「中央アジア+日本」対話

岸田外務大臣の「中央アジア+日本」対話・第6回外相会合出席

平成29年5月1日

英語版 (English)

  • (写真1)「中央アジア+日本」対話・第6回外相会合(集合写真)
  • (写真2))「中央アジア+日本」対話・第6回外相会合(少人数会合)
  • (写真3)))「中央アジア+日本」対話・第6回外相会合(拡大会合)

 5月1日(月),岸田文雄外務大臣は訪問中のトルクメニスタンにおいて「中央アジア+日本」対話・第6回外相会合に出席したところ,概要は以下のとおりです。

1 意義・成果

 中央アジア各国が「開かれ,安定し,自立的な発展」をするためには地域協力が不可欠との考えの下,2004年に「中央アジア+日本」対話を立ち上げて以来,日本と中央アジア各国は地域協力を推進していくために議論を重ねてきました。日本と中央アジア各国との外交関係樹立25周年を迎える記念すべき年に開催された今回の外相会合では,5か国すべての外相の出席を得て,これまで日本が果たしてきた地域協力の「触媒」としての役割に高い評価がなされるとともに,「中央アジア+日本」対話が実践的な協力を推進する場として進化していることが歓迎され,今後もこの枠組みで実践的な協力を進めていくことで一致しました。

 今回の外相会合の結果,中央アジア各国との25年間の歩みを振り返るとともに,テロ・麻薬対策を含む広義の安全保障,貿易・投資,開発,人的・文化的交流など幅広い分野での協力の推進,国際場裏における協力として法の支配を含む国際法に則った紛争の平和的解決の重要性,軍縮・不拡散分野での連携,拉致問題を含む北朝鮮問題,日本の安保理常任理事国入りへの支持を含む安保理改革の重要性など,日本と中央アジア各国との幅広い協力関係を象徴する「共同声明」に署名しました。特に,岸田大臣の働きかけにより,北朝鮮問題に初めて言及し,核実験及び弾道ミサイルの発射は容認できない旨を断固として表明したほか,北朝鮮に対し,核実験や弾道ミサイル発射の自制,全ての関連する国連安保理決議の完全な遵守,朝鮮半島の非核化に向けた具体的な行動を断固として求め,さらに,拉致問題を含む人道問題の解決の重要性を強調したことは特筆されます。また,その添付として,優先的な実践的協力分野として,地域内外の相互の連結性を強めることは地域の発展に資するとの考えの下,運輸・物流分野のこれまでの協力と今後の協力の方向性及び具体的プロジェクトをまとめた「運輸・物流分野地域協力ロードマップ」を採択し,岸田大臣から,日本としてこの分野での具体的な協力を行うべく,「運輸・物流協力イニシアティブ」を打ち出し,同イニシアティブに基づき,240億円規模の支援を行っていくことを表明しました。

2 議論

(1)冒頭セッションでは,議長国トルクメニスタンのメレドフ副首相兼外相から,歓迎の言葉があり,「中央アジア+日本」対話において多層的な対話と様々な分野での協力が着実に進展していることは喜ばしく,本日も喫緊の課題について議論を深めたい旨述べました。
 岸田外務大臣から,トルクメニスタンの議長国としての尽力に対して謝意を表明し,中央アジア5か国すべてから外相の参加を得たことは各国からのこの対話枠組みへの高い期待の表れであり,日本として,具体的な分野における実践的協力をも推進する枠組みに進化している「中央アジア+日本」対話を通じ,今後とも地域協力の深化,地域の安定や発展に貢献していく旨述べるとともに,各国の国づくり支援や地域協力の推進の観点から特に日本として力を入れてきた人材育成分野での協力を今後とも続けていくべく,今後5年間で約2000名に日本での研修機会を提供する旨を表明しました。

(2)広義の地域安全保障に関して,岸田外務大臣からは,テロ・麻薬対策は中央アジア地域における喫緊の課題であり,日本としてこれまでの「中央アジア+日本」対話での議論を踏まえ,国連薬物・犯罪事務所(UNODC)と連携して中央アジアにおける薬物・犯罪に対する国境連絡事務所設置及び越境協力強化計画を実施するとともに,今般,UNODCに対し,中央アジア5か国を対象とした「暴力的過激主義対策のための国内的及び地域的枠組みの強化」プロジェクトの実施に向けて50万ドルを拠出するなど,この分野で日本として積極的な貢献を行っている旨述べました。また,岸田外務大臣から,アフガニスタンの安定は中央アジア地域にとっても重要であり,日本はアフガニスタン支援として中央アジア諸国との連携事業を実施しており,ロシアと協力してアフガニスタン及び中央アジア諸国の麻薬対策官への訓練を実施しており,今後もこのような取り組みを継続していく考えである旨発言しました。中央アジア各国からは,中央アジア諸国にとって,テロ・麻薬対策,アフガニスタン支援は重要な課題であり,日本のこの分野での取組を高く評価する旨の発言がありました。

