ドイツ連邦共和国
日独首脳テレビ会談
7月16日(木曜日)午後6時30分から約35分間、安倍晋三内閣総理大臣は、アンゲラ・メルケル・ドイツ連邦共和国首相(H.E. Dr. Angela Merkel, Federal Chancellor of the Federal Republic of Germany)と日独首脳テレビ会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1 冒頭
安倍総理から、ドイツが新型コロナウイルスの感染拡大の抑制に成功していることに敬意を表した上で、「新型コロナウイルス感染拡大に伴い、国際秩序は深刻な挑戦に直面しており、普遍的価値を共有する日本と欧州の責任はかつてないほど大きい」と述べました。
これに対しメルケル首相からは、まず日本における豪雨災害に対するお見舞いの言葉があり、「国際社会は新型コロナウイルスによりかつてない挑戦を受けており、日独でも協力したい。日本の新型コロナウイルス感染症対策は大変成功しており、ドイツとしても日本のメソッドを参考にしたい」と述べました。
2 新型コロナウイルス感染症対策
安倍総理から、「ACTアクセラレーター」を通じてワクチンの開発・配布のために貢献していきたい旨を述べたのに対し、メルケル首相からは、ドイツもEU議長国としてワクチン及び治療薬の確保に努めていくとの発言がありました。両首脳は、アフリカ・サヘル地域を含む途上国への支援に関しても連携することを確認し、WHOの検証と改革プロセスを進めることの重要性について一致しました。
両首脳は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える影響についても議論し、それぞれの国における経済対策の取組について相互に説明した上で、安全性・信頼性の高い情報通信インフラを整備する観点から、イノベーションへの投資拡大の重要性について意見交換しました。
3 二国間関係
ドイツのEU議長国就任に関して、安倍総理から、欧州は結束してこそ強さを発揮するとして、EU議長国としてのドイツのリーダーシップへの期待を表明した他、両首脳はG7サミットの成功に向けて協力していくことでも一致しました。両首脳はまた、インド太平洋地域における協力についても意見交換を行ったほか、来年は東京オリンピック・パラリンピックの開催に加え、日独交流160周年という節目の年であるとして、日独関係の再活性化に向けて協力していくことで一致しました。
4 地域情勢
両首脳は、地域情勢についても議論を行いました。北朝鮮について安倍総理大臣から,最重要課題である拉致問題の早期解決へ向けた理解と協力を求め、メルケル首相の支持を得、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。また、米露で行われている軍備管理に関する対話のグローバルな影響に関しても意見交換を行いました。両首脳は「一国二制度」の下の香港の自治を損なうものであるとして、香港における国家安全法の制定について憂慮を表明しました。