食料安全保障
ベス・ベクドル国連食糧農業機関(FAO)事務局次長の訪日(概要)
概要
令和5年11月13日から17日にかけて、外務省の戦略実務者招へいプログラムの一環で訪日したベス・ベクドル国連食糧農業機関(FAO)事務局次長(Beth Bechdol, Deputy Director-General at the Food and Agriculture Organization of the United Nations(FAO))は、第6回日・FAO年次戦略協議に出席するとともに、農業・食料分野での取組の視察、研究機関・大学における食料・農業分野の先端研究等に関する意見交換及び学生を対象としたセミナーを実施しました。
訪問・視察先における意見交換等の概要
1 味の素株式会社(東京都・中央区)


11月13日午後、藤江代表執行役社長から、FAOとの関係がある事業に関する説明を受けた後、FAOの非公式民間セクターアドバイザリーグループ(PSAG)を通じた一層の連携強化などを中心に意見交換を行いました。
2 一般社団法人AgVenture Lab(東京都・千代田区)


11月13日午後、荻野代表理事理事長から、同ラボのスタートアップ企業支援の取組について紹介を受けました。また、同社が支援するスタートアップ企業からの農業・食料分野における課題解決に向けた技術・取組等に関する説明を受け、意見交換を行いました。
3 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(JIRCAS)(茨城県・つくば市)


11月14日午前、小山修理事長及び所属する研究者から、栄養改善のための農業分野での研究、乾燥地帯における農業のレジリエンスの強化、持続可能な養殖技術等に関する研究概要の説明を受けて、意見交換を行いました。また、同センターの研究施設の視察も実施しました。
4 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)(茨城県・つくば市)


11月14日午後、勝田眞澄理事及び所属する研究者から、遺伝子組み替え食品の分析法の標準化や、土壌の健康診断に基づく土壌病害管理等に関する研究概要の説明を受けて、意見交換を行いました。また、同機構による研究成果に関する展示の視察も実施しました。
5 有限会社鍋八農産(愛知県・弥富市)

11月15日午前、八木淳子取締役及びトヨタ自動車社員から、鍋八農産の生産現場における改善の取組の経緯や成果に関する概要について説明を受けた後、鍋八農産の案内のもと、実際に作業効率等に関する改善の取組を実施した農業施設等の視察を行いました。
6 名古屋大学(愛知県・名古屋市)


11月15日午後、杉山直総長への表敬訪問を行うとともに、食料・農業の分野の教員から、イネの収量増加に向けた品種開発等の研究概要に関する説明を受けました。また、同大学学生等を対象とするセミナー(ハイブリッド形式)を開催し、ベクドル事務局次長から「食料と農業における世界の最新動向と国際機関で働くことにおける洞察」と題した講演を、相馬安行外務省国際機関人事センター長から「国際機関で働く!」と題した講演を実施し、質疑応答を行いました。
7 京都大学(京都府・京都市)


11月16日午前、河野泰之副学長への表敬訪問を行うとともに、食料・農業の分野の教員から、気候変動下の作物生産、日本における持続可能な農村開発・ジェンダー史・消費者行動、微生物の炭素循環への貢献等に関する研究概要の説明を受けました。また、食料・農業分野を専攻する学生から研究に関する説明を受けるとともに、研究内容に関する質疑応答や、学生の今後のキャリアに関する意見交換を実施しました。
8 滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県・草津市)

11月17日午前、滋賀県立琵琶湖博物館を訪問し、大杉住子滋賀県副知事から、2022年に世界農業遺産に認定された「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」の事例概要について説明を受けるとともに、学芸員の案内で館内の展示を見学しながら、意見交換を行いました。
9 三和漁業協同組合(滋賀県・高島市)

11月17日午後、滋賀県高島市の三和漁業協同組合を訪問し、齊藤秀和組合長の案内のもと、限りある水産資源に配慮した持続可能な漁法であるエリ漁に関する視察等を行いました。
10 みのり農園(滋賀県・高島市)


11月17日午後、農林水産省「農業女子プロジェクト」のメンバーである高橋佳奈みのり農園代表との間で、農園の経営概要や課題、農業現場における女性の活躍等について意見交換を行うとともに、同農園が経営する農家レストランや、野菜等を生産する圃場の視察を行いました。