世界貿易機関(WTO)

令和元年5月22日
アゼベドWTO事務局長と握手する河野外務大臣
河野外務大臣とアゼベドWTO事務局長との会談
 5月22日,現地時間午前10時38分(日本時間同日午後5時38分)から約30分間,OECD閣僚理事会出席のためパリを訪問中の河野外務大臣は,ロベルト・アゼベド世界貿易機関(WTO)事務局長(Mr. Roberto Azevêdo, Director-General, WTO)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
 
1 河野外務大臣から,昨年11月に東京でお迎えして以来の再会を喜んでいるとした上で,WTO改革については,一層の切迫感を持って取り組む必要があり,事務局長の果たす役割への期待感を表明しました。
 その上で,韓国による日本産水産物等の輸入規制措置に関するWTO上級委員会の判断に関し,上級委員会が主要争点となった措置自体が協定違反か否かの判断を行わず,本来紛争解決制度が果たすべき機能を果たさなかったことは極めて遺憾である旨述べました。その上で,日本国内においてはこれでは本来紛争解決制度が果たすべき機能を果たしていないと問題視する声が非常に多く,紛争解決制度の改革を求める声が高まる中,WTOへの信頼感を取り戻すために事務局長におかれても尽力願いたいと述べました。
 
2 これに対し,アゼベド事務局長からは,韓国による日本産水産物等の輸入規制措置に関するWTO上級委員会の判断については,自分自身は一切関わっていないものの,本件の日本にとっての重要性を理解しており,事務局長としても紛争の解決に向けて可能な協力を行っていきたい旨発言がありました。
 また,WTO改革に対する日本のリーダーシップに謝意を表するとともに,G20の機会に議論を一層加速できるよう日本との協力を深めたい,紛争解決制度の改革については,加盟国間での議論を一層促進していく必要がある旨発言がありました。
 
3 また,河野外務大臣から,6月のG20サミット(大阪)及び貿易・デジタル経済大臣会合(つくば)では,議長国としてWTO改革のモメンタムの維持・強化に貢献する考えである旨を伝えたのに対し,アゼベド事務局長からは,かかる日本の取組を高く評価し,支持しているとの発言がありました。

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