経済外交
OECD東南アジア地域フォーラム(概要)
平成26年3月27日
ポイント
- 我が国からは三ツ矢外務副大臣(OECD加盟国中最もハイレベル),兒玉OECD代表部大使が出席。グリア事務総長からは,我が国が東南アジア地域との関係強化を一貫して支持し,本年のOECD閣僚理事会議長国として,本フォーラムを重視している証左であるとして,謝意が示された。
- 本フォーラムでの議論を踏まえ,我が国が議長国を務める本年5月のOECD閣僚理事会で,OECD東南アジア地域プログラムが正式に立ち上がる。
- 三ツ矢副大臣は,ASEAN諸国からの閣僚級出席者と二国間会談を行い,5月のOECD閣僚理事会への参加要請を含む,OECDとの関係強化や各国との二国間関係につき意見交換を行った。
3月24日から26日にかけ,インドネシア政府・OECD共催でOECD東南アジア地域フォーラムがバリで開催され,我が国から,三ツ矢憲夫外務副大臣,兒玉和夫OECD代表部大使他が出席したところ,概要以下のとおり。
本フォーラムには,グリア事務総長に加え,ASEAN諸国から,ハティブ・バスリ・インドネシア財相,ナム・ビニャケート・ラオス商業工業相,イン・カンタパビー・カンボジア女性相,ズン・ベトナム計画投資副相をはじめとする閣僚級が参加。また,我が国の他,独,スイス,フィンランド,韓国,墨のOECD常駐代表が,英,加,スウェーデンからは駐インドネシア大使が出席。
1 三ツ矢副大臣による特別演説
ハティブ・バスリ・インドネシア財務相,グリア事務総長に続いて,三ツ矢副大臣から,本年OECD閣僚理事会議長国として特別演説を行ったところ,概要以下のとおり(スピーチ(英語)(PDF))。
- 世界経済の中心が西から東(アジア)に移動する中,東南アジアは今後の世界経済を牽引する地域であり,非加盟国・地域との関係強化がOECDにとって鍵となる。2007年,2013年とOECDの拡大について議論された際にも,我が国はOECDと東南アジアとの関係強化を一貫して支持してきた。日本は,議長国を務める本年閣僚理事会において,東南アジアとの関係強化をテーマの一つに据えて取組を推進。
- 東南アジア諸国もグローバル化の影響を大きく受けるところ,OECDでの議論は,東南アジア諸国にとっても有用(例.中所得国の罠)。我が国は,東南アジア諸国とOECDとの関係強化に向けた橋渡し役を担っていく。
- OECDとASEANの関係強化には,3つのL(Linking, Listening, Learning)が重要。東南アジア地域フォーラムの継続的な実施と東南アジア地域プログラムの取組を強化するとともに,その際,ADB,APEC,ESCAP等の国際機関との連携が有益。
2 バイ会談
(1)グリアOECD事務総長
- グリア事務総長から,我が国のOECD加盟50周年への祝辞とともに,OECD東南アジア地域フォーラムへの三ツ矢副大臣出席とOECDと東南アジア地域との関係強化に向けた我が国の取組への謝意が表明された。
- 三ツ矢副大臣から,東南アジアは,OECDの知見を必要としており,我が国としてもOECDと東南アジアとの橋渡し役を果たして行く旨表明。
- その他,4月に予定されているグリア事務総長の訪日,少子高齢化やアベノミクスをはじめとする我が国の経済政策等幅広く意見交換を実施。
(2)ナム・ラオス商工業相
- 三ツ矢副大臣から,5月の閣僚理事会への積極的な参加をはじめラオスがOECDを重視していることを歓迎する,日ラオス外交関係樹立60周年を契機として両国間の関係を深めたい旨発言。
- ナム商工業相から,OECDと東南アジアとの関係強化に関する我が国の取組に謝意が示され,ラオスとしてもOECDとの関係強化を深めるべく,様々なプロジェクトに関与していきたい旨発言,また,外交関係樹立60周年を通じた新たなパートナーシップの構築への意欲を表明。
(3)ズン・ベトナム計画投資省副大臣
- 三ツ矢副大臣から,ベトナムにとってもOECDの知見は役に立つものであり,今後とも東南アジア地域フォーラムをはじめOECDの活動に積極的に参加いただければ幸い,また,5月の閣僚理事会への積極的な参加をお願いしたい旨発言。
- ズン副相から,OECDと東南アジアとの関係強化に向けた日本のイニシアティブを歓迎しており,閣僚理事会への出席については,今回のフォーラムを踏まえて決定する旨表明。
- その他,先日のサン国家主席訪日をはじめとする二国間関係等について意見交換を実施。