安倍総理大臣

日EU首脳会談(概要)

平成26年6月4日

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 6月4日(水曜日)午前10時(現地時間)から約35分間,安倍晋三内閣総理大臣は,G7サミットに出席するため訪問中のベルギー・ブリュッセルにおいて,ファン=ロンパイ欧州理事会議長及びバローゾ欧州委員会委員長と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1.冒頭

 ファン=ロンパイ議長から,「目に青葉,山ほととぎす,初がつお」との江戸時代の俳人,山口素堂の俳句を引用しながら,良い季節にブリュッセルにお越しいただいた,今回はG7での議論,二国間会談を行う良い機会である,日EU間では先般の日EU定期首脳協議のフォローアップが着実になされており,日EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)やEPA交渉も進展しているとの歓迎の挨拶がありました。また,バローゾ委員長から,歓迎の言葉を述べた上で,日EUでは幅広い分野において協力が深化している旨述べました。これに対し,安倍総理から,先般のブリュッセル訪問時にファン=ロンパイ議長夫妻にヴァル・ドゥシェス城での夕食会に招待いただき楽しい時間を過ごすことができたことに感謝を述べ,G7サミット前にウクライナ情勢等について率直な意見交換を行いたい旨述べました。

2.日EU関係

(1)安倍総理から,例えば,ソマリア沖での海賊対処活動のための日EU間の共同訓練を本年中に実施することで調整が進んでいるなど,先般の日EU定期首脳協議において両首脳間で一致した点について具体的なフォローアップがなされていることを歓迎しました。また,戦略的パートナーシップ協定(SPA)交渉を更に進展させたい旨発言しました。さらに,日EU・EPAについて先般の定期首脳協議で早期締結の重要性につき一致できたことは有意義だったと評価しつつ,包括的かつ高いレベルのEPAの早期締結に向けて交渉を更に加速させたい旨発言しました。

(2)これに対して,ファン=ロンパイ議長から,アフリカにおける海賊対処活動において日本が更なる協力を進めようとしていることを特に評価するとの反応がありました。また,バローゾ委員長からは,EPAについては,「見直し」に関し,欧州委員会の報告書を踏まえ,加盟国間で議論がなされている,結果は予断できないが,前向きに進めることが重要であり,交渉をさらに加速していきたいとの発言がありました。

3.ウクライナ情勢

(1)ウクライナ情勢について,両首脳は,ウクライナ大統領選挙が概ね平穏に行われたことを歓迎することで一致しました。

(2)また,両首脳は,ウクライナ国内の政治・経済の安定が確保されることが重要であり,そのためのウクライナ政府の努力を国際社会が後押しすべきという点で一致しました。この点に関して,安倍総理から,日本は15億ドルの支援を表明済みであり,さらに,近く経済ミッションを派遣し,日本との経済関係の強化等新政権を支えるための協力につき検討していきたい,また,避難民対策も視野に支援を検討したい旨述べました。これに対し,ファン=ロンパイ議長から,IMFの枠組みを通じた15億ドルの支援に加え,日本は,ウクライナと隣国関係にないにも関わらず制裁措置をとり,EUとの一体性を示してくれていることに感謝したいと述べました。

(3)ロシアとの関係では,力による現状変更は許されず,クリミア併合や東部ウクライナの不安定化といったロシアの行為は許容できないこと,ロシアに引き続き責任ある国家として国際社会の諸課題に関与させていくことが必要であることにおいても両首脳は一致しました。

(4)また,安倍総理から,ウクライナ情勢は,日本にとって対岸の火事ではなく,アジアを含むグローバルな情勢に影響を有するものであり,日本としてもウクライナの支援のみならず枠組みの議論に積極的に関与し,貢献していきたい旨述べました。これに対し,ファン=ロンパイ議長から,ポロシェンコ大統領の選出は正統な大統領の誕生であり,肯定的な動きと受け止めている,しかし,東ウクライナでは,ロシアによる介入が継続されており,不安定な状況が続いており,我々はロシアに対して東ウクライナを不安定化させるような介入を停止するよう求めているとの発言がありました。

(5)ファン=ロンパイ議長から,1週間前の非公式欧州理事会(EU首脳会談)で決定されたとおり,事態の更なる悪化に備えて更なる措置の準備をしておく必要があるとの発言がありました。これに対し,安倍総理から,日本はEU,G7と足並みをそろえていく,事態が悪化する場合には更なる制裁も検討する必要がある旨述べました。

4.アジア情勢

 アジア情勢について,G7サミットにおける議論の方向性についてやりとりが行われました。南シナ海情勢については,安倍総理から,南シナ海の境界未確定海域における最近の緊張の高まりを憂慮する,先般のアジア安全保障会議において,3つの原則((1)法に基づく主張,(2)「力」による威嚇への反対,(3)紛争の平和的解決)を提唱し,多くの国から賛同を得た,同地域情勢について引き続きEUとも連携していきたい旨述べました。これに対し,ファン=ロンパイ議長から,安倍総理が表明した懸念を共有する,アジアでは暴力的な事態が起きており,緊張の更なる高まりを懸念する,との反応が示されました。


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