経済外交

平成30年9月17日

1 会議概要

(1)9月10日(月曜日)から9月14日(土曜日),岡本三成外務大臣政務官は,谷合正明農林水産副大臣と共に,ブラジルのフロリアノポリスで開催された第67回国際捕鯨委員会(IWC)総会に我が国の代表として参加しました。

(2)会合では,(ア)日本が提案したIWC改革案のほか,(イ)南大西洋鯨類サンクチュアリ(保護区)の設置提案,(ウ)先住民生存捕鯨の捕獲枠の更新,(エ)ブラジルの提案による「フロリアノポリス宣言」などについて議論が行われました。

(3)岡本政務官は,谷合農林水産副大臣と共に同総会の初日に開会時の発言を行いました。ステートメントでは,(ア)特定の鯨種については十分な資源量の存在が科学的に証明されているにもかかわらず,商業捕鯨及び持続可能な捕鯨の概念を全面的に否定することは,条約の趣旨・目的に反すること,(イ)IWCの現状は,鯨類資源の保存・管理を巡るグローバル・ガバナンスに資するものではないこと,(ウ)IWCはこれまでの70年間において鯨類資源に関する科学的知見を蓄積し,また,安全な捕獲枠を算出する方式を開発する等発展してきた一方で,国際捕鯨取締条約(ICRW)の定める目的は変わっていないこと,(エ)日本のIWC改革案は異なる立場を有する全ての国の利益に配慮し,IWC加盟国の多様性を尊重するものであること,また,(オ)日本の提案は様々な国がIWCにおいて「共存」していく道を模索する決意の現れであること,(カ)IWCにおいてはこれまであらゆる改革案が失敗に終わってきたことを踏まえ,同じ過ちを繰り返すべきではないこと等を述べました。

(4)日本が提案したIWC改革案は十分な議論が行われた上で投票に付され,否決されました。これを受けて,谷合農林水産副大臣が発言を求め,IWCにおける「共存」を目指し,各国の利益に最大限配慮した日本の提案が否定されたことは極めて残念であり,IWC締約国としての立場を根本から見直し,あらゆる選択肢を精査せざるを得ない旨を述べました。

(5)今次IWC総会の内容についての詳細は以下の水産庁ホームページをご参照ください。

フロリアノポリス宣言]商業捕鯨モラトリアム継続の重要性を確認,致死的調査は不要と合意すべき等の内容を含む決議。

関連リンク

2 二国間会談

 岡本政務官は,谷合農林水産副大臣と共に,総会開催中の様々な機会をとらえ,開催国ブラジルのドゥアルテ環境大臣や豪州のラストン国際開発・太平洋補佐大臣をはじめとし,計18か国の代表と会談を行い,科学的根拠に基づいた鯨類資源の持続可能な利用という日本の基本的な立場を説明し,日本が提出したIWC改革案への支持を働きかけました。

3 日系人との意見交換会

 9月9日(日曜日),岡本政務官は,フロリアノポリス周辺に在住の日系社会代表者と昼食を交えて意見交換を行い,地域の発展への貢献に敬意を表すとともに,日系社会との連携を通じて日本とブラジルの絆が更に深まることを期待している旨述べました。


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