世界貿易機関(WTO)

令和2年5月22日

 5月20日,世界貿易機関(WTO)事務局は,新型コロナウイルスを受けて加盟国が行った各種国内規格の改訂等に関する報告書を発表したところ,その概要は以下のとおりです。なお,報告書の全文はWTOのホームページで御確認いただけます。

  1. WTO加盟国が新型コロナウイルスへの対応として通報した措置の3分の2は,衛生植物検疫措置(SPS)と貿易の技術的障害(TBT)に関するもの。これまで,27の加盟国から85件の通報(TBT:52件,SPS:33件)があり,この約半数は一時的な措置である。国別の通報件数は,ブラジル(15件),クウェート(15件),インドネシア(7件),フィリピン(6件),タイ(6件)の順に多い。
  2. 通報の大半は,新型コロナウイルスによる喫緊の保健上の問題に対処するためのSPS・TBT協定上の緊急通報。緊急通報の場合,加盟国は通報後,60日間の他加盟国からのコメント期間を設けることなく,すぐに措置を実施できる。しかし,たとえ緊急にとられる措置であっても,無差別性や不要な貿易上の障壁となることを避ける等の協定上の義務に従う必要がある。
  3. これまで通報された措置は,通報件数順に個人防護具(24件),食料(16件),一般(12件),生きた動物(11件),医療機器(11件)等の幅広い範囲の物品を対象としており,(1)認証手続の簡素化,(2)医療用品の安全性確認,(3)規格緩和による食料の確保,(4)生きた動物等の国際取引に起因する新型コロナウイルスのリスクへの対応,という4つの主なカテゴリーに分けられる。
  • (1)認証手続の簡素化については,医療用品の認証,認可及びその他の手続を簡素化するための一時的措置が通報されている。例えば,ブラジルは個人防護具,カナダは消毒剤の認証要件を一時的に緩和している。また,電子的手続も導入されており,ブラジルは医薬品等の適合性評価手続において,テレビ会議技術やデータ送信を用いた遠隔検査を認めている。
  • (2)医療用品の安全性確保については,複数の加盟国が,新型コロナウイルスに対応するため,医療用品の健康,安全,品質に関する新たな要件を採用している。例えば,米国は,呼吸用保護具の需要増大に対応するため,その承認要件を見直している。
  • (3)規格緩和による食料の確保については,多くの加盟国が一部の食品に対する規格の一時的緩和措置を通報している。例えば,インドネシアは主食(小麦粉,食料油,砂糖)に対する品質要件を緩和している。
  • (4)生きた動物等の国際取引に起因する新型コロナウイルスのリスクへの対応については,当初は各国の規制は中国のみを対象としていたが,その範囲は,イラン,韓国,EU加盟国等にも広がっている。

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