直面するモルドバに対して、日本としても支援を継続していく旨発言し、ポペスク副首相兼外務・欧州統合大臣からはモルドバ周辺の地域情勢について説明があるとともに、日本からの支援に感謝する旨言及がありました。また、両者はインド太平洋地域の情勢について意見交換を行うとともに、ロシアによるウクライナ侵略を受け同志国の結束がますます重要である旨確認しました。
（3）ボスニア・ヘルツェゴビナ
武井副大臣とブルキッチ・ボスニア・ヘルツェゴビナ副外相との会談
- 会談相手：ブルキッチ・ボスニア・ヘルツェゴビナ副外相（Mr. Josip Brkić, Deputy Minister of Foreign Affairs of Bosnia and Herzegovina）（12月1日）
- 概要：武井副大臣からは、10月のボスニア・ヘルツェゴビナ国政選挙に触れつつ政府間対話を強化していきたい旨発言し、ブルキッチ外務副大臣からは、ボスニア・ヘルツェゴビナ周辺の地域情勢について説明があるとともに、基本的価値観を共有する日本との対話を強化していきたい旨言及がありました。また、両者は欧州及びインド太平洋地域の情勢に関しても意見交換を行いました。
（4）モンテネグロ
武井副大臣とジョルジェ・ラドゥロヴィッチ・モンテネグロ首相補佐官（外交担当）との会談
- 会談相手：ジョルジェ・ラドゥロヴィッチ・モンテネグロ首相補佐官（外交担当）（Mr. Dorde Radulovic, Foreign Policy Counsellor to the Prime Minister and Special Envoy of the Prime Minister of Montenegro）（12月1日）
- 概要：武井副大臣からは、西バルカン協力イニシアティブに基づくモンテネグロへの日本からの支援について発言し、ラドゥロヴィッチ首相補佐官からは、共通の価値観を共有する日本からの支援に対し謝意が表明されました。また、両者は欧州及びインド太平洋地域の情勢に関しても意見交換を行いました。
（5）北マケドニア
武井副大臣とブヤル・オスマニ北マケドニア共和国外相との会談
- 会談相手：ブヤル・オスマニ北マケドニア共和国外相（H.E. Dr. Bujar OSMANI, Minister of Foreign Affairs of the Republic of North Macedonia）（12月2日）
- 概要：武井副大臣からは、本年5月のオスマニ外相の訪日に言及しつつ、次期OSCE議長国を務める北マケドニアと二国間及び国際場裏での協力を一層強化していきたい旨述べ、オスマニ外相からは日本の対西バルカン協力への謝意及び今後の関係強化に向けた期待が表明されました。また、両者は今般のウクライナ侵略を背景とする欧州及びインド太平洋地域の情勢について意見交換を行いました。
（6）アゼルバイジャン
武井副大臣とバイラモフ・アゼルバイジャン外相との会談
- 会談相手：バイラモフ・アゼルバイジャン外相（H.E. Mr. Jeyhum Bayramov, Minister of Foreign Affairs of Azerbaijan）（12月2日）
- 概要：武井副大臣からは、日アゼルバイジャン外交関係樹立30周年に対して祝意を表明しつつ両国の協力を進めていきたい旨述べ、バイラモフ外相からはエネルギーや物流に関するアゼルバイジャンの取組を説明しつつ、日本とも協力していきたい旨述べました。また、両者は、コーカサスを含む欧州及びインド太平洋地域の情勢についても意見交換しました。
（7）ポルトガル
武井副大臣とゴメス・クラビィーニョ・ポルトガル外相との会談
- 会談相手：ゴメス・クラヴィーニョ・ポルトガル外相（H.E. Mr. João Gomes Craviho, Minister for Foreign Affairs of the Portuguese Republic）（12月2日）
- 概要：武井副大臣からは、来年の日ポルトガル交流480周年に向けて両国の関係を深めていきたい旨発言し、ゴメス・クラヴィーニョ外相からは、日ポルトガル交流480周年及び2025年の大阪・関西万博の機会を通じて、二国間関係を一層強化していきたい旨言及がありました。また、両者、ロシアによるウクライナ侵略を含む地域情勢についても意見交換を行い、国際場裏における日ポルトガル間の連携の重要性を確認しました。
（8）リヒテンシュタイン
武井副大臣とハスラー・リヒテンシュタイン外務・教育・スポーツ大臣との会談
- 会談相手：ハスラー・リヒテンシュタイン外務・教育・スポーツ大臣（H.E. Dominique Hasler, Minister for Foreign Affairs, Education and Sport of the Principality of Liechtenstein）（12月2日）
- 概要：武井副大臣からは、基本的価値を共有するパートナーとして、2国間のみならず国連を含めたマルチの場での協力の重要性について述べ、ハスラー外相から同意が得られました。また、両者は、欧州及びインド太平洋地域の情勢についても意見交換しました。
（9）OSCE
武井副大臣とヘルガ・マリア・シュミットOSCE事務総長との会談
- 会談相手：ヘルガ・マリア・シュミット（Helga Maria Schmid, Secretary General of the OSCE）OSCE事務総長（12月1日）
- 概要：武井副大臣からは、30年にわたる最も歴史の長いアジア・パートナーとして、引き続き連携を継続していきたい旨述べ、シュミット事務総長から日本の貢献に対する謝意が表明されました。また、両者は、欧州及びインド太平洋地域の情勢についても意見交換しました。