(3)農業や運輸・物流などの実践的な協力を含む貿易・投資の議題に関しては,岸田外務大臣から,前回外相会合における農業分野における議論を踏まえ,地域共通の深刻な問題であるバッタによる農作物被害への対策として,「バッタ管理対策改善プロジェクト」を実施するなど,外相間での議論を具体的な協力プロジェクトとして実現できたことは喜ばしい旨述べるとともに,運輸・物流分野においては,具体的な協力を行うため,運輸・物流協力イニシアティブを打ち出し,同イニシアティブに基づき,240億円規模の支援を行っていく旨表明しました。同イニシアティブの一環として,各国からの要望に応じて道路行政アドバイザー等の専門家派遣,運輸・物流分野に関する国別研修の立ち上げ等を検討することを表明しました。また,岸田外務大臣から,経済関係の促進のため,本年2月,初めての試みとして「中央アジア+日本」ビジネス対話を東京で開催し,この地域におけるビジネスチャンスについて幅広く広報する機会を設けたことを紹介し,このような取組みや官民インフラ会議などを通してビジネスマッチングにも貢献していきたい旨述べました。これに対し,中央アジア各国からはビジネス対話は有意義なものであり,このような日本のイニシアティブを支持する旨の発言等があり,今後の協力プロジェクトについて様々な提案がありました。

(4)持続可能な開発については,岸田外務大臣は,2015年に採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)には,日本が率先して国際社会に提唱してきた「人間の安全保障」の理念が反映されており,中でも幾多の災害を経験してきた日本は,自らの経験と教訓を共有し,各国の政策に防災を取り入れる「防災の主流化」を推進しており,この関連で,中央アジア地域に対しても,UNDPと連携し,総合的なリスク管理能力及び地域協力強化計画を実施するなど,防災分野における地域協力を具体的に推進していることを紹介しました。これに対して,中央アジア各国からはこの分野における意見交換や経験の共有は有益である旨指摘がありました。

(5)人的・文化的交流について,岸田外務大臣は,今般,ビジネス関係強化,人的交流の更なる促進を目的として日本が中央アジア5か国に対し査証緩和措置を導入することを決定した旨表明しました。また,岸田外務大臣から,昨年9月に日本が「知られざる中央アジア:その魅力と日本との絆」と題して「中央アジア+日本」東京対話を行い,日本国民に広く中央アジア諸国の文化や魅力について知ってもらうためのイベントを開催し,1200人もの参加があったこと,2015年の安倍総理の中央アジア諸国歴訪のフォローアップとして,各国に文化交流ミッションの派遣を行っており,このような取り組みにより,日本と中央アジア各国との相互理解を深めていきたい旨述べました。中央アジア各国からは,文化交流は非常に重要であり,今後とも人的・文化的交流分野での協力を進めていきたいとの発言がありました。

(6)閉会セッションでは,メレドフ・トルクメニスタン副首相兼外相から,本日の会合までの各国の協力に対して謝意表明があり,「中央アジア+日本」対話を通じた実践的な協力の推進について総括しました。次期議長国となったタジキスタンのアスロフ外相からは,次期議長国としての意欲や今後の活動の考え方について紹介がありました。
 岸田外務大臣から,共同声明の署名は喜ばしく,法の支配を含む国際法に則った紛争の解決の重要性や,国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の考え方への支持,日本の常任理事国入りを含む安保理改革への支持が得られ,特に新たな段階の脅威となっている北朝鮮問題については,北朝鮮による核実験及び弾道ミサイル発射を断固として容認できず,受け入れられない旨表明し,地域及び国際社会の平和と安定に対する重大な脅威であり,安保理決議の完全な遵守を断固として求めることで一致したことに加え,拉致問題に対する各国の理解が得られた旨述べました。 最後に,岸田外務大臣から,日本は今後ともこの枠組みにおける協力を積極的に進め,国際社会の安定にとっても重要な中央アジアの安定と繁栄に引き続き貢献していきたい旨述べました。

